【2021年1月号掲載】

北武第1ビル(本社)
【住所】札幌市豊平区月寒中央通6丁目1-15 北武第1ビル
【TEL】 011-859-5233 (代表)
【URL】http://www.hokubu-g.co.jp

北武フーズ花月工場 道の駅ホテルOEM商品生産事業で〝地域貢献〟

▲工場の安全・安心な製造管理体制が信頼感に結びついている

北武グループの食品加工部門、北武フーズが菓子類のOEM生産(相手先ブランド名製造)で大きな地域貢献を果たしている。農産物をはじめとする地域の特産品を素材とした商品を開発、それらが地域におけるオリジナルの土産品として道の駅やホテルで売られることで購買意欲の喚起や消費拡大につながっているからだ。地域経済の底上げにも一役買っている。

優れた農産物を素材にオリジナル商品を

▲小西政秀会長


▲黒松内町産「小麦」と姉妹都市の愛媛県西条市の特産品「ゆず」とのコラボによる「ゆずフィナンシェ」

北武グループの小西政秀会長はかねてから一貫して、水産・農林資源を含めた「食の産業を国策として推進すべき」と持論を展開してきた。北海道の農産品や海産物はどれをとっても一級品で、その優位性をビジネスにも生かしてきた。

「花月」ブランドで知られる花月堂の製造工場は小樽市桂岡にある。大量製造のOEM生産ができる工場にすべく、高度化した生産ラインを導入したのは小西氏の決断だ。

北海道には「白い恋人」をはじめ知名度のある土産品は多くある。しかし、地域のホテルや道の駅は地元の特産品を生かした商品を開発してオリジナリティーを打ち出したい。どこでも買えるものではなく、「その地でしか買えない」土産品だ。そして、その道の駅が今後、地域経済を牽引する上で「ますます重要になる」と小西氏は読んだのだ。

着眼に狂いはなかった。営業戦略と市場のニーズが合致し、2019年から20年にかけて商品開発の引き合いが多く寄せられ、コロナ禍にあっても「近い将来」を見据えて新たな相談が舞い込んでいる。花月工場で生産したOEM商品が看板商品となり、消費者目線で最も目につきやすく陳列している道の駅も少なくない。

商品製造を任せられるには、「安全・安心」を徹底する花月工場への全幅の信頼感とともに、1851(嘉永4)年創業で21年に170周年を迎える花月堂のブランドイメージも大きな要素となった。小西氏はそんな老舗の再興ではなく、未来産業への道を拓く第一歩として工場改革を断行したのである。

原料となる農産物は米や小麦、小豆、馬鈴薯、果実類などさまざま。まんじゅうやどら焼きなど主として和菓子に加工される。一例を挙げると、どら焼きだけでも4種類。余市町のりんご、真狩村のゆり根、奈井江町の椎茸という具合にどれも地域の特産品だ。

道内の数ある道の駅の中で、近年オープンした道の駅に限定して目を向けると、19年4月に安平町にオープンした「あびらD51ステーション」。蒸気機関車D51と北海道仕様の特急列車「キハ183系車両」が展示されているのが特徴だ。そこで売られる「酒粕まんじゅう」は安平町産酒米「彗星」を100%使って二世古酒造がおいしく仕上げた純米大吟醸酒「あびら川」の酒粕が素材。地酒の生産には地元有志によるプロジェクトが組まれていることから、まさに地域をつくるヒトと花月工場の技術力が結集して生んだ逸品だ。

▲道の駅「遠軽 森のオホーツク」売店にズラリと並んだ「塩あんぱい」

ベルトライン形成物流機能も優れる

 

▲どら焼きだけでも4種類あり、ナウマン
 ゾウの焼き印も(道の駅「忠類」)

19年12月に、道内初のスキー場に直結した道の駅としてオープンした遠軽町「遠軽 森のオホーツク」の「塩餡パイ 雪の精」も人気商品だ。薄いパイ生地に包まれたほんのりとした塩味が上品な味を醸し出し、オープン初日に最初に売り切れた伝説を持つ。佐々木修一町長も「おいしい。一度ぜひ食べてみて」と太鼓判を押す。

北武フーズは、この花月新工場に加え、札幌市西区の本社と小樽市張碓に工場を構え、3工場が主要国道と高速道路に沿ってベルトラインを形成している。物流体制が充実していることもOEM生産では重要な要素である。

▲道の駅「あびらD51ステー
 ション」の人気商品「酒
 粕まんじゅう」

北武記念絵画館に新たな展示室オープン 21年システム一変で〝鑑賞の質〟を高める

▲〝小西家の間〟に展示されている小西政秀会長(左)と
看護師として活躍していた頃の信子夫人(右)の肖像画


▲駐車場も4台分完備している


▲新しい展示室「収蔵庫G」では吉川聡子さんの
作品が展示されていた(11月13日)

北武グループ・小西政秀会長は絵画に造詣が深いことで知られる。地下鉄東豊線「学園前駅」に近い北武記念絵画館は小西氏が社会還元の一環として始め、25年になる。ビジネスとはまったく別の小西氏の「心のよりどころ」で、だれもが心安らかにゆっくりと楽しめる絵画館でもある。その絵画館が館長の手によって〝進化〟を重ねている。

2017年に増設リニューアル。この10月には詩を展示するスペースを開設した。文字による文化も絵画を知る上で大切な要素と考えたからだ。

また、小西会長が来客対応していた1階の研究室を改装し、〝小西家の間〟と名付けて一般開放。小西氏と信子夫人、小西氏の両親の肖像画が展示され、小西家のルーツを知る文献や資料もある。

小西氏の肖像画は新潟で絵画教室を主宰する高橋均氏に特別に描いてもらった作品で、最近できあがったばかり。「小西政秀の雰囲気がよく表れている」(館長)とそれまでの肖像画に変わって架け替えられた。

同じく1階には新しい展示室「収蔵庫G」がオープン。元の収蔵庫を改装し、他の展示室とまた違った視点で鑑賞できる。

「2021年からはシステムを一変します。ウイルス対策と同時に鑑賞の質を高める必要があると考えたからです。1階は時間制限を無くし、展覧会に関連する新刊本を差し上げます。コーヒーで鑑賞の余韻を楽しんでいただける場所をつくることにしました。2階と3階を一つの組み合わせにして、1階とは別に領域を分けて思い思いに利用していただく。エリアの棲み分けが感染予防になるという意義もあります。無料のコーヒーサービスに加え、花月堂のグルテンフリーの和菓子も数量限定ですが無料で提供しています。鑑賞のお供にご活用ください」

▲「誌」を展示するスペースは落ち着いた雰囲気が漂う