ほくていホールディングス株式会社 昭和交通株式会社

【2024年1月号掲載】

ほくていホールディングス株式会社
【住所】札幌市北区北6条西6丁目2番地25
【TEL】011-214-0710
【URL】https://hd.hokutei.com

昭和交通株式会社
【住所】札幌市東区東雁来5条1丁目4-15
【TEL】011-784-7788
【URL】https://www.sawayaka-musen.net

働きやすい職場づくりで確かな実績、社会・地域貢献事業にも取り組む

▲齋藤浩市ほくていホールディングス社長(左)と中田公成北海道郵便逓送社長

 ほくていホールディングスの傘下にある北海道郵便逓送は2023年6月、創業家の一人である専務の中田公成氏が社長に昇格し、ホールディングス社長を務める齋藤浩市氏は会長に退いた。運送業界は慢性的な人手不足と言われるなか、同社は他業種からの入社を含めドライバーが集まっており、働きやすい職場環境づくりにさらに磨きをかける。

認証制度で二つ星 より高い水準目指す

▲広大な敷地を持つ札幌営業所(東区東雁来)のトラック

 北海道郵便逓送は齋藤氏の社長時代にSDGsの達成に向け、①事業活動による貢献、②環境配慮の取り組み、③働きやすい職場づくり、④地域との連携─の4つの柱を立て、実践に取り組んできた。

 早くから労働環境の改善に努め、一般社団法人日本海事協会の自動車運送事業者「働きやすい職場認証制度」で二つ星を取得しており、現在は23年度から新たに導入されたより高い水準の三つ星の取得を目指している。
 こうした取り組みが功を奏し、22年から23年にかけて30~50代の社員(ドライバー)が多く入社した。

 中田社長が語る。
「採用活動に特化したホームページを数年前につくった。実際に入社を希望される方の多くはホームページを見ているので、その効果は大きかったと思う」

「公共性の高い郵便輸送」という安定したイメージを持たれやすいという利点はあるものの、バスやトラックの運送業界では「募集しても一人も入ってこない」と嘆く事業者も少なくない。そうした周辺事情にあって、2年足らずで働き盛りの世代が多く入社するのは会社に魅力があるからにほかならない。スキル習得やスキルアップのためのサポート体制が確立しているのも大きい。

 23年秋、新型コロナが5類に移行したことで新入社員を対象にした集合教育を実施した。座学と実技を2日間に分けて行い、会社の歴史から社風、会社が進もうとしている道をしっかりと伝えた。それも「会社を好きになってもらいたい」からだ。

 管理者研修も定期的に行っている。講師の人選や研修方法などで社内で様々なアイデアが出るなか、「運送業界は一人仕事が多く、少ない時間のなかで管理者とドライバーのコミュニケーションが重要となってくる」と中田社長は語る。そのため元プロスポーツ選手を講師に迎え、座学だけでは学べないコミュニケーションに関する研修なども検討している。

 一般的な会社が行う研修とはやや違った視点である。こうしたことでも同社の人材育成に対する考え方が見てとれる。
 安全面の強化に対する設備投資や更新も、可能な限り惜しまずに実施している。最近の事例では、ドライバーの顔をカメラが自動認識することで頭部の姿勢や開眼度などをモニタリングし、危険な運転を検知すると警告するシステムを一部の車両に導入した。スマホは全ドライバーに貸与している。

 同社の大きな特徴の一つが、社会・地域貢献活動に積極的に取り組んできたことだ。
 その例をいくつか挙げると、特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本・北海道の事務局を置いている。中田社長はその事務局長だ。純粋に知的障がい者のスポーツ活動を応援している。

 24年2月には北海道で初めて冬季ナショナル大会が開催される。名寄市を会場にクロスカントリースキーやスノーボードなどの雪上競技が行われ、全国一多い65名の選手団の団長を中田社長が務め、社員5人もボランティアとして運営をサポートする予定だ。

 また、ほくていホールディングスでは、札幌市が20年に設立した「いとこんち」に食料品を届ける活動を継続している。「いとこんち」は子どもや若者が息抜きをしたい時に立ち寄る「親戚の家」のような存在で、公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会が運営している。

 この食料品寄付の活動に関連して、北海道郵便逓送はフードロス削減の取り組みを展開中。
 22年は災害キットの一つである各車両の常備食の賞味期限が切れる前に、北大で学ぶ留学生に届けた。たいへん喜ばれ、23年も災害用常備食を集め、近く何らかのかたちで寄付を行う予定だ。

昭和グループでは柔軟な働き方をより追求

▲新型アルファード エグゼクティブラウンジを導入

 一方、ほくていホールディングス会長を務める加藤欽也氏が経営する昭和グループは、昭和交通、はまなす交通、千歳昭和交通と、ハイタク事業を主力としている。

 DⅩ化を進めたことで、アプリからの配車依頼が多くなり、約半数の客が利用しているという。提供するサービスの改善にも手を抜くことなく取り組み、「DX時代とともに成長気流に乗れる会社づくり」を目指している。

 ご多分に漏れずタクシー業界も人手不足と言われている。しかし、昭和グループでは今年度、採用サイトを新しくリニューアルし、従来よりもタクシーが稼げて、且つ柔軟な働き方ができることを求職者にPRすることで、順調に採用者数を伸ばしている。とどまることなく働く環境の改善、改良に努めている。