帯広信用金庫

【2023年7月号掲載】

【住所】帯広市西3条南7丁目2
【TEL】 0155-24-3171
【URL】http://www.iaijoshi-h.ed.jp/main

課題解決による事業者支援で地域密着型金融を推進

▲髙橋常夫理事長

 帯広信用金庫(髙橋常夫理事長)は、地域経済が新型コロナや物価上昇などの影響を受け、取引先に対する課題解決支援の重要性が高まる中で、補助金申請や事業承継、人材マッチング、販路開拓など、さまざまな本業支援に取り組んでいる。

 同信金は「ものづくり補助金(一般型)」を実施する支援機関の認定を受け、今年4月、その採択件数(1次~13次までの累計実績)で、全国1位になった。13次までの累計採択件数は192件を数え、7割を超える高い採択率を誇っている。

 髙橋理事長は「営業店と本部が一体となって連携を図り、あらゆる業種の申請を丁寧にサポートした結果であり、引き続き支援を行っていきたい」と説明する。

 また地域の事業と雇用を守るため、「しんきん支援ネットワーク(SSN)」と連携し、事業承継相談にも力を注いでいる。同ネットワークによる個別相談会を毎月開催し、事業承継について課題や悩みを抱える多くの事業者の要請に応え、22年度は計128社の相談に対応した。今年2月には、有料職業紹介事業の許可を取得。4月から取引先企業の人材確保を支援するための紹介業務をスタートさせ、提携する人材紹介業者と取引先の求人との間の橋渡し役を担っている。今後は事業承継相談との連動を視野に入れ、後継者候補となる人材の供給にも積極的に取り組んでいく方針だ。

 販路開拓支援では、さまざまな商談会を主催。22年度はコロナ禍での「食」関連事業者の支援にあたり、北洋銀行とともに「北海道『食』のオンライン個別商談会」を開催したほか、十勝総合振興局と協力して首都圏などのバイヤーを帯広に招聘し、「とかち・食のビジネスマッチング2023」を開催。

▲「とかち・食のビジネスマッチング2023」

 そのほかにも、日本財団「わがまち基金」を活用した「十九勝プロジェクト」では、地域事業者と連携して①十勝の特産品を集めた「特産品自販機アチコチトカチ」、②全国のバイヤーに特産品情報を発信するwebサイト、③十勝の特産品や事業者を紹介するインスタグラムの展開など、多種多様な販売開拓の機会を提供することで、地域事業者の売り上げ向上を後押ししている。

「職員一人ひとりがお客様の事業内容を深く理解し、お客様が本当に必要とする本業支援を提案しながら、今後も多くの事業者の成長をサポートしていきたい」(髙橋理事長)

 また同信金は今年1月、経営企画部内にDX戦略推進室を新設した。地域密着型金融をこれまで以上に推し進めるため、DXを活用した取り組みで業務効率化を図りながら、多角的な視点で地域事業者が求める金融サービスを提供していく考え。

 その一方で、地域の活性化を目的に、金融業以外の取り組みにも力を注ぐ。結婚相談所「おびしんキューピット」は、開設から6年が経過し、同所の紹介で結婚したカップルが今年5月で42組となった。

「今後も地域の皆様に寄り添い、さまざまな課題解決のお手伝いをすることで、十勝の持続的な発展に貢献していきたい」(髙橋理事長)