【2021年3月号掲載】

【住所】室蘭市寿町1丁目10番1号
【TEL】 0143-44-1519
【URL】http://www.isyuukai.jp/ohkawara/

胆振管内初の脳卒中ケアユニット『SCU』設置
24時間365日脳神経疾患に対応した医療設備・体制構築

▲前田高宏院長

『胆振地方在住の患者さんに都市圏と同等の医療を提供し、医療を軸に地域社会に貢献する』という理念を掲げる大川原脳神経外科病院(大川原淳理事長)。

胆振日高地方唯一となる脳卒中専用の治療病棟「脳卒中ケアユニット」(SCU・3床)を有し、24時間365日、脳神経疾患に対応した医療設備・体制を構築、2020年の手術実績は215件(血管内手術74件)にものぼる。

脳卒中の治療は〝時間との勝負〟とされ、なかでも「くも膜下出血」は緊急性が極めて高いが、同院では開頭によるクリッピング術と血管内治療であるコイル塞栓術を実施。開頭術は前田高宏院長が、血管内治療は大川原舞副理事長が中心となって診察にあたっている。

▲大川原脳神経外科病院

治療の選択については、「患者さんの状態や動脈瘤の形状、箇所によってクリッピング術とコイル塞栓術を選択することにしています」(前田院長)としており、脳梗塞(脳塞栓)の治療では、まず『t‐PA』が最初の選択となるが、「適用にならない患者さんにはカテーテルで血栓を除去する『血栓回収療法』を実施いたします。これは、足の付け根からカテーテルを挿入し、吸引カテーテルやステントの網などで血栓を除去、血流を再開させる治療法です。手術時間は30分程度で、極めて有効で画期的な低侵襲治療です」と、通算400例以上の術歴を有する大川原副理事長は解説する。

▲血管撮影(DSA)装置

11名の放射線技師が在籍する診療放射線部では、脳血管などをカテーテルと造影剤を用いた診断を行い、狭窄を拡張、動脈瘤に「Coil」を詰めるための血管内治療に必要なバイプレーン血管撮影(DSA)装置の更新も実施。
〝患者目線の設備強化〟を図る一方、リハビリテーション部では、「ロボットスーツHAL単関節型」「ロボットスーツHAL下肢両脚型」に続いて、道内初となる帝人ファーマ社製上肢用ロボット型運動訓練装置「ReoGoⓇ‐J」を導入。着実に成果を挙げている。

また、同院は昨年、室蘭市内の全17小中学校に検温センサーを寄贈し、コロナウイルス感染拡大防止にも尽力。『医療を軸に地域社会に貢献』という理念と一致する取り組みだ。

大川原理事長は今後について、「室蘭地域をはじめ胆振地区の少子高齢化は深刻な問題です。診療報酬改定に伴い医療情勢は年々厳しさを増していますが、地域との信頼関係を第一に、職員と共に歩んでまいります」と先を見据え、治療効率化、迅速化を図りつつ、病院スタッフの働き方改革にも汗を流す。