遺愛女子中学校・高等学校

【2024年6月号掲載】

【住所】キャンパス 函館市杉並町23番地11号
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国公立・有名私大、医療・看護系進学に実績、創基150年の今年は231人が入学

遺愛女子中学校高等学校
▲改修工事が行われている重要文化財の本館は9月に完全完成し、一般公開される

 今年、創基150周年の遺愛女子中学校・高等学校は4月、6年にわたる本館の改修工事が終了し、新しい学び舎でスタートした。9月28日に記念式典と大同窓会を行う。福島基輝校長は「大きな節目。創基200年に向けてどう進んでいくかが問われる」と語る。

福島基輝校長
▲福島 基輝校長

 今春の高校の新入学生は231人。前年を10人上回り、10年連続で200人を超えた。函館の私立高校8校では14年連続で最多となり、中学卒業生の減少傾向が続く中で存在感を示している。

 加えて、新1年生の8割が「遺愛」を第一志望として入学しているのも特徴。これほど高い数値は私立高校では珍しく、入学礼拝式で挨拶した福島校長は「生徒の眼差しから、それぞれが志を持って遺愛に入ってきたと肌で感じた」と話す。

 人気の要因として「校風」に加え、国公立大や有名私立大に多数の合格者を輩出する高い進学実績が大きな理由となっているのは間違いない。

▲およそ9割は明治時代の建築当初の木材を
そのまま生かしている

 昨年まで2年連続で東大合格者を出し、今年は京大をはじめ、北大、埼玉大、新潟大、東京外国語大など国公立に26人。私立では上智大や中央大、青山学院大などに多数の合格者を出している。
 また、医療系や看護系、薬学系の4年生大学に進んだ生徒は昨年に増して多くなり、国公立では札幌医科大や札幌市立大、防衛医科大など、私立では北海道医療大や岩手医科大などが挙げられる。

 入学生が多いもう一つの要因が、部活動やボランティア活動が充実していることだ。
 部活動には高校生の94・6%が加入。100人を超える吹奏楽局は道内屈指の実力校に成長し、全国規模の大会やコンクールで活躍している。

▲やむを得ず伐採した学校敷地内の樹木から
教室掲示板をつくるなど
SDGs活動にも力を入れている

 一方、ボランティア活動は、函館に寄港するクルーズ船の外国人客の通訳や観光案内をする「おもてなし」がよく知られ、近年は日本港湾協会企画賞や函館市市民貢献賞を受賞。公的機関の評価はすこぶる高い。

「この客船ボランティア活動を目的に遺愛に入った生徒も少なくありません。英語科を持つ高校が全国的に少なくなる中、今年の英語科入学生は65人と近年ではかなり多い。英語力は確実にアップしています」
 と福島校長は語る。