【2020年5月号掲載】

【住所】深川市広里町4丁目1‐3
【TEL】 0164-25-1591
【URL】http://www.hamc.or.jp/

北海道の輝く将来見据え 交通・輸送体系 のあり方検討を

人手不足が叫ばれるなか、道内ではとりわけ〝ドライバー不足〟が顕著だが、北海道農業近代化技術研究センター相談役の細越良一氏は、「北海道が将来にわたって発展し続けるには、早急に『将来を見据えた交通・輸送体系』の検討を始める必要がある」と説く。

細越良一理事長

▲細越良一相談役

JR北海道は2016年7月、経営状態の悪化を理由に一部の路線廃止や経営形態の見直しを含めた「持続可能な交通体系のあり方」を提案した。この間、「新夕張〜夕張」が廃止、「北海道医療大学〜新十津川」、「日高門別〜様似」については廃止容認の方向となってはいるものの、他の廃止対象路線や経営形態の見直しについては、未だ明確な見通しは立っていない。

そもそも国鉄の分割民営化の際、北海道、四国、九州については、〝採算が合わない〟と指摘されていたことに対し細越氏は、

「収支の均衡を図るため経営安定化基金が創設されたが、当初想定の運用利回りがバブル崩壊以降の低金利政策によって大幅に低下した。基金果実による赤字補填のスキームは事実上破綻している」

とし、こう続ける。

「広大な面積に都市が散在する北海道の地理的条件や、他の都府県に比べ人口減少が加速していることも経営の悪化に拍車をかけている。収支の抜本的な改善は極めて難しい状況にあると言わざるを得えない」

JR北海道の今後も重要な課題ではあるが、細越氏がひと際重要視しているのは 〝本道全体の交通・輸送体系のあり方〟について。すなわち道内の産業を支える貨物輸送の存続である。

「道内での農産物や加工品の輸送は98%がトラックに依存しているが、近年運転手不足が顕著となっている。原因としては長時間労働の常態化や、食事や休憩場所の不足といった〝厳しい労働環境〟があげられる。全国的な人手不足解消を図るため、昨年の4月から出入国管理の緩和がなされたが、大型貨物の運転など高度な技能を要する技術者の確保は一朝一夕にはいかない」

こうした状況を踏まえ、細越氏は二つの改善策を提言している。

一つは昨年施行された「働き方改革関連法」によって猶予期間が設けられた自動車運送業の残業時間の制限の速やかな実施。

二つ目は各地方自治体が連携し、道の駅をはじめとする公共施設の駐車場に大型貨物専用のスペースを設置するなど、北海道全体として〝ドライバーの休憩場所確保〟に取り組むこと。

さらに、悪天候や昼夜を問わない厳しい労働環境の下で奮闘する運転手に〝目に見える謝意〟を伝えるなど、ソフト面の大切さも忘れてはならないという。

「道内では大型貨物のみならず、地域の日常生活を支える路線バスについても、運転手の減少や経営難から路線の縮小を余儀なくされている。手遅れにならないうちに、官民が手を取り合い、将来を見据えた〝北海道全体の交通・輸送体系のあり方〟の検討を強く求めたい」