北武グループ

【2022年1月号掲載】

北武第1ビル(本社)
【住所】札幌市豊平区月寒中央通6丁目1-15 北武第1ビル
【TEL】 011-859-5233 (代表)
【URL】http://www.hokubu-g.co.jp

北武フーズ一端を担う地域創生
高齢者向け栄養食ノウハウ生かした冷凍食品開発!
地域の要望に応じ特産品加工から販売まで

札幌市西区八軒の冷凍庫
▲札幌市西区八軒の冷凍庫

北武グループの食品加工部門、北武フーズ(本社・札幌市)は地域の農産物をはじめとする特産品を素材とした商品開発に定評があり、それらがオリジナルの土産品として道の駅などの売店に陳列されることで〝地域創生〟の一端を担っている。一方で、先端の冷凍・運搬設備を活用して家庭向けの総菜を中心とする冷凍食品を開発し、幅広く流通させている。

小西政秀会長
▲小西政秀会長

冷凍食品の名称は「DELICOOK」。コロナ禍による巣ごもり需要などで引き合いは着実に増えているという。
特徴は医療法人北武会管理栄養士の監修による商品であること。経営する病院や福祉施設で、主として高齢者向けの栄養食を提供してきたノウハウを駆使し、一般市場に向けて商品開発したものだ。今までになかった〝給食〟を家庭に提供するのが狙い。

「おいしいけど塩分が多い」「毎日食べるには種類が少ない」という消費者の声に応え、豊富なラインナップを揃え、毎日でも食べ続けられるお手頃な価格としていることもとても喜ばれている。

「つくね焼き」を例にとると、成分は1人前100グラムで、エネルギー94キロカロリー、たんぱく質7・0グラム、脂質2・8グラム、炭水化物10・4グラム、食塩相当量0・5グラム。これに、ごはん150グラム、薄めの味噌汁、さつま芋の甘露煮を加えたとしても食塩相当量は2・0グラム。高血圧の要因となりかねない塩分の摂取を極力抑えた健康食といえる。

こんな栄養分を十分に考慮した商品が「照り焼きチキン」「豚肉とごぼうのしぐれ煮」「煮込みハンバーグ」「チキンクリームシチュー」「えびと野菜の塩炒め」「中華風揚げ豆腐」などで和・洋・中のジャンルでそれぞれ取り揃えている。

つくね焼き定食
▲栄養バランスをとった「つくね焼き定食」
冷凍食品の利用頻度の図
▲冷凍食品の利用頻度はこの6年間で15%アップ!
(日本冷凍食品協会調べ)
デリクック
▲冷凍食品「デリクック」のラインナップ

 

西区八軒の工場に最先端の冷凍設備

こうした冷凍食品の製造・流通・販売ができる背景にあるのは、札幌市西区八軒の工場に併設された冷凍設備だ。2020年に一新し、視察に訪れた食品業界関係者が「これはすごい」と驚くほど。高い保存能力を持つことは一般流通だけでなく、ネット通販による展開などビジネスシーンの拡大につながっている。

このほか、北武フーズでは、札幌市内の有力カレー店やスープカレー店とのコラボで商品開発に向けた準備を進めている。近い将来には「ふるさと納税」返礼品としてのアイテムをつくり上げていく考えもある。

シマエナガパフチョコ
▲シマエナガパフチョコ
おとうふかまぼこ
▲遠軽のおとうふかまぼこ

地域要望OEM生産ますます磨きがかかる

羊羹
▲小樽忍路と北広島市の自社農園で栽培したコクワを原料にした羊羹
ハスカップクッキーと日高昆布まんじゅう
▲「ウポポイ」のショップで販売されている限定のハスカップクッキーと日高昆布まんじゅう

一方、小樽市桂岡の花月工場で進めているのが地域の特産品を活かした商品開発だ。

北武グループの小西政秀会長はかねてから一貫して水産・農林資源を含めた「食の産業を国策として推進すべき」と持論を展開してきた。北海道の農産品や海産物はどれをとっても一級品で、その優位性をビジネスにも生かしてきたのだ。

農産物や海産物の生産から加工・製造、流通・販売まで一気通貫でできるのが北武グループの強み。道内のあちらこちらに自社農園を保有しており、その中の小樽市忍路と北広島市ではコクワを栽培し、それを原料に羊羹を製造・販売。老若男女から好評を博している。

きんつば
▲本別町産の小豆を原料にした「きんつば」

小西氏は、道の駅などから「どこでも買えるものではなく、その地域でしか買えない土産品や特産品を揃えたい」というニーズに応え、大量製造のOEM生産ができる工場にすべく、高度化した生産ラインを構築してきた。

そんな戦略と市場ニーズが合致し、19年から新たなオーダーがどんどん寄せられ、20年、21年はますます磨きがかかっている。

老舗の花月工場を未来産業の担い手に
例えば、19年12月にスキー場に直結した道内初の道の駅としてオープンした遠軽町「遠軽 森のオホーツク」では、花月工場でつくった「塩餡パイ 雪の精」が瞬く間に人気商品に成長。

「遠軽 森のオホーツク」は高規格道路の終点、遠軽ICにも直結していることから、札幌や旭川とオホーツクを結ぶ拠点として利用者数がとても多い道の駅。花月工場は「遠軽のおとうふかまぼこ」などの新商品も次々と投入している。

別の道の駅からは「雪の妖精」と呼ばれる北海道に住む野鳥「シマエナガ」の人気が急速に広がっていることから「お菓子にしたい」という要請を受け、「シマエナガパフチョコ」を開発。「ウポポイ」のショップでは、花月工場製のハスカップクッキーと日高昆布まんじゅうが販売されている。胆振(厚真町)・日高管内の名産品であることから、胆振管内白老町のウポポイとはイメージ的にはピンとくるものがある。

道の駅などから多くのオーダーが寄せられるのも、花月工場に全幅の信頼感があってこそ。1851年創業で21年に170周年を迎えた花月堂のブランドイメージは大きく、小西氏はそんな老舗を再興するだけでなく、未来産業の道を拓く工場として機能させている。

▲花月堂の創業記念催事で焼きたての中華饅頭とどら焼きなどを販売したところ、
地域の人たちの行列ができるほど好評で、「第2弾も検討中」という

HOKUBU記念絵画館に文学常設室 
第1弾は「俳句と詩との余白の美」展示

HOKUBU記念絵画館
▲地下鉄東豊線
「学園前」駅から徒歩圏内
展示室
▲3階の展示室を
「文学常設室」に改装する
小西政秀会長の詩
▲オーナーである小西政秀会長の詩

北武グループ・小西政秀会長は絵画に造詣が深い。地下鉄東豊線「学園前駅」に近いHOKUBU記念絵画館は小西氏が社会還元の一環として始めて26年になる。ビジネスとはまったく別の小西氏の「心のよりどころ」で、だれもが心安らかにゆっくりと楽しめる絵画館でもある。2021年1月、5室ある展示室の1室を文学常設室としてリニューアルする。

文学常設室では、文学をそれ自体で独立したものではなく、絵画と関係したものととらえ、他者との関係としてもとらえ展示するのが大きな特徴。

「文学も絵画も他者の内部に触れるものだから」と館長はこう続ける。

「文学という言葉はかなり広範囲で使われる言葉で、いろいろなジャンルで、いろいろな意味が問われています。評論や小説、エッセイなどは、思想や理論の奥深くに入り込み、他者との結びつきを示しています。鑑賞は他者との出会い。この展示室では文学を絵画の思想的なコンテクスト(文脈)としてとらえ、文学も作品の一部ととらえた構成を試みたいと思います。

1月20日~3月6日に予定される「アジアの中の日本」では1・2階の展示室で画家・高橋美則の作品などを展示。日本のルーツを広くアジアに求め、中国や韓国を題材にした作品もある。

一方、3階の文学常設室は「俳句と詩との余白の美」をテーマに松尾芭蕉の「奥の細道」と小西氏の詩を展示する。
余白とは何も記されていない白く残っている部分。簡単にいえば「省略」だが、「暗示」ともいえる。

「あえて書かないことで伝える美意識という日本独特の表現方法にスポットを当てたい。俳句のようには流行しないオーナーの詩ですが、このことと文学的な価値を簡単に結びつけることはできません。透き間だらけの組み立てを余白美が光る絵画とともに紹介します」(館長)

展示
▲12月21日まで「ベン・シャーンと野田英夫」を展示
ステンドグラス
▲ステンドグラスが癒しをもたらす