3eee

【2023年8月号掲載】

【住所】札幌市中央区北4条西6丁目1-3 北四条ビル 3階
【TEL】 011-210-8088
【URL】https://3eee.co.jp

注目を集める3eeeの次なる展開

日本デイサービス協会主催「デイサービス5選」選出、「事業所評価加算」適合事業所数10年連続道内1位
田中紀雄社長
▲田中紀雄社長

 介護事業や障がい福祉事業を中心に全国展開するソーシャルベンチャー企業、3eee(本社・札幌市、田中紀雄社長)が2023年「デイサービス5選」に選出され、「事業所評価加算」適合事業所数10年連続道内1位になるなど、今年に入りますます業界内外での注目を集めている。創業当初から掲げる利用者の自立支援において一定の成果を上げた同社は「利用者の生きがい創出」を見据え、さらに進化を続けている。

生産性の向上に寄与したDr・ZNOO

 3eeeが選ばれた「デイサービス5選」は、一般社団法人日本デイサービス協会の主催。介護事業を巡る大きな変革のなかで、ロールモデルとなる新しいデイサービスの形の発信を目的としている。2回目の開催となる今年は全国から1831事例のエントリーがあり、二度の審査を経て3eeeを含む5事例が特に優れた取り組みとして選出された。

 3eeeが「5選」に選ばれたのは、同社が開発したナレッジ共有プラットホーム「Dr・ZNOO」
を活用した取り組み。日々蓄積されるノウハウの可視化と成功事例の即時共有を可能にしたシステムを導入することにより、生産性の向上を実現した。これまで全国の事業所に出向いて指導・管理にあたったスーパーバイザー職の業務時間削減やコストの合理化を実現したほか、こんなメリットもある。

「介護の現場で働く方は日々の業務に加えて、幅広い知識の習得や最新情報の収集など多岐に渡るタスクを抱えています。でも、属人的になりがちな職員の教育や情報の共有もこのシステムに置き換えることで、自分の時間に合わせてそれらが出来るようになりました」(田中社長)

 また、要支援状態を維持・改善した割合が一定以上となるなど、基準を満たした介護事業所が算定できる「事業所評価加算」の適合事業所数で、3eeeが10年連続道内ナンバー1となったことも見逃せない。

 同社が2010年の創業当初から利用者の自立支援に主眼を置き、一人ひとりに寄り添った最適なサービスを提供するとともに、「Dr・ZNOO」による成功事例の即時共有などによりグループ全体で安定したサービス品質が担保されていることを示す一つの指標ともいえる。

共生型の複合施設を函館・帯広で展開

 介護や障がい福祉事業で道内の先鞭を付けたケースもいくつか見られる。その一つが昨年12月に開設した道内初の多世代複合施設「百年の森 函館」だ。

 通所介護、児童発達支援、居宅介護支援、就労継続支援B型の4業態に加えて、利用者がいつでも利用可能なカフェやお買い物スペースを一つの施設に集約し、高齢者と障がい児・者が自然にふれあい共生する、本来あるべき地域社会の縮図を再現した。

▲帯広「百年の森」

 施設では、障がい者がコーヒー豆の選別や包装を、高齢者がリハビリの一環として精米や袋詰めを行い、コーヒーや米を製造する。さらに、その製造過程で出たコーヒーのかすや米ぬかを使ったオーガニック石鹸も製造している。これら製品は施設内やオンラインストア、商業施設でのイベントなどで販売し、その収益の一部が利用者へ還元される仕組みをとる。「ヒト・モノ・カネの流れを施設内で循環させる独自のエコシステムを構築しました。高齢者にとっては、働くことの対価として利用負担を軽減できるほか、社会参加を通じて自身の役割を見出し、それが生きがいの創出へとつながります」と田中社長は語る。

▲高齢者と障がい者が手掛けた製品

 函館市のふるさと納税返礼品としても採用されるなど、製品の品質の高さも際立っている。「米は道産米のふっくりんこを玄米で仕入れ、コーヒーはインドネシア産のマンデリンを生豆からじっくり自家焙煎しています。味にご納得いただけた方が多いのでしょうか、リピーターもじわじわ増えていますね」(田中社長)

「百年の森 函館」で軌道に乗ったこのシステムは「帯広市総合ケアセンター 百年の森」でも近く展開する。帯広では「マルチ・ジェネレーション スペース」をテーマに、高齢者と障がい児童の世代間交流を育む環境を整えている。

オンラインストア Basil Kitchen Store(バジル・キッチン・ストア)
https://3eee.stores.jp