牧野 成寿氏/サッポロビール㈱上席執行役員 北海道本社代表 兼 北海道本部長
【2025年7月号掲載】

発売40周年「サッポロ クラシック」の魅力に迫る
サッポロビール㈱の「サッポロ クラシック」は今年6月12日、発売40周年を迎えた。昨年は過去最高の売上を記録。今年はさらにその記録を上回る勢いで推移しているという。
北海道本社代表・本部長の牧野成寿氏は道外や海外勤務を経て、今年4月に生まれ故郷である北海道に着任した。「サッポロ クラシック」への想いや魅力、今後のビジョンを訊いた。
北海道を 「もっと元気に、笑顔に、強く、豊かに」
――これまでの仕事観と今後のビジョンは。
北海道に住んでいたのは23年前。従来、北海道を「もっと元気に笑顔に」と考えてきましたが、道内の首長や様々な方との対話の中で、もう一つのキーワード「強く、豊かに」を新たに加えました。北海道は大きなポテンシャルを持つ一方で、抱える課題も多く、「光と影」がある。それらと真正面からしっかりと向き合い、サッポログループが道内に擁する10個の機能(①酒類の販売②製造(工場)③食品・飲料の販売④外食⑤不動産⑥博物館⑦原料開発研究⑧大麦畑⑨ホップ畑⑩ぶどう園)を通じて道民の期待を超える北海道の未来を切り拓いていくことが自分のミッションと考えます。
――「サッポロ クラシック」への想いについて。
2016年で「開拓使麦酒醸造所」が開業してから150年。言わば札幌は日本のビールのゲートウェイの地。ここから日本のビールの歴史が始まったというその誇りは強い。
「サッポロ クラシック」はその象徴として、北海道で生まれ育った弊社が「ふる里のために何かできるか」という想いと北海道への感謝の気持ちを込めて製造・発売しました。〝道民の皆様の幸せと共に歩み続けるビール〟として道民に寄り添い、北海道限定を貫いています。
――リニューアルについて教えてください。
北海道の食や気候にあった味わいを目指し、こだわりの素材と醸造法でつくられるクラシックならではの「素材のうまみ」と「爽快な味わい」を追求してきましたが、今回は特別な製法である「ホッホクルツ製法(注1)」をブラッシュアップし、その味わいに磨きをかけクラシックならではの「素材のうまみ」は保ちながら、より〝爽快な飲み心地〟を目指しました。

――6月3日発売した「夏の爽快」の特徴は。
今年で10年目となる「北海道の旬の美味しさをお届けするクラシックシリーズ」は、北海道産ホップ「リトルスター」を使用し、さらに北海道産大麦麦芽「きたのほし」を使用することで、北海道の「夏らしい爽快な香り」と「飲みごたえ」を引き出した夏限定の味わいで、この季節だけの特別なクラシックです。
(注1)ドイツの伝統的な醸造法で、高温短時間仕込により、麦芽100%のまろやかな味わいとスッキリした飲みやすさを両立している
「チーム北海道」で未来を切り拓く
――今後のイベントについて教えてください。
「サッポロビール園」の屋外ビヤガーデン(6月12日~10月13日)、クラシックを中心に10種のビールが楽しめる、ビールを愛する大人たちのイベント「サッポロビアホリデー」(6月28、29日)、日本最大のビヤガーデン「さっぽろ大通ビヤガーデン」(7月18日~8月13日)が開催されます。
また、同社の北海道工場見学施設(恵庭市)も昨年リニューアルしました。
商品の歴史や製造方法などを知ることができ、パーフェクトな「クラシック」が飲めることで来場者数も伸びています。こうしたイベントには人が集まり、ビールを介して会話が生まれ、交流が生まれる絶好の社交場と考えています。
――最後に「クラシック」とは。
情緒的な部分も含めて道民の幸せに寄り添っていきたい。そのために必要な一つのツールという想い。「クラシック」という商品を介してお客様と接し、北海道をもっと元気に笑顔で強く、豊かにしていく。我々の擁する様々な機能を生かし、「チーム北海道」で北海道をもっと盛り上げ、共に暮らす北海道民、世界、日本中から訪れるお客様にここに私達が持つ機能を通じて北海道の未来を切り拓く。今後もご支援を賜りつつ、サッポロビールのさらなる飛躍にご期待ください。
友人、知人など全ての「ステークホルダー」の方々に応援してもらうには、自分磨きが必須で「人間力」を高めなければ応援してもらえない。究極は〝人〟のサッポロビールでありたいです。