佐藤 肇祐氏/ワンダーストレージホールディングス 代表取締役
【2024年4月号掲載】
「社会インフラ創造」で安心して暮らせる地域を構築 グループ一丸で〝福祉事業から未来を考える〟
北海道福祉の“ヒットメーカー”が社名変更、ブランド統一。 その狙い、想いとは──
2011年の創業以来、シリーズで展開する『うるおいの家®』を軸に、30拠点を超える高齢者住宅を運営。急速に進む高齢化のなか、“利用者のライフスタイルに合わせた自分らしい生活”を掲げ、グループ全体で“高齢者を支え、孤立させない”多角的な取り組みを実践、地域を構築している。
こうしたなか、これまで『うるおい』シリーズを展開してきたセブンブレンチ㈱は昨年末、ワンダーストレージ㈱に社名を変更。「我々は高齢者福祉事業をプラットホームに、あらゆる人を支え、すべての人が必要とする商品開発を手掛ける総合商社であり、ワンダーストレージはその中核」だとして、今後はグループ全体を“ワンダーストレージブランド”に統一していく構えだ。「ブランドの統一には、個々の利用者が“必要とするサービスをグループ内から必要なだけ選択できる”ということを知ってもらう意味がある」とし、また、「創業期は会社も存続する事に必死で、利用者の生活の維持のために出来る事は、家賃と食事代を下げて生活費を確保することぐらいだった。ただ今は“次の段階”にある。選んでもらえるサービスを充実させ、テーマである『豊かさと感動』を追求し、それを形にすることが可能になった。まだまだブラッシュアップさせていく」
そのひとつが『明日も行きたくなるデイサービス うるおい』の開設である。現在では1年間で4施設(南の沢、川沿、西町、手稲曙)まで拡大させている。
「利用者の方一人ひとりが求めている生活、文化を提供したい」という想いから誕生した『うるおい』シリーズだが、今回、利用者にさらにインパクトを与えているのは『明日も行きたくなる』といったフレーズ。事実、定員30人以上の大型のデイサービスでありながら、開設以来、通所率は95%超で推移しているが、それはグループのコンセプトでもある“豊かさと感動”をテーマとした事業オペレーションに起因する。
具体的には、
● 昼食は10円。弁当スタイルを中心に、月に数回ビュッフェも。
● 音楽家、セラピストが介護士として常駐。芸術療法やタッチセラピーなどのサービスが受けられる。
● 目標を見据えた、ゲーム感覚の機能訓練により、日々の運動に達成感が生まれる。
──など、利用者に充実した時間を提供することで“行きたくなる”空間を創出しているわけだ。
今回のブランド統一により、グループ全体で地域に寄り添う総合商社としての役割に一層の期待が集まる一方、経営面に目を移すと、創業13年目である24年度決算はグループで年商30億円超え、28年度までの中期計画では年商50億円を見込むなど、更なる成長を予感させる。
「誰もが社会とつながり、決して諦めることなく、自己実現を追求し、充実した生活を送ることができる“社会インフラの創造”。必ず全ての社員と実現させる」
今後も同社が次々と創り出す“福祉事業の新しいコンテンツ”に注目したい。