株式会社アークス

【2023年6月号掲載】

【住所】札幌市中央区南13条西11丁目2番32号
【TEL】 011‐530‐1000
【URL】http://www.arcs-g.co.jp/

行動変容から価値変容へ インフレに挑戦し、新たな価値の提供を

横山 清アークス社長
▲横山 清アークス社長

 昨今のインフレやエネルギー料金の高騰で、その対策が注目される中、アークスの2023年2月期決算は、売上高が5662億円(前期比101・7%)と新会計基準適用後で過去最高を更新した。
 一方、営業利益の方は総利益42・6億円増の1418億円を確保したものの、電気料金の高騰に伴う水道光熱費の大幅増加等で減益となった。

 その対策として同社では、エネルギー監視システムの活用や照明・冷設機器等の設定温度見直し等をはじめ、様々な節電対策を講じることでコスト削減に取り組んでいる。

 また、サステナビリティ推進については昨年6月に「サステナビリティ推進室」を立ち上げ、CO2削減、食品リサイクル・ループ、女性活躍推進等、顧客第一・地域密着主義のもと、グループ全体での推進活動にも意欲的だ。
「大きなテーマであるだけに、やる以上はしっかりと取り組み、その内容を生活者の皆様にも理解していただくという相互関係が重要」(横山社長)

 コロナ禍によるライフスタイルの変化もあり、オンラインショップなども強化しているが、食品に限らず、多岐にわたり値上げが実施されている状況を鑑み、「本当の意味でのコストアップはこれから。あらゆる業種、業態の格差が現れるのが今年だと思う。今後も〝何が本物であるか〟を企業が見極め、示していく必要がある」(同)

 23年の年頭所感では、コロナ禍で積み重なった行動変容、地政学リスクが拍車をかけた資源価格高騰、さらにさまざまなモノやサービスの価格高騰に対応し、「価値変容の時 インフレに挑戦 新価格体系の移行で幸福な生活を創出す」と掲げている。
 この所感には「変化したお客様の要望に応え、納得できない値上げは許さず、新しい価値を系統的に整え、一刻も早く実現して心ゆたかな日々の暮らしをつくりだそう!」という、グループが一丸となっていくための想いが込められている。

 顧客の価値変容を受け、今後アークスグループには新たな価値の提供が求められている。
 具体的には、「地域のライフラインとして、価値ある商品・サービスを低価格で提供し、豊かな暮らしに貢献」するという企業理念に基づき、①顧客が納得できる「新しい価格体系」への移行 ②顧客のニーズに対応した商品・サービスの提供 ③「アークスでなければ買えない」商品の提供等が挙げられている。
「トータルでの生活提案を行いながら、ニーズに応えられる店舗を目指して逞しく成長していく」(同)

▲今年の年頭所感では「価値変容」を掲げ、「新価格
体系」への移行でインフレにチャレンジしていく