帯広市川西農業協同組合

【2023年9月号掲載】

【住所】帯広市川西町西2線61番地1
【TEL】 0155-59-2111
【URL】https://www.jaobihirokawanisi.or.jp/

開拓黎明期から今日まで『十勝農業史』が7月に刊行

有塚利宣組合長
▲有塚 利宣組合長

 帯広市川西農業協同組合の有塚利宣組合長が会長を務める十勝農業史刊行会が、7月3日に『十勝農業史』を刊行した。十勝の農業と現在の取り組みを網羅した内容で、上・下巻で全666頁にわたり、農業王国・十勝の軌跡が紹介されている。
 その有塚組合長に農業史の刊行について聞いた。

――農業史をつくったきっかけは。
 十勝には各農協の農協史や市町村史はありますが、これらを一冊にまとめて時系列に伝える農業史はありませんでした。十勝毎日新聞社には膨大な資料が保存されていて、7年前に勝毎に編集を依頼したのがきっかけです。

――全666頁と、かなりのボリュームですね。
 北海道の開拓は、屯田兵による〝官の開拓〟がほとんどで、十勝だけが本州からの開拓民による〝民の開拓〟でした。極寒の地で開拓民は、冷害凶作や病気に悩まされ、それを救ったのが先住民族のアイヌでした。十勝の開拓は、アイヌの食文化や医療文化に支えられ今日に至っています。そのほか農業史には、戦後の農地改革や今日のグローバル農業に至るまでが紹介され、かなりのボリュームになりました。
 このような農業の専門史を後世に残す試みは、全国でも類をみないと思います。先人先達が苦労しながら積み上げてきた歴史を後世に残すことは、十勝23農協の願いでもあり、農業史を刊行できたことは感無量の思いです。