ダイコクグループ
【2023年1月号掲載】
【住所】石狩市新港西1丁目769番地3
【TEL】0133-74-2323(ダイコク交通)
【URL】https://daikoku-web.com
オンデマンド交通の実証運行に参画、「感動ある未来」テーマに経営を実践
ダイコクグループは、ハイタクや冷凍品の低温輸送、貸し切りバスなど「交通・運輸事業」を主力とする。グループテーマである「感動ある未来へ」に沿い、英知を結集し、予測できない変化にも対応できる経営を実践している。
ダイコクグループの中核である大黒自工は本社を札幌市中央区に置くが、工場や車両基地などグループの最前線拠点は石狩湾新港地域にある。
その石狩市で2022年11月から、ダイコク交通がオンデマンド交通実証運行に参画し、社会的な役割を果たしている。
オンデマンド交通はIoT、AI技術を活用した移動サービスの提供形態を言う。バスと同様に複数の人を一度に運ぶことができる効率性と、タクシーと同様に利用者の要望にきめ細かく応えることができる柔軟性を併せ持っている。
タクシーは、ダイコク交通と三和交通の2社が参画。ジャンボタクシーを走らせている。
「タクシーは地域にとってのライフライン。事前予約、リアルタイム予約によりドアトゥドアの移動サービスを提供できます」(中村常博社長)
人流減の影響あるものの徹底した品質に高い評価
ダイコクグループは、大黒自工、ダイコク交通、北海丸善運輸、ダイコク観光バス、太宝電子の各社で構成される。
大黒自工、北海丸善運輸、太宝電子はオーナーである紫藤正行氏が社長を務め、ダイコク交通は中村氏、ダイコク観光バスは木村隆之氏がそれぞれ社長を務める。
このうちコロナ禍のダメージが大きかったのはダイコク交通とダイコク観光バス。北海丸善運輸は徹底した品質管理が顧客に高く評価されており堅調な経営、大黒自工もモータリゼーション下で満足度の高い車検を提供するなど業績は順調だ。
フレキシビリティ持ったビジョンを
こうした中で紫藤社長はかねてから、「交通・運輸業界、特にハイタク事業はコロナ前からビジネスモデルは崩壊していた」と持論を展開してきた。そのキーワードが「規制緩和」「経済的規制」「人的規制」の3つで「需要と供給のフレキシビリティを持ったビジョンを打ち出さない限り、根本的問題は解決しない」と強調する。これらは行政や政治家に対しても発信し続けており「現代にふさわしい法整備が急がれる」ときっぱりと語る。
紫藤社長はこの11月、札幌商工会議所副会頭に再任された。白石区にある札幌商工会議所附属専門学校の担当副会頭としてこの6年間、改革に取り組んできた。
少子化に伴う18歳人口の減少というアゲンストの中で、道内各地域の〝一流〟と呼ばれる普通・商業高校から生徒が入ってくるようになり一定の成果が見られている。「4万人を超えるOB・OGが社会で活躍する歴史ある学校。存在意義と魅力を全道の高校や企業にさらに周知させていきたい」と話す。