【2019年4月号掲載】

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新品種で「洗浄選別施設」を改修 長いも・小豆の「宇宙食」需要に期待

川西農協_有塚利宣組合長

▲有塚利宣組合長

帯広市川西農業協同組合(有塚利宣組合長)の「十勝川西長いも」は、全国に知られる地域ブランド。米国や台湾への輸出も好調で2015年度産の輸出額は10億円を超えた。その輸出による農家所得向上への貢献が評価され、17年4月に農林水産大臣賞を受賞した。

好調な海外輸出の原動力になっているのが「安全・安心」の取り組みだ。十勝川西長いもは早くから食品衛生管理の国際基準「HACCP」を取得し、「十勝型GAP」による十勝特産品の安全・安心の取り組みにも力を入れてきた。

また17年には国際的な安全品質の最高規格といえる「SQF」認証も取得。

「SQF認証で十勝の農作物が高品質であることが国際的に認証された。今後は国際水準GAPの取得に向けて十勝特産品のレベルアップを図りたい」と有塚組合長。

さらに同農協の小豆が昨年5月に宇宙日本食の「赤飯」の原料に採用され、話題を呼んだ。JAXA(宇宙航空研究開発機構)が宇宙日本食として認証した尾西食品(本社・東京都)が製造する赤飯に使用されたものだ。

▲長期保存食「赤飯」

栄養を豊富に含んだ動物性完全食品が牛乳であるなら、植物性完全食品は豆だといえる。安全・安心の品質保証が認められた十勝の農産品が宇宙飛行士の栄養補給源に利用されることは、十勝の誇りにつながる。

現在同農協では、十勝川西長いもについて、自前で長いもを使った宇宙食を開発中だ。「長いもは、海外では薬膳として需要があり、機能性が高い食材です。宇宙食としては扱いにくい原料のひとつで、きわめてハードルが高いが、JAXAの認証を得られるように頑張りたい」(有塚組合長)

同農協は21年の認証を目標にしている。

宇宙食は非常食としても活用できるため、前出の尾西食品から新たに長期保存食(非常食)用「赤飯」の原料として年間約80万食分の小豆を受注している。

▲ナガイモ洗浄選別施設

ところで同農協は、ナガイモ洗浄選別施設を全面改修する。長いもの新品種を開発したことでその取扱量が増えるのがその理由。新品種は「とかち太郎」で、同農協や道立総合研究機構・十勝農業試験場などが共同開発し、今年から作付けされる。従来の長いもと比べ、甘みや粘りは変わらないが直径が1センチ太い「とっくり型」で、収量の20%増が見込まれる。

この改修では、包装や箱詰めなど生産ラインを自動化させて作業効率をアップさせる。選別ラインも一新し、傷や変色などを識別するカメラの精度もアップする。総事業費は31億7000万円で、来年2月の稼働を予定している。

「十勝川西長いもの海外輸出は好調で、施設をリニューアルすることで、それらの需要増にも応えていきたい」(有塚組合長)