遺愛女子中学校・高等学校

【2025年6月号掲載】

【住所】キャンパス 函館市杉並町23番地11号
【TEL】 0138-51-0418
【URL】https://www.iaijoshi-h.ed.jp/

国公立大に41人、有名私大にも多数進学、外国客船ボランティア活動も大きな評価

▲改修工事を終えた重要文化財の本館。年に数回一般公開されている(詳細はHPで)

 昨年創基150年の大きな節目を迎えた学校法人遺愛学院が運営する遺愛女子中学・高校。今春の入学生は前年を下回ったものの、私立高校が8校ひしめく函館にあって、女子生徒だけで15年連続で最多を維持している。その大きな要因は、高い進学実績や充実した部活動、ボランティア活動だ。

 今春も、国公立大学と有名私立大学に多数の合格者を出した。特に国公立大学の41人は近年では最も多く、一橋大学をはじめ、札幌医科大学や旭川医科大学のほか、北海道教育大学に8人、弘前大学に6人と多人数を輩出している。
 また、有名私大でも早稲田大学に3人、慶応義塾大学に2人、上智大学に4人。東京理科大学や国際基督教大学などにも進学している。

 こうした進学先は、生徒の意志を最大限尊重しているためバラエティに富んでいるのも大きな特徴。国公立では、千葉大学や金沢大学、横浜国立大学、新潟大学など関東から関西までと幅広く、私立大学もまた然りだ。

井本晴雄校長
▲井本晴雄校長

 もう一つの特徴は、遺愛中学校出身者の学力の向上が著しく、それは進学実績でも顕著に表れていること。
「中高一貫で6年間一緒に学ぶため、より人間関係が濃密になります。とても得難いもので、大きな財産になると思います」(井本晴雄校長)

 井本校長は、学院理事長職に専念する福島基輝校長の後任として2年間務めた教頭から今年4月に就任。米国の大学を卒業し、同校赴任前は関東の学校で宗教主任を務めるなど、クリスチャンとしての社会活動や国際交流活動に豊富な実績を持つ。遺愛では、海外研修や生徒の留学などにその経験を生かしていく。

 ところで、遺愛の生徒による、積極的な外国客船ボランティアは港湾や市関係者の間にすっかり定着した。日本港湾協会企画賞や函館市市民貢献賞を受賞したのは活動が「大きな社会貢献」と評価されたからにほかならない。「もっと函館を知りたい」という向学心や英語力のブラッシュアップにもつながっている。

▲局員数は100人を超え、
道南では最高レベルの吹奏楽局

 今年度は75船が入港予定。学業優先の中で、できる限り活動していく。また、近く同校吹奏楽局がクイーン・エリザベス号の船内でステージ演奏を披露する。2019年に初めて行った際に拍手喝采をあびたばかりか、感動で涙を流した人もいたほど評判が高く、再び今回のオファーとなった。

 吹奏楽局の実力は道内屈指。度々全国規模の大会に出場を果たしている。念願の道内で2校だけが出られる全日本吹奏楽コンクール出場を目指す。