丹波 孝司氏/株式会社将軍ジャパン 取締役社長

【2026年11月号掲載】

▲丹波孝司社長

「買取大吉」FC展開を1年半で10店舗のスピード感
将軍ジャパンHDグループ、リユース事業が一つの柱に

スピード感をもって出店地やエリア確保

▲国道に面する野幌でも理容と飲食2業態の店舗を直営している

 1996年の創業から満30年。節目の年は将軍ジャパンホールディングスグループにとって、さらなる成長と拡大に向けたターニングポイントとなったようだ。これまで理美容を中心に、アイラッシュ、ネイル、飲食、不動産、広告などの事業を運営してきたが、昨年8月にスタートしたリユース事業の「買取大吉」のFC展開が今年に入って急拡大。大きな柱に成りつつある。

「買取大吉」のFC展開は札幌のほか、旭川や小樽、岩見沢、深川などの地方でも見られる。物価高騰や環境意識の高まりを背景に、リユース市場は全国的に堅調で、今後も伸張すると見られるものの、人口が集中する都市部は競合店が少なくない。その点、地方都市は、どちらかというと初期投資を早期に回収できる傾向にあるという。

 FC店はすでに9店舗。年内にさらに1店舗の出店を予定し、合わせて10店舗となる。わずか1年半でこの数は「あまり例はない」と本部も目を見張るほど。そうした実績が認められたためか、ソーシャル型オンライン経済メディア「NEWS PICKS」の番組「THE FC OWNERS」に丹波孝司社長がゲスト出演。そこで丹波氏はローリスクでハイリターンのビジネスモデルの魅力などについて賛辞を述べている。

 こう話す。
「この1年半、会社としてリユース事業に多大なエネルギーを注ぎこんできた。出店場所やエリアの確保にスピーディーに動いたことが好結果をもたらした。まだまだ伸びる市場だけに、加速度的にさらなる店舗展開を図っていきたい」

 将軍ジャパンHDグループは、ヘアカット専門店「クイックカットBB」のFC本部としての側面を持つ。「北は稚内から西は九州鹿児島まで」の運営実績を持ち、そうしたFCビジネスノウハウがフランチャイジー経営に大きな強みとなったのは間違いない。

M&Aにチャレンジし来年1月に社名変更も

 飲食事業では、昨年9月に江別市野幌の国道12号に面して出店した「そば処 将」が好調。

 そばをメインにした店では珍しく3種類の麺から好みに応じて選べるのが特徴だ。客のほぼ半分が注文する十割更科を提供する店は全国的にそう多くはなく、うまく特色を打ち出せている。SNSの口コミや評価を見聞きした本州や海外からの来店客も少なくなく、常連客は確実に増えている。券売機の行列がほぼ解消されたことは、リピート客が操作に慣れてきた証でもある。
 季節限定のセットメニューの評判も良い。

 将軍ジャパンHDグループの成長と拡大をけん引してきたのは紛れもなく理美容事業である。
 今年2月に新さっぽろで40年の歴史を持つ「のい美容室」の運営を継承できたのは、旧オーナーとの間で円滑に事務手続きが進んだからこそ。「将軍ジャパンなら任せられる」という安心感があったからにほかならない。それだけ北海道の理美容業界で確たる地位を築いたと言える。

「のい美容室」のあるサンピアザ3階には、フルサービスの理容室「メンズサロン ダンディズム+Plus」、ヘアカット専門店「クイックカットBB」、ネイルサロン「ラポール」、アイラッシュ「セレビアイ」がそれぞれ店舗を構えており、いわば同社の理美容とビューティー事業の縮図のようだ。技術者の確保はもちろん、独自の人材育成や人事評価システムの構築に力を入れてきたことが人気商業施設での“集中”につながっている。

 いま、施設整備のハード面、人件費をはじめとするソフト面、何もかもが高騰する中にあっても、店舗展開に歯止めをかけることはない。今年2月に「クイックカットBB」のスーパーアークスイースト店、3月にイオン桑園SC店を出店。この秋には新幹線駅がある栃木県小山市と鹿児島県鹿児島市にも出店を果たした。

▲ニーズの衰えを感じさせないヘアカット専門店

 丹波社長はこう話す。
「簡単に言うと『のい美容室』もM&Aによる取得なのですが、今後は既存業態やその関連業態にこだわることなく、M&Aにチャレンジしていきたい。現状に不安があるからではなく、築き上げてきた運営ノウハウを注入することで、さらなる収益拡大を図れる、と考えているからです」

 来年1月に社名を、将軍ジャパンから将軍ジャパンレジリエンスに変更する方針。必要に応じてしなやかに適応する力を示す「レジリエンス」という言葉からは回復力や復元力、耐久力、再現力という「力」を連想させる。