旭イノベックス株式会社
【2026年1月号掲載】
【住所】札幌市清田区平岡9条1丁目1番6号
【TEL】 011-883-8400
【FAX】 011-883-8405
【URL】https://www.asahi-inovex.co.jp
建築・土木・住環の3事業部とも前向きな設備投資に意欲を見せる

主に鉄で造る製品を扱う旭イノベックスは建築鉄構、土木鉄構、住環機器の3事業部で企画・製造・販売を展開している。建築資材をはじめモノの値段が上がるなか、星野幹宏社長は「高い時でも買える、他の会社が買えないものを買う、そうしたマインドが競争力を高める。前向きな設備投資を進めていく」と2026年を見据える。
ゲリラ豪雨の対策で新方式の治水を考案

専務取締役建築鉄構事業部長、星野幹宏社長、
星野恭亮会長、伊藤伸彦専務取締役
土木鉄構事業部長、金安彩企画室部長
主力の建築鉄構事業部は、大型建築物件の工期の見直しや建築費高騰の影響を受けながらも、工夫をしながら計画以上の収益を上げている。
中期計画のもと、工場の自動化に向けた取り組みをさらに進める考えだ。3Dデータを入力するだけで曲面など難しい形の鋼材を切断できるプラズマロボットを24年に導入したことで生産の効率性の向上につながり、近いうちに新たなロボット機材を入れる予定だ。
「自社においても、寸法の自動測定システムなどの開発を進めており、数年後に稼働の見込み。付加価値を高めることに意識的に取り組んでいます。早くから3D技術を駆使してきましたが、近い将来は受注案件の100%すべてをこの技術で対応するのが目標です」
と工藤孝志専務取締役建築鉄構事業部長は力説する。

土木鉄構事業部は、同社オリジナルで特許取得の無人無動力自動開閉ゲートであるオートゲートが国内のみならず海外でも高い評価を得ている。「ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」というこの分野で最高峰の受賞歴も技術的な信頼性を押し上げ、業務提携に向けて動き出している。海外進出への弾みになることが期待される。
国内では近年、短時間に大量の雨が降るゲリラ豪雨が頻発している。
「気候変動に対応した新方式の治水を考え、技術開発に努めています」
と伊藤伸彦専務取締役土木鉄構事業部長は語る。
「都市と地方で考え方や方法は異なるものの、遊水地に水を流して河川の氾濫を防ぎます。都市では雨水貯留施設や調節池などが大きな役割を果たしますが、都心に大量の水が入る前に上流で流入量をコントロールするのが重要。製品化されると現在のオートゲートでは対応できなかったエリアで一段と差別化された新方式の治水となります」

住環機器事業部は、新築戸建て住宅の着工戸数が全国的に減るなか、壁に取り付ける電気タオルウォーマー「ホットeラック」の受注が伸びている。小型でデザイン性が高い製品で、国内各地の住宅リフォーム関連の展示会にも積極的に出展。「反響はとても良い。この製品は乾燥時間が通常の半分くらいに短縮されるのが特徴で、雑菌の繁殖を抑えられるのがメリット。分譲マンションやホテルなどからも取り扱いの要望が寄せられています」と西村茂取締役住環機器事業部長は語る。
「ホットeラック」は栗山町のふるさと納税返礼品に登録さけており、こちらも少しずつオーダーが入っているという。
一方、総務・人事部門の取り組みでは、社会全体の動きに先駆け、比較的早期に「65歳定年制」を導入。今はその世代の再雇用を含めた雇用形態のあり方の検討に入っており、これは業界を問わずしてひとつのモデルケースになることも考えられる。「個人個人の意欲やモチベーションのほか、年齢ピラミッドのバランスなども視野に入れながら、より働きやすい職場づくりを進めていきます」と金安彩企画室部長。
社会貢献活動では、22年から北海道マラソンにキッズサポーターとして特別協賛。「旭イノベックスプレゼンツウイニングラン」を開催している。
北4西7の中心部にオフィスビルを取得
2025年は中央区北4西7の札幌ホワイトビルを取得した。これまではマンションやアパートを所有、賃貸運営することはあっても、それはあくまで取引先等のつながりの範囲内で行ってきたもの。札幌の中心部で一定の規模(地上9階建て)を持つオフィスビルを持つのは初めてで、そのねらいを星野社長はこう話す。
「北5条通りを挟み京王プラザホテル札幌の向かいで、道庁や北大植物園にも近い。道外の方が所有していたが、長期的に見て道内資本で抑えておくべき土地だと判断した。幸い、入居率はほぼ100%で、回転率も高い」
これも星野社長が2026年の目標の一つとした“前向きな投資”の一環といえそうだが、このほかにも創業者が住んでいた北広島市の住宅を会社が取得したうえで改修に着手するという。このほど札幌商工会議所の議員職務執行者を星野幹宏社長にバタンタッチした星野恭亮会長(副会頭・議員会長を歴任)が若い頃に住んでいた思い入れの深い住宅だ。
「当時の面影を残しながら、暖房機の研究開発を行う実験室や会社の歴史を示すスペースも設けたい。創業の精神はこれからも大切にしていく」
と星野社長は語る。

