丹波 孝司氏/株式会社将軍ジャパン 取締役社長

【2023年6月号掲載】

丹波孝司社長
▲丹波孝司社長(ダンディズム狸小路本店で)

将軍ジャパンがさらなる業容拡大へ
「クイックカットBB」FC展開満20年 本部機能一層の強化でブラッシュアップ図る

人気複合施設から相次ぐ出店依頼

 1996年に理美容事業からスタートし、今年27年目を迎える将軍ジャパン(本社・江別市)はとどまることなく業容を拡大している。飲食や不動産、広告など多岐にわたる事業展開に磨きがかかり、全国で約203店舗(直営・FC店合計)を運営。4月26日には群馬県吉岡町にヘアカット専門店「クイックカットBB」ジョイホンパーク吉岡店がFC店としてオープンした。

ジョイホンパーク吉岡店
▲4月26日にオープンした「クイックカットBB」
ジョイホンパーク吉岡店(群馬県)

「ジョイホンパーク吉岡」は大型ホームセンターで知られるジョイフル本田(本社・茨城県土浦市)が運営し、衣食住に関わる43のテナントで構成されるワンストップショッピングパーク。前橋市と高崎市の2大主要都市から近く、オープン後の賑わいは地元でも「すごい」と評判だ。

 こうした大型の人気複合商業施設から出店依頼を受けるのは、将軍ジャパンが「クイックカットBB」のFC展開を2003年に始めて以来、確実に実績を重ねてきたからにほかならない。

 丹波孝司社長が語る。
「髪は誰でも伸び、理美容業界は『衣食住髪』と言われるほど需要は安定しています。当社は随時FC加盟募集を行っていますが、オーナー様からは『はじめやすい』と喜ばれています。それはネットワークカメラと売り上げデータによる遠隔経営が可能で、オーナー様が店舗に足を運ぶのは月1回程度。理美容業界未経験の方でも開業可能なので異業種からの問い合わせが増えています」

ディスカウントヘアカラー ザ バリュー守谷店
▲機能的な店内(ディスカウントヘアカラー 
ザ バリュー守谷店=茨城県)

 FCオーナー全52社中、業界外の副業が95%という。最小限の時間と労力で効率経営を実現でき、多店舗展開にも最適。仕入れや在庫を抑えられることも理美容のFCビジネスの強みだ。

 丹波社長は近々の展望をこう示す。
「北海道、関東、関西の大きく3つのブロックに分けマネジメントし、FC本部としての機能を一層強化していく。オーナー様、お客様の満足度をさらに高められるようブラッシュアップを図っていきます」

 同社は「クイックカットBB」のほか、理美容事業だけでも複数のブランドを保有、運営している。なかでも最近注目度が高まっているのは、スタイリッシュな店内で上質な技術を提供する理容室「メンズサロン ダンディズム・プラス」だ。
 格安店との差別化を図った理容部門の集大成ともいえる業態。広域で展開する道内4店舗の一つ、狸小路3丁目の狸小路本店は「価格帯が手頃。シャンプー・顔そりに加えて、落ち着いた空間でのマッサージなどプレミア感がある」と21年9月のオープンから着実にファンが増えている。

 真向かいに複合再開発ビル「モユクサッポロ」が7月に開業予定。利便性はさらに高まりそうだ。
 このほか同社の既存店舗では最古の「理容のディスカウント5丁目通店」(江別市)が今年1月に近隣のファミリーマート跡地に移転。駐車場が12台確保され、集客力がアップした。
 まつ毛エクステやネイルサロンのビューティー事業も好調だ。

賃貸住宅の集中で地域のランドマークに

 一方、不動産事業は、ホールディングスとして運営する将軍ジャパングループの一つの柱として力強く展開している。
 17棟120世帯の住居物件を有し、その大半は「SJPザ・クラス」シリーズの2~3階のアパート。江別市萌えぎ野地区に集中して開発され、地域のランドマークとして人口増にも貢献している。

 ほぼ100%の入居率を維持しているのは、一坪ユニットバスや全室LED照明、RV用対応車庫など諸設備が整っているのが大きな要因。室数以上の駐車スペースを保有している。

 将軍ジャパングループは昨年9月にSDGs宣言を行った。
 再エネ・省エネ、リサイクルなど環境に配慮した活動や地域・社会貢献活動はSDGs宣言企業として一般的だが、同社の取り組みで注目したいのは理美容業界には珍しく「社員一人ひとりが長く安心して働ける職場づくり」に努めていること。その一例として、売り上げも回復傾向にあることから社員のベースアップを計画している。