旭イノベックス株式会社

【2022年1月号掲載】

【住所】札幌市清田区平岡9条1丁目1番6号
【TEL】 011-883-8400
【FAX】 011-883-8405
【URL】https://www.asahi-inovex.co.jp

旭イノベックス創業 70周年 
100年企業に向けて新たなスタート

西村茂取締役住環機器事業部長、星野幹宏代表取締役社長、星野恭亮取締役会長、工藤孝志常務取締役建築鉄構事業部長、伊藤伸彦取締役土木鉄構事業部長
▲左から西村茂取締役住環機器事業部長、星野幹宏代表取締役社長、星野恭亮取締役会長、
工藤孝志常務取締役建築鉄構事業部長、伊藤伸彦取締役土木鉄構事業部長

旭イノベックス(本社・札幌市清田区、星野幹宏社長)は2022年5月10日に創業70周年を迎える。「鉄構」による水門や橋梁など人々の暮らしに必要不可欠な社会資本を創ることで社会貢献を果たし、星野社長は「100年企業を目指すにあたって今、何をすべきか。新しい年は具体的な長期展望を描いていきたい」と語る。

オートゲート進化で新技術新製品大賞に

オートゲートステップレス バタフライフロート
▲「オートゲートステップレス
バタフライフロート」(土木鉄構事業部)

70周年を記念して社史を編纂、8月10日に式典を予定している。営業所は全国に及ぶため「札幌に来ていただきやすいように、夏休みの1日前に設定した」と星野社長は言う。若手社員を中心にプロジェクトチームをつくり、コミュニケーションの強化をはじめとする具体的な周年行事も検討していく。

星野社長の祖父、星野真澄氏が札幌市白石区菊水で旭鉄工所を創業したのが同社のルーツ。現在は社会資本整備の一翼を担い、国土強靭化予算の上乗せもあって、業績面でコロナ禍の影響はあまり受けていない。ここ数年は増収増益を続け、気を緩めることなく、21年度からスタートさせた3ヵ年計画を着実に実行している。

土木鉄構、建築鉄構、住環機器の3事業部で企画・製造・販売を展開する。

中でも、橋梁や水門を手掛ける土木鉄構事業部の技術力への評価が高い。ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞をはじめ数々の受賞歴を持つ「洪水から人を守る」無人無動力自動開閉ゲートは進化を重ね、その第3弾となる「オートゲートステップレス バタフライフロート」は既設水路の底板をそのまま利用でき、水路敷段差がなくても十分な機能を発揮する特徴がある。簡単に言うと、「今まで設置できなかった場所に設置できる」ということだ。

「防衛特許を含め完全特許を取得しています。これまでは一社発注にならないよう、特許の縛りを緩やかにして、他社が類似商品を作れるように配慮してきましたが、それでは海外に打って出られない。国内で実績を作れたこともあり、考え方を変えました。今後は国際特許の取得を目指します」(星野社長)

ススキノ十字街ビル  3Dモデル
▲ススキノ十字街ビル 3Dモデル
(建築鉄構事業部)

21年4月に、全国規模の中小企業優秀新技術・新製品賞(りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社主催)の優良賞を受賞、11月には北海道新技術新製品開発賞の大賞にただ一社輝いた。

このほか、土木鉄構事業部では北海道開発局が建設を進める平取ダムのゲート施工を担っている。水量をこまめに調節する多目的ダムだ。

WTO対象の入札で中小企業が受注するのは珍しいこと。同社の技術力の高さの表れだろう。

11月24日から室蘭開発建設部による試験湛水が始まった。ダムの本運用前に貯水位を上昇・下降させ、ダム堤体や基礎地盤、貯水池周辺の安全性を確認する試験だ。旭イノベックスはこの工事に4年間携わってきたが、まさにその集大成を迎えようとしている。

再開発事業を通じまちづくりに貢献

パネルヒーター
▲パネルヒーターは「デザイン性が高い」と
定評がある(住環機器事業部)

建築鉄構事業部は文字通り、ビルをはじめ建物の鉄骨部分の工事を担う。BIMと呼ばれる3D技術など、新技術の導入に先駆的に取り組んできた。

「他社との差別化が図られることで、市況が悪化した時でも優位性を保つことができます」(同)

札幌市内ではホテル建築がひと段落して、現在は駅前通りを中心に再開発事業が進む。札幌すすきの駅前複合開発計画や札幌第一生命ビル計画、ヒューリック札幌ビルの建て替えなどに携わっており、今後は北海道新幹線の開業を見据えた駅周辺の再開発、新さっぽろの大規模複合再開発事業など「新たなまちづくり」に大きく貢献していくものとみられる。

一方、住環機器事業部は「冷暖パネル」の普及に力を注ぐ。21年の新築住宅着工は前年対比112%の伸びを示したものの、今後は新築住宅着工が落ち着いていくと見られ、新たなジャンルにも積極的に取り組んでいく。目下、本州市場への投入を視野にタオルウォーマーを開発中で22年に発売予定。東京や大阪の展示会に出展し、手応えを掴んでいる。

人事面では「65歳定年制」を21年4月から実施した。

「資格保有者の中途採用などで、主として営業所の人的パワーが強まるなど効果が見られます。また、技人国ビザを活用して、ミャンマーから設計部門に3人の正社員登用に向けた準備を進めています」(同)

星野社長は札幌商工会議所青年部会長を務める。コロナ禍で活動は停滞したものの「本格始動に向けて、少しずつ動きだした。21年は東京五輪のマラソン競技のボランティアを引き受けるなどしたが、今後はまちの元気を取り戻す事業を展開したい」と力を込めた。