株式会社くきつ

【2022年12月号掲載】

【住所】北海道札幌市白石区菊水5条1丁目7-13
【TEL】 011-821-1181
【URL】http://www.kukitsu.co.jp/

〝真〟女性活躍企業 北海道企業リサーチ ~時代が求める〝戦力〟を育成

「活躍の場はどこにでも存在する」ブレない〝仕事感〟で視野拡大を

女性特有の仕事感で入居率向上

▲リーシング課のメンバー
(〝くきつ女子〟のアカウントでSNSから
『くきつの情報』を発信している)

 企業の永続的な繁栄には人材育成が不可欠。とりわけ若手メンバーのキャリアマネジメントは企業の将来を左右する重要な〝案件〟と言えるが、近年、この〝若手社員教育〟を積極的に展開しているのは、燃料販売・不動産管理を手掛ける㈱くきつ(本社・札幌市白石区、山仲啓雅社長)だ。

 同社はこれまで、キャリアと知識が備わった〝エース級〟のメンバーの下に若手を配置、指導するといった教育手法で人材育成を図ってきたが、現在実践しているのは若手社員を事業の中核となる部署の軸に抜擢し、企業のトップが部門全体を俯瞰、サポートするというよりシンプルなもの。

 ただ、技術的な指導だけでなく、企業の歴史を学ぶガイダンスの機会を設けるといった新たな活動も並行して行われており、新人を中核事業の軸に据えるという斬新かつ思い切った取り組みは、山仲社長の「新たなプロジェクトを発足する場合などでは、先入観や固定観念は不要。中堅やベテランに成長すると、前向きさや積極的さ、ひたむきさといった極めて重要な要素が薄れてしまいがち。若手社員は社が掲げる目標もシンプルに、ストレートに捉えることができる」という観点からだ。

 また、現代は女性の社会進出が進み、男性、女性が分け隔てなく働く光景が見慣れつつあるものの、女性が〝不利〟と感じてしまう『社内環境』や『キャリア習得』などについてはいまだ課題が残り、真に女性が社会や企業の中核として躍動する「女性活躍社会」の構築には程遠いと言えそうだが、同社はかねてから女性起用・登用を積極的に推進することで、従来よりも一層強固な組織づくりに成功している。
「女性社員にプロジェクトを任せると、〝前向きな発想〟で取り組んでくれる。決して否定的、後ろ向きな思考で業務を遂行しない」という女性特有の〝仕事感〟を評価しているからこその女性登用と言えそうだ。

 さらに、「我々の使命はオーナーや入居者様に満足していただくこと」と、改めて企業としての最重要ミッションを語るが、「それには入居率アップが必須条件で、そこに欠かせないのがこの女性の仕事感」だという。
「もちろん全てのベテラン社員や男性社員がそうであると言うわけではないが、その多くは『手前にある仕事から手を付けて、次にその奥にある仕事をこなしていく』──というスキームでの仕事になりがち。ただ、若手社員、とりわけ女性は先述した〝オーナー満足〟
という最終着地ポイントを忘れることがない。この部分を正しくキャッチできるかどうか、つまり〝仕事感〟を持っているかどうか。持っているからこそ、部屋のデザインや物件資料などから繊細なこだわりを感じることができる」

 この8月に設置された入居斡旋をメインとするリーシング課も、リーダーを含め7名全てが女性で組織されており、「リーシング課を設置後、入居率は増加傾向。直近5年で最高の入居率を記録した」と成果も極めて上々。今ではこうした女性の仕事感を尊重し、最大限能力を発揮できる業務や〝環境〟を創出していることがSNSなどで拡散され、女性の入社希望も増加傾向にある。

 事実、昨今では『女性が従事している』という〝格好〟だけの〝続かない〟女性活躍企業を演出するところも少なくないが、同社の場合、社に属する女性の割合は4割に届く勢いで続伸中だ。

全社員にチャンスは平等

▲代表取締役社長 山仲 啓雅氏

 新人、男性、女性、それぞれのパワーをバランスよく円滑に活用することが、企業の発展、組織の一層の強化につながる一方、メンタルケアもそれぞれに特徴があるという。「新人特有の、女性特有のメンタルケアが必要。一人ひとりとしっかりと向き合い、〝見てくれている〟という安心感を与えることを心がけている。そして何より、結果だけではなく、プロセスを評価することが肝要」(同)

 企業の永続的な繁栄には〝人材育成〟が不可欠であることは間違いないが、「チャンスは全ての社員に平等に与えられている。男性、女性、年齢、キャリアなどは一切関係ない。『活躍の場はどこにでも存在する』ということに気付くことができるかどうか。前述したリーシング課の面々は、早くからそのチャンスに気付き、掴んだ──。それだけのこと。ブレない仕事感を持てば、成功の道は誰にでも開ける」