株式会社かね彦

【2025年1月号掲載】

【住所】札幌市白石区東札幌6条1丁目2番26号
【TEL】 011-823-1181
【FAX】011-823-0881
【URL】https://www.kanehiko.jp

「かまエナガ」発売1年で3万個に迫る、「かまぼこはタンパク質の塊」と啓蒙に力を注ぐ

 創業から107年、かね彦は道内食品会社の中では屈指の老舗企業である。人々の健康志向が今まで以上に高まる日常社会にあって、中島代博社長は「効率良くタンパク質を摂取できる食品」として、かまぼこの消費拡大に努めている。

中島代博社長
▲本社工場で自社商品を手にする
中島代博社長とイメージ
キャラクターの「かまエナガ」

 かね彦は2024年春、昭和時代から使い続けてきた本社工場のかまぼこ製造機械を更新した。退役の寂しさを感じつつも、新たな機械設備の導入で、従来に増して高品質で安定的な生産体制が整ったといえる。

 本社工場は白石区東札幌にある。今から50年以上前の昭和40年代前半、中島公園前にあった工場の移転話が出た時に市内3ヵ所が候補に挙がり、ここに決まったのは「水」が理由。地下から豊富に湧き出す豊平川扇状地の伏流水は、すり身をする際に適度な硬質で、味わいを損なう鉄分が少ないため、かまぼこ作りに最適だからだ。

「水」の効率的・持続的な利用はSDGsの目標の一つ。かね彦では「水」を大切に利用するのはもちろん、他の項目でもSDGsの達成に向けた取り組みに一層力を注いでいる。

 商品開発にも知恵を絞る。「シマエナガ」をヒントにした「かまエナガ」を23年11月に新発売したところ、1年間で3万個に迫る販売量で推移している。「予想を遥かに超えた」と中島社長は目を細め、これもシマエナガが「子どもたちに愛されている」いう着眼があってこそ。可愛らしいパッケージも大きなインパクトがあった。

「かまエナガ」は人気商品を取り揃える「きたキッチン」でも取り扱いがあり、道内主要空港にも販路は広がる予定だ。

▲水産庁長官賞に
輝いた「野菜のし」

 また24年は、75回の歴史と伝統を持つ全国蒲鉾品評会で「野菜のし」が16年に続いて水産庁長官賞を受賞した。パセリと人参、玉ねぎの3種類の野菜と魚の旨味が調和したソフトな珍味かまぼことしてファンが多い商品だ。

 業界団体の一般社団法人日本かまぼこ協会は、魚肉タンパクの基準を満たした商品を「フィッシュプロテイン」と認証しており、かね彦の該当商品は多数にのぼる。

 中島社長は食育の啓蒙・普及活動などで「かまぼこは高タンパクで低脂肪の食品。気軽に食べて」と呼び掛けている。