社会医療法人医仁会 中村記念病院

【2023年7月号掲載】

【住所】札幌市中央区南1条西14丁目291番地
【TEL】 011-231-8555
【URL】http://www.nmh.or.jp

装具や機器を使った手のリハビリで患者の日常生活動作を回復

鎌田康広副科長
▲鎌田康広副科長

 脳血管疾患を中心に脳神経内科や脊髄病変、運動器疾患の患者を対象に、PT55名、OT50名、ST7名、公認心理士1名、柔道整復師1名、リハビリテーション助手5名が各科医師やリハビリテーション医の指示のもと、リハビリに従事している。

 新型コロナの「5類」移行により、6月から通常の診療体制になった。

 作業療法科では、脳梗塞などで片麻痺が生じた患者に、食事で箸が使えるなど日常生活に支障がないよう、手のリハビリを行っている。手の装具(肩・肘・手首・指の4箇所)を装着し、亜脱臼の保護(肩)や関節が硬くなる拘縮の予防(肘・手首)、指の構えの矯正などを行う。加えて圧力波で疼痛緩和や拘縮を軽減させる「マスターパルスMP100」による治療を実施。

▲手の装具(肩・肘・手首・指)

 リハビリにあたっては、脳外の専門医やリハビリテーション医、PTやSTと連携、事前に患者の症状を予測しながら適切な時期にリハビリを実施している。また発症前の患者の日常生活や趣味などをヒアリング、人間らしい生活に戻れる訓練に力を入れている。

 認知機能に障害がみられる場合には、塗り絵や編み物など手の訓練で認知機能の回復にあたる。また日本高次脳機能障害学会の基準に基づき、自動車運転に関する検査も実施している。

「元の生活に戻って趣味などを楽しみたいという患者さんのニーズが高く、その気持ちに沿えるように日常生活動作の回復に努めています」(鎌田康広副科長)