3eee

【2024年8月号掲載】

【住所】札幌市中央区北4条西6丁目1-3 北四条ビル 3階
【TEL】 011-210-8088
【URL】https://3eee.co.jp

「デイサービス5選」に2年連続で選出、海外人材紹介事業や同規模M&Aで磨きがかかる3eeeの更なる展開

田中紀雄社長
▲田中紀雄社長

 介護・障がい福祉事業を中心に全国展開するソーシャルベンチャー企業、3eee(本社・札幌市、田中紀雄社長)は2010年の創業以来、さまざまな面で進化・発展を遂げてきた。
 最近では海外人材紹介事業をスタートし、業界の枠にとらわれない展開を見せる。また、同規模企業の買収によるM&Aを進めるなど、田中社長が理想とする「貧困や差別のないボーダレスな社会の構築」に向け、着実に歩みを進めている。

斬新な取り組みが業界内外で高評価

 3eeeは今年4月、一般社団法人日本デイサービス協会主催の「2024年デイサービス5選」に2年連続で選出された。大きな変革期を迎える介護業界で優れた取り組みを行うデイサービス事業所をロールモデルとして認定し、好事例を発信することで全国のデイサービスの活性化を図ることを狙いとしている。

 全国1519事業所がエントリーした中で、3eeeが選ばれたのは、一昨年12月に開設した道内初の多世代複合施設「百年の森 函館」の取り組みが高く評価されたためだ。
 この施設は、通所介護、児童発達支援、居宅介護支援、就労継続支援B型の4業態を一つの施設に集約し、児童から高齢者まで多世代にわたる利用者がふれあい共生する、本来あるべき地域社会の縮図のような環境を再現した。

▲ワーキングリハビリでは精米・袋詰め作業等を行う

「利用者様が働くことをコンセプトに、弊社の強みであるリハビリテーションと掛け合わせた〝ワーキングリハビリテーション〟を行い、つくった製品の売上を還元することで、利用負担額の軽減につながっています。利用者様の生きがい・やりがい創出という点でも意義は大きいです」と田中社長は語る。

 同社は、フランチャイズ本部としての実績をもとに、多店舗経営やFC展開のマネジメントをサポートするナレッジ共有プラットホーム「Dr・ZNOO(ドクター・ズノー)」を2022年に開発・運用し、これが昨年「デイサービス5選」に初選出される大きな要因となった。これをベースに事例投稿や臨店管理などFC本部運営に不可欠な機能を新たに搭載し、業種を問わず活用できる「クラウドFC本部ⓇDigital Brain(デジタルブレイン)」を昨年から販売開始。業務の省人化や人材育成に効果を発揮するとして好評を得ている。

海外人材紹介事業で安心の労働力供給を

▲異国の地で働く海外人材は就労意欲も高い

 最近では海外人材紹介事業も本格的に始動し、幅広い企業への支援を強化している。

 人件費を抑えるために海外人材を雇うのではなく、日本人同様に事業を支える“貴重な労働力”として就労環境を整備しなくてはならない、という思いが田中社長の根底にある。

 同業他社に先駆けて海外人材を積極的に登用してきたノウハウを武器に、海外人材の紹介や支援計画に基づく日常生活・各種手続き等の支援を行う登録支援機関として出入国管理庁の認定を受け、精力的に海外人材紹介を展開している。東南アジア諸国にも足を運び、現地法人と直接契約を進め、インドネシア等から海外人材の受け入れを広く進めていく。

「海外人材の在留資格の一つ『特定技能1号』の対象分野が今年3月には16分野に拡充されました。当社には介護以外の分野からも数多く相談が寄せられており、海外人材の採用を重要視する経営者が増えています。弊社が登録支援機関として窓口となり、安心して海外人材を受け入れていただけるようにきめ細やかな支援を行います」(田中社長)

 このほか、100%株式取得による同規模企業の子会社化や北海道で展開する複数事業所の事業譲受などのM&Aにより大きく業容を拡大させ、BtoC向けデジタルコンテンツの開発なども進めている。これまで介護・障がい福祉サービスに主軸を置いてきた同社だが、これまで培ったノウハウと実績を活かして、より多角的に利用者の生活の根幹を支え、日々の楽しみを生み出すような取り組みやサービスを推進していくことだろう。