医療法人渓和会 江別病院

【2024年7月号掲載】

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「ラジオ波焼灼」や「冠動脈塞栓」肝臓がんの低侵襲治療

寺下 勝巳消化器科医長
▲寺下 勝巳消化器科医長

 寺下勝巳医師は、肝臓病が専門。

 肝臓がんでは、切除が必要な場合に外科手術を行うが、高齢の患者や開腹手術が適さない場合には低侵襲の「経皮的ラジオ波焼灼術」や「冠動脈塞栓術」を実施している。

 経皮的ラジオ波焼灼術は、病変が3㌢未満(3個以内)の場合に適用され、腹部エコーで観察しながら針からラジオ波を照射、熱で病変を壊死させる治療法。合併症を引き起こさないよう、腹腔内に水を入れること(人工腹水)で周囲にある消化管や腹壁などの組織の損傷を防いでいる。

▲渓和会江別病院

 一方の冠動脈塞栓術は、手術やラジオ波焼灼術、全身化学療法に適さない単発がんに適用される。肝臓がんの栄養供給源となる冠動脈(栄養血管)を造影剤で特定し、冠動脈内に抗がん剤を混入させた塞栓物を詰めることで腫瘍を壊死させる治療法だ。

 肝がんの治療薬が劇的に進歩しており、同院は局所療法に全身化学療法を併用した治療を実施。
「肝臓がんには治療の選択肢が数多くあり、いろいろな治療を組み合わせて病態に即したマネジメントを心がけている」と寺下医師。

寺下 勝巳氏(てらした かつみ)

旭川医科大学卒。北見赤十字病院、函館中央病院、北海道大学院病院、釧路労災病院(消化器科部長)などを経て、2022年4月から現職。日本肝臓学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本内科学会専門医。医学博士。