【2021年10月号掲載】

【住所】新札幌キャンパス(2021年4月開設) 北海道札幌市厚別区厚別中央1条5丁目1-1
【TEL】 011-386-8111 (代表)
【URL】https://www.sgu.ac.jp

好評の新札幌キャンパス エコシステム戦略により志を持った起業家輩出を

今年4月に新札幌キャンパスをオープンした札幌学院大学(江別市)。昨年9月に新たなロゴマークとタグラインを開発するなど大学ブランディング事業を進め、「アクティブな活動をしている大学として少しずつ認識が高まってきている」と河西邦人学長は確かな手応えを感じている。経済経営学部の新設効果やエコシステムの構築、来年4月の心理学部の移転戦略などを聞いた。

入学生の増加に見る改革の明らかな効果

▲河西邦人学長

新設した経済経営学部は、経済学部と経営学部の統合によって作られた学部。新札幌キャンパスの新設に合わせ、4月に江別キャンパスから移転してきた。

「私が担当している科目の受講者50人くらいに新札幌キャンパスの印象について聞いたところ、学部生の評判はすこぶる良い。コロナ禍が収まれば、大規模再開発が進む新札幌エリアで、学生と教員が積極的に地域社会に出て、地域の様々な課題を専門分野の学問で解決していくプロジェクト・ベース・ラーニング(PBL)を実践していきたいですね」

今年の入学者は定員(775人)をほぼ満たす774人。昨年は790人の定員を大きく上回る953人。

2016年度には500人台まで減ったことを考えると、新札幌キャンパス開設や経済経営学部の新設効果が表れているのは明らかだ。

今年3月、日本政策金融公庫、公益財団法人北海道中小企業総合支援センターと相次ぎ「連携協定」を締結した。両機関と手を携えることは「エコシステム戦略」推進の大きな原動力となる。

エコシステムとは、複数の法人や団体等がパートナーシップを組み、互いの技術や資本を生かしながら、開発業者や販売店、消費者や社会を巻き込み、広く共存共栄していく仕組みを言う。もともとは「生態系」を意味する言葉だが、最近はビジネスや経済社会で使われるようになった。ハイテク企業と起業家の聖地とされる米国シリコンバレーが発祥とされている。

▲4月にオープンした新札幌キャンパス

「本大学も新たな生態系をつくり、北海道に貢献していきたいという思いがある。かつて道庁や北海道電力が進めていた産業クラスターとは異なり、地域を超え有機的に結びつき、ネットワークを生かして、新たな社会価値を創造。地域の課題を解決しながら、起業家を育てていく。志や意欲を持った若い人たちを集め、大学卒業後に創業する人材や、地域の有望な事業を担う人材を輩出していくのです。

その資金供給のパートナーが日本政策金融公庫。スモールビジネスを始める人たちにとって、資金は重要な経営資源ですからね。一方、北海道中小企業総合支援センターは中小企業の中核的な支援機関として、新商品や新技術に関する研究開発等の助成を行っており、創業に関するノウハウも豊富にお持ちです」

今年12月には、道内高校と連携した第1回高校生ビジネスプランコンテスト、来年2月には第2回学生ビジネスプランコンテストを実施する。

心理学で答えを導く画期的な教育の展開

▲日本政策金融公庫との調印式


▲北海道中小企業総合支援センターとの調印式

来年4月には、心理学部と大学院臨床心理学研究科、心理臨床センターが新札幌キャンパスに移転する。移転によって、「心理学で答えを導く」という画期的な教育が展開される。「心理」は経済経営学部にも共通するキーワードだからだ。

「心理学部はその名の通り、人間の気持ちなどを分析・研究していく学問領域です。経済経営学部が心理とどういう関係にあるかというと、2017年にノーベル経済学賞を受賞した米国シカゴ大学経営大学院のリチャード・セイラー教授は行動経済学の研究者。行動経済学とは数学モデルに心理学的に観察された事実を取り入れていく研究手法です。また、経営学でもリーダーシップ論や消費者行動論といった心理学を適用した学問がビジネスや経営に取り入れられています。心理学は経済学と経営学の親和性のある学問といえます。

両学部生が同じキャンパスで学ぶことで、経済経営学部の学生はビジネス社会に出た際に、心理学の基礎知識は大きく生かされるでしょうし、一方の心理学部の学生は出口戦略において、心理カウンセラーなどの専門的な職業にとどまらず、ビジネスへ視野を広げられるメリットがあります」

1700人ほどの学生が新札幌キャンパスで学修することとなり、江別キャンパスとの比率は「ほぼ半々」になる。