独立行政法人国立病院機構 函館医療センター(旧函館病院)

【2024年9月号掲載】

【住所】函館市川原町18番16号
【TEL】 0138‐51‐6281
【URL】https://hnh-hosp.jp/

透析シャントトラブルの「相談窓口」「ヘルニアセンター&外来」開設

▲椎谷紀彦院長

 今年7月にシャントトラブルの「相談窓口」を開設。8月には「ヘルニアセンター」と「ヘルニア外来」(週1回)を開設した。

 血液透析では、動脈と静脈をつなぐシャント手術が行われるが、透析を繰り返すうちに血管の狭窄や、動脈圧で動脈瘤ができたり細菌感染する場合がある。このようなシャントトラブルは、従前は透析病院で行ってきたが、近年は他の病院に依頼する場合が多い。

 同院では、血管の狭窄の場合には血管内治療「VAIVT」を行い、①通常のバルーン治療「POBA」に加え、②特殊な薬剤溶出性バルーン治療「DEB」、③ステントグラフト治療を行い、狭窄箇所を広げ血流を再開する。「DEB」治療は、バルーン表面に狭窄を抑制する薬剤を塗った治療法。ステントグラフト治療は、ステントグラフトで狭窄を抑える治療法。②と③は専門の資格や認定が必要で、これら3つの治療を行う医療機関は少ない。担当医師は今川正吾循環器専門医。

▲シャントトラブルの血管内治療

 動脈瘤や細菌感染などの血管内治療が適用にならない症例では、椎谷紀彦院長が外科手術を行う。椎谷院長は心臓血管外科専門医・修練指導者、日本血管外科学会副理事長、浜松医科大学名誉教授。

 一方、ヘルニア(脱腸)は、腹壁から皮下に腸が出る疾患。「ヘルニアセンター」では、消化器外科専門医の高橋亮センター長と本谷康二副センター長が低侵襲の腹腔鏡下手術を行っている。