医療法人仁楡会 仁楡会札幌病院

【2024年9月号掲載】

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前立腺肥大症に「CVP」治療、人工透析で皮膚科専門医がケア

丸晋太朗理事長
▲丸晋太朗理事長

 前立腺肥大症の治療で「接触式レーザー前立腺蒸散術」(CVP)の内視鏡手術の新型ファイバー「XCAVATOR」(エクスカベーター)を22年10月に導入、現在154例実施している。低侵襲治療で、従来は核出術を行うしか手立てがなかった大きな前立腺(100㏄以上)の患者にも適用になる。

「冷却水による温度管理でむくみや痛み等の合併症を軽減でき、治療成績がよい。市外からの紹介例も増えている」と丸晋太朗理事長。

 また、同じ前立腺肥大症の治療で昨年5月、前立腺肥大症の治療に経尿道的水蒸気治療の「WAVE治療」を導入した。この治療は前立腺の肥大した部位に水蒸気を注入し、水蒸気の熱(103℃)で細胞を壊死、縮小させる治療法。

仁楡会札幌病院

 脳疾患や心疾患などで抗血栓薬を内服している患者でも適用になり、安全で無血の低侵襲治療なので、超高齢の患者も治療を受けられる。治療時間は10~15分。

 いままでにWAVE治療を55例実施。「排尿効率が改善され、治療成績がよい」(丸理事長)
 一方、人工透析は、今年4月から新たに皮膚科専門医が加わり、透析患者に多い掻痒症や皮膚疾患の治療にあたっている。この取り組みは、全国でも珍しい。

丸 晋太朗理事長(まる しんたろう)

獨協医科大学医学部卒。北海道大学大学院医学研究科修。帯広厚生病院(泌尿器科医長)、市立札幌病院(泌尿器科副医長)などを経て、2016年4月に医療法人仁楡会の理事長に就任。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本泌尿器腹腔鏡技術認定医。