ほくていホールディングス株式会社 昭和交通株式会社

【2025年1月号掲載】

ほくていホールディングス株式会社
【住所】札幌市北区北6条西6丁目2番地25
【TEL】011-214-0710
【URL】https://hd.hokutei.com

昭和交通株式会社
【住所】札幌市東区東雁来5条1丁目4-15
【TEL】011-784-7788
【URL】https://www.sawayaka-musen.net

北海道郵便逓送が創業80周年、ラッピングトラック導入など記念行事も

▲広大な敷地を持つ札幌営業所

安全教育を徹底・強化後退事故が大きく減る

 札幌商工会議所副会頭を務める加藤欽也氏が経営に携わるほくていグループと昭和グループ。同氏は現在、経営実務の一線から離れているものの、加藤氏が長年、最重点として力を注いできた安全対策に現経営陣がさらに磨きをかけ、時代のニーズに応じた輸送サービスを実践している。

▲動態管理システムの導入で
事故の大幅な減少につながった

 ほくていグループの中核となる北海道郵便逓送は2023年に中田公成氏が社長に就任し、中田氏は24年4月から社内の安全対策組織のトップとして陣頭指揮で運輸安全マネジメントに取り組んでいる。

 同社は国土交通省が推進する「安全性優良事業所」の認定会社。道内13事業所すべて取得しており、もともと荷主の信頼は厚く、〝より高い輸送品質〟を求めて様々な機器を積極的に導入してきた。ドライブレコーダーとデジタルタコグラフの全車導入のほか、多くの車両にGPSを活用した動態管理システムを配備し、4月から本格的に実用化を始めた。

 中田社長はこう話す。
「今年度は『安全第一』をスローガンに掲げています。誰しもが覚え、理解できる言葉を選び、浸透に努めました。安全面の強化に対する設備投資や更新に加え、コロナ禍で集合教育ができなかったので、役員や部長クラスの幹部が13事業所に足を運びました。地域の実情や特色を踏まえて日頃の安全教育を行っている事業所も多く、嬉しく思っています」

▲ドライバーの制服をリニューアル

 そうした対策が効果を発揮したのか、50%削減を目標としていた後退事故が大きく減ったという。

 同社は早くから労働環境の改善に努め、一般社団法人日本海事協会の自動車運送事業者「働きやすい職場認証制度」で二つ星を取得しており、さらに高い水準を目指している。

 その一環として、25年4月からの完全週休二日制の実施を目指した体制を整えている。年間公休数を92日から105日に引き上げ、そのためには新たに10人超のドライバーを増やさなくてはならない。容易なことではないが、一部の事業所を除きほぼ目途がたったという。

 また、知的障がい者の新卒生徒を事務職の正社員として登用、社会貢献を果たしている。

 25年に創業80周年の節目を迎える。社史の編さんや式典、プロスポーツ観戦とセットにした社員旅行などの記念事業を計画中で、さしずめ4月にドライバーの制服を一新する。収縮性の高いリサイクル素材を使うのは、環境への配慮を社員やその家族にも「実践してほしい」という意図もある。

▲絵画コンテストの優秀作品を
ラッピングしてトラックに

 加えて、子どもたちの絵画コンクールで寄せられた優秀8作品をデザインしたラッピングトラックの導入も予定。
「働くお父さんや安全をテーマにした作品で、どれも素晴らしい。絵をきれいに配置したトラック2台、会社のメッセージを込めたトラック2台の計4台を考えています」

 と中田社長は語り、前社長でほくていホールディングス社長の齋藤浩市氏は、
「お客様の荷物を守り、社員の安全を守る。徹底したドライバー教育の目標・目的はそこに尽きます。教育に終わりはありません。今まで以上に品質を高め、グループの総合力を駆使していく」
 と強調する。

多様な働き方を追求、団結力に大きな強み

▲11月16日から貸切・観光タクシ
ー、ハイヤーのWeb受付を始めた

 一方、昭和グループは、ハイタク事業を主力とする昭和交通、はまなす交通、千歳昭和交通の3社は連携を強めながら、DⅩ社会の到来という時代に即した経営を展開している。

 アプリ配車やクレジットカード決済の利用は当たり前の時代。「お客様のニーズが変われば、働く側の提供サービスの改善が必要になるのは世の常」として、「選ばれる会社づくり」のためにも多様な働き方の追求に力を入れて取り組んでいる。

 従業員それぞれのライフスタイルに合った柔軟な働き方、言い換えれば「自由な働き方」を積極的に導入して、乗務員の確保や定着率の向上に努め、その成果は確実に表れている。

▲「おたる亭」で行った観楓会は
2回で 190人が参加

「役員と幹部、乗務員の距離をいかに近くするか」に意識的に努め、例えば10月に行ったグループ札幌4社の観楓会は2回に分けて行い、あらゆる職種の190人が参加し、親睦を深める場となった。

「昭和グループにとって、一番の財産は『人』。グループの団結力は大きな強み。今後も『人』を大切に、事業を歩んでいく」
 と昭和交通の加藤絢也社長は語る。