桑園むねやす眼科

【2023年12月号掲載】

【住所】札幌市中央区北10条西15丁目1‐4 ブランズ札幌桑園駅前イースト1F
【TEL】 011-618-5566
【URL】http://muneyasu.sakura.ne.jp

涙、まぶた、緑内障および網膜硝子体の専門治療

竹田 宗泰院長
▲竹田 宗泰院長
田村 唯副院長
▲田村 唯副院長

 桑園むねやす眼科では、田村唯副院長が涙と緑内障の治療に力を入れている。涙は多くても少なくても見え方に影響がでる。涙が多い場合は、点眼治療で改善しないこともあり、涙の流れを良くするために外来で日帰り内視鏡手術を行う。それが難しい場合には鼻の奥と目頭をつなぎ、皮膚に傷跡を残さない鼻からの手術(涙嚢鼻腔吻合術・鼻内法)がある。

 一方、緑内障は失明の原因であり、末期になるまで自覚症状がないのがほとんど。
「治療には、点眼やレーザー、そして手術がありますが、いずれも眼圧を下げるために行います。白内障手術は5〜10分で行うことができ、緑内障手術を併用することもあります。自覚症状が出る前に治療を始めることが大切。40歳以上の20人に1人が緑内障だといわれますから、自覚症状がなくても1年に1回は眼科で検査することをお勧めします」(田村副院長)

 網膜硝子体の治療では新しい薬剤が導入され、「抗VEGF薬の眼球注射」が加齢黄斑変性はもとより、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、強度近視などに幅広く使用されている。

 この眼球注射は、即効性が高く、無くてはならない治療法で、同院でも年間およそ1000人に実施している。しかし再発により高額負担になって治療が継続できないこともある。そのため竹田宗泰院長は、「薬物治療だけに頼らず、選択肢を広げてレーザー治療や硝子体手術を使用する場合もあります」と説明する。

 また竹田院長は、「最終的な治療の選択は、患者さんに任せますが、患者さんが自己判断できないことも多く、治療にはわかりやすい説明と謙虚な姿勢を心がけています」という。診断には、造影剤が要らない超広角OCT(光干渉断層計)血管造影(キャノンS‐1)を導入して診断の精度の向上を図っている。それだけでは治療の選択と実施が困難な疾患については、蛍光眼底造影も積極的に行っている。

 網膜疾患も、放置すると失明することが多く、早期発見と早期治療が必要だ。早期発見のために竹田院長は、片目を手で隠し、老眼鏡をかけてアムスラーチャートで「線が歪むことや小さな字が読めなくなっていないかの自己チェック」を勧めている。

 手術については、白内障および硝子体手術など無縫合の極小切開ですべて日帰りで実施し、早期の社会復帰も可能である。

涙道の手術

手術前(写真左)は涙の流れが悪く、目やにがたまることで結膜炎を繰り返していたが、手術後(同右)は涙嚢鼻腔吻合術により、結膜炎が改善。鼻からの手術をする方法もあり、その場合は皮膚に傷も残らない