【2021年5月号掲載】

【住所】深川市広里町4丁目1‐3
【TEL】 0164-25-1591
【URL】http://www.hamc.or.jp/

北海道酪農の持続的発展に向け 新たな『耕畜連携』構築を

チーズやヨーグルトなどの需要増を背景に、本道農業の中核を担う〝酪農〟。規模拡大に伴う多頭化や、加速する搾乳・給餌の装置化、今後も拡大が予想される生乳生産へのニーズなどもあり、「業界の見通しは明るい」と言えそうだが、同センターの細越良一相談役は、「今だからこそ持続的発展に向けた新たな取り組みが肝要」と提言する。

細越良一理事長

▲細越良一相談役

現在、道産の生乳は日本中に流通し、北海道の名を冠した製品は極めて高い人気を誇る。一時期は〝北海道からの生乳の移出〟というものに対して強い拒絶、抵抗があったが、今では国内シェアは50%超えだ。

今後も道外での生乳生産は、高齢化や生産環境の悪化に伴い、一層の減少が予想され、〝北海道依存〟は増すばかり。こうした状況からも本道の酪農は〝順風満帆〟と言えそうだが、細越氏は、
「急速な多頭飼育に飼料基盤が追いついていない。国内の酪農・畜産の飼料自給率は、わずか25%程度で、北海道でも50%強と極めて低い」

と指摘し、主な原因としては、

「労働力不足による草地更新の遅れや、飼料用トウモロコシの作付けが増加していないことがあげられる」

と分析する。

『一石三鳥』の 耕畜連携

北海道農政部によれば、酪農従事者の年間労働時間は約3400時間で、畑作・水田作の約1・2倍。『飼料基盤にまで手が回らない』という実態が見えてくる。

こうした背景から、飼料作物の収穫や草地更新を担うコントラクター組織の設立なども進められているが、現時点での組織数は150程度で、〝進展〟とは言い難い状況。

細越氏は、飼料自給率を高めていく一つの方策として、

「水田での飼料用トウモロコシの本格栽培に着手するべき。現在、道内の水田面積のうち、水稲の作付けは約50%で、残りは小麦、大豆などだが、長期間作付けが固定化していることで、排水不良や地力低下を起こしている水田が少なくない」
として、こうも言う。

「このため、転作作物として飼料用トウモロコシを導入し、酪農・畜産農家への濃厚飼料の提供と併せて、強靭な根部により耕盤層を破砕するとともに、収穫後に残渣をすき込むことで地力を増進する──。まさに『一石三鳥』の耕畜連携を加速させる必要がある」
と持論を展開。実際に岩見沢市北村の豊里地区では、かねてからこの取り組みを実践し、新たな水田農業の方向を指し示す『空知型輪作体系』として注目を浴びている。

また、昨年からは国の施策としても、『水田農業の高収益化の取り組み』の中に〝飼料用トウモロコシの導入〟が設けられ、収穫機械の導入や、作付けへの助成などを行っている。

「この機を逃すことなく、水田農家と酪農畜産農家が連携し、飼料自給率の向上と水田農業の高収益化に向け、新たな『耕畜連携』の構築を強く望みたい」(細越氏)