【2019年9月号掲載】

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ヘルニア・下肢静脈瘤の専門医が提供する最新の低侵襲医療

鼠径ヘルニアとは

▲城田誠外科医長

鼠径ヘルニアとは、鼠径部(太もも付け根)の筋肉が緩み隙間ができることで腸の一部が脱出し、下腹部に膨らみとしてあらわれる病気で、かつて脱腸といわれた。加齢による腹壁の衰え、立ち仕事、過度の力み、肥満傾向の人に発症しやすく、発症率は200人に3人と珍しくない病気だ。

初期症状の膨らみは、仰向けの状態で押し込むと消失するが、放置すると患部が硬くなり押し戻せなくなることがある。これをといい、この状態になると腹痛や吐き気だけでなく腸が壊死するなど生命に関わるため緊急手術が必要となる。

こうした症状になれば、自然に治癒することは極めて稀なことで、嵌頓になる前に手術することが望ましい。

最新の腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術

▲傷は3ヵ所で目立たない


▲腹腔鏡による手術の様子。
穴をメッシュで補強する

従来、鼠径ヘルニアの手術は、股の付け根を5〜7センチ切開する必要があった。術後5日前後の入院を必要とし、運動や力仕事ができるようになるまでには3週間程度。

そこで札幌徳洲会病院では患者の負担を軽減するため腹腔鏡手術を実施している。この「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」は直径5ミリの腹腔鏡を挿入する穴を確保するための腹部3ヵ所(各1センチ程度)の切開で済む。ポリプロピレンやポリエチレンのメッシュで腹壁を補強し、術後の再発を抑える。

従来の手術と比べ時間はかかるが、傷跡が小さく痛みも少ないため、基本的に手術の翌々日には退院することができる。

また、場合によって最短で1泊2日の入院が可能なことから、早期の社会復帰ができる。「従来は股の付け根も切開するため、歩くと擦れて痛む場合がありました。腹腔鏡手術であれば、運動制限を設ける必要もほとんどなく、患者さんの精神的な負担が少ないことが最大のメリットです」(城田医師)

専門外来は2010年1月から実施し、城田医師のほか腹腔鏡手術ができる外科医師を増やし、近年増加傾向にある患者に対応している。

現在、各病院の鼠径ヘルニア手術の約7割が従来の切開する手術が実施されていると言われている中、同病院では18年度は「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」が126件、腹腔鏡率98%の実績となっており、最新の低侵襲医療の信頼性の高さがうかがえる。

下肢静脈瘤のレーザー治療

下肢静脈瘤とは静脈弁の機能不全が原因で重力により血液が逆流し、血管がこぶ状に浮き出る疾患だ。足の倦怠感などの症状があり、放っておくとほかの正常な血管にも負担がかかるため早期治療が必要となる。

「当院では『血管内レーザー手術』を実施しています。血管内に直径1ミリ程のレーザーファイバーを挿入し、引き抜きながら熱で血管を閉塞させていく方法です」(城田医師)

このレーザー治療の照射時間は約30分。日帰りも可能だが、翌日に診察を行う1泊2日の治療を推奨している。