ほくていホールディングス株式会社 昭和交通株式会社
【2023年1月号掲載】
ほくていホールディングス株式会社
【住所】札幌市北区北6条西6丁目2番地25
【TEL】011-214-0710
【URL】https://hd.hokutei.com
昭和交通株式会社
【住所】札幌市東区東雁来5条1丁目4―15
【TEL】011-784-7788
【URL】https://www.sawayaka-musen.net
環境への配慮を徹底した営業展開、組織改編から満10年で一定の成果

札幌商工会議所副会頭を務める加藤欽也氏が経営に携わるほくていグループと昭和グループ。北海道郵便逓送を核とするほくていグループは2023年にホールディングス設立から満10年を迎え、昭和グループはハイタク事業者として時代のニーズに合った輸送サービスを実践していく。

ほくていホールディングス傘下の北海道郵便逓送は昨今の大きな社会的テーマであるSDGsの達成やゼロカーボンの実現に向け、交通・運輸業界で率先した取り組みを見せている。
その一つが、環境省の事業に採択された「北海道におけるLNGトラック向け小型LNG充填設備の実証事業」への参画だ。

この事業は三菱商事とエア・ウォーターが推進している。家畜ふん尿をもとに製造した液化バイオメタンを燃料の一部に使用した大型トラックの実走で、CO2と燃料費の削減効果を図るのが狙い。北海道郵便逓送は22年4月からこの車両を走らせている。
SDGs達成に向け4つの柱を立て実践
齋藤浩市社長はSDGsの達成に向け4つの柱を立てて実践していると言う。①事業活動による貢献、②環境配慮の取り組み、③働きやすい職場づくり、④地域との連携だ。
具体的には、①では安全性優良事業所の継続認定や人口減少地域への配送など。②ではベバストヒーター活用による排ガスの抑制、再生タイヤの積極的な活用など。
そして、③の働きやすい職場づくりは、労働力不足の中にあって今、重要視されるテーマだ。
「運行ダイヤを見直すなど労働時間の短縮に努めるほか、50歳以上の社員は健康診断時に脳ドックオプションを全額会社負担で付与するなどしています」
安全性強化、社員教育の投資も継続的に行っている。労務管理のDⅩ化とともに、居眠り運転警告装置などの安全性の向上に必要な機器は積極的に導入している。
ほくていホールディングスは23年、ホールディングスに組織を改編して満10年を迎える。初代社長を務め現在は会長に退いた加藤氏は、「10年前は通信の多様化が加速度的に進んでいた時期。会社を分ける(北海道郵便逓送、北見郵便逓送、旭川郵便逓送、八幡自動車)ことで、それぞれが単体で利益を出せるように意識改革を促し、取り組んできた」と振り返る。
現在、本社は北6西6に置く。北8東1の旧本社ビルの創成川を挟んだ西側では第一種市街地再開発が進む。

その旧本社は現在、工事関係者に賃貸中。22年に隣接地を取得し土地面積は900坪弱へと広がった。北海道新幹線札幌駅に近く、札幌市が計画する都心アクセス道路にも面している。将来は市が進めるまちづくりと一体となった活用も期待される。
法人会の公職で全国を走り回る加藤会長
一方、加藤氏が会長を務める昭和グループは昭和交通、はまなす交通、千歳昭和交通と、ハイタク事業を主力とする。コロナ禍による人流減の影響は少なからず受けているものの、業界全体が慢性的な労働力不足で稼働台数が減り、「車両1台当たりの売り上げはコロナ前と比べて遜色ない。運転手さんの給料は減っていない」と悲観的な要素ばかりではない。

この10年間で配車システムなど利便性は大きく向上し、この先さらに進むデジタル化で安全性やサービスは一層高まるとみられる。オンデマンド交通の導入など社会的な役割も果たしていく。
加藤氏は11月、札幌商工会議所副会頭に再任された。かつて委員長を務めていた中小企業対策を引き続き担務する。
「札幌商工会議所は会員企業の約8割を中小企業で占め、地域経済を支えている。昨今の物価高の影響を受けながらも、なかなか価格転嫁できずに苦しさを増している企業も多い。情報収集に努め、対策を講じていきたい」
また、北海道法人会連合会会長に加え、全国法人会総連合では副会長と組織委員長を務める。
「この1年強の間で、全国10ブロックをすべて回り、意見交換を重ねるとともに親睦を深めてきた。法人会の役割、メリットを周知させながら会員拡大の結果を出していきたい」と強調する。