向仁会グループ
【2025年1月号掲載】
【住所】法人本部/函館市桔梗1丁目14-1
【TEL】 0138-46-0310
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「認知症社会」に対応するため増築視野に、 阿部理事長は 「介護認定制度」の改良を提起
医療法人社団向仁会は、介護医療院や有料老人ホーム、サ高住、グループホーム、デイサービスといった幅広い形態の高齢者福祉施設や医療機関の運営を手掛けている。「認知症の方が自分らしく生きる社会」の実現を目指し、函館ファミリークリニックの診療科目を追加するなどして、時代のニーズに応えている。
函館ファミリークリニックの診療体制は、内科、整形外科、脳神経内科、漢方内科、リハビリテーション外来、認知症・もの忘れ外来で、そのほかコロナ後遺症にも対応している。
「西洋医学と東洋医学の良いとこ取りをして個人ごとの治療を提供している」と阿部智哉理事長はグループ内の「医療と介護の連携」の強化に努め、入居者や希望者の“安心度”を高めている。
阿部氏はこれまで、国の施策の方向性を見極めながら、高齢者が求めるニーズに的確に応えるため、施設形態の移行や転換に先進的に取り組んできた。増床やリニューアルを実現できたのも施設の“構造”がしっかりしているからだという。
現在はグループ全体で約900床を有する。特に函館の南北にある施設が規模的に大きく、住吉町の高齢者介護・医療・生活支援型総合施設「寛ぎの翔輝 はこだて」の中核となる住宅型有料老人ホーム「泰」は認知症の方の受け入れ体制を充実させるため改装中だ。
また、いまも宅地開発が進む桔梗地区の介護医療院「喜郷」は近い将来の増築を視野に入れている。「基礎構造がガッチリしていれば、段階的に層を増やしていくことも可能」と言う。建築費高騰の中にあっても、さらなる拡大への挑戦意欲は失われていないようだ。
そして、国が定める介護保険制度の改良についてこう提起する。
「介護認定制度を『認知症仕様』に変えるのが急務だ。現在の要介護認定の仕組みは身体機能を重視しすぎ。四半世紀前はよかったかも知れないが今は違う。認知症の進行度合いを反映させる尺度の導入が必須で、サービスや報酬体系も認知症に対応した制度にすべき」
確立できれば世界に通用する介護モデルになる、と阿部氏は力説する。