株式会社ニトリホールディングス

【2023年6月号掲載】

●札幌本社
【住所】札幌市北区新琴似7条1丁目2番39号
【住所】 011-330-6200

●東京本部
【住所】東京都北区神谷3丁目6番20号
【住所】 03-6741-1111

【URL】https://www.nitorihd.co.jp/

三重苦の逆風乗り越え36期連続増収増益達成!
上場来33期連続は単独世界一

似鳥 昭雄会長
▲似鳥 昭雄会長

 国内786店舗(5月10日時点)、海外131店舗(同)を展開する、家具・インテリア業界国内最大手のニトリホールディングス。

 歴史的な円安や、物流費、原材料の高騰といった三重苦の逆風にさらされたものの、物流のコストコントロール、サプライヤーの集約、原価低減の取り組みなどによって、2023年3月期の連結決算では売上高9480億円(前期比116・8%)、営業利益は1400億円(前期比101・3%)と、36期連続の増収増益を達成。36期連続は同社が持つ日本記録を更新、上場来33期連続は、世界最大の小売企業ウォルマートを抜く単独世界一の快挙だ。

 商品展開では、吸湿発熱素材を使⽤したNウォームシリーズが極めて好調に推移。なかでも2022年モデルのNウォーム寝具は、従来の「あたたかさ」に「部屋干し臭抑制機能」を追加。日照時間の短い季節に欠かせないアイテムとして支持を集めており、とりわけ話題なのは、『スマホ毛布®』。毛布に腕を通す穴が2ヵ所空いているため、首もとまで保温しつつ、寝ながらSNSチェックや動画視聴が可能。寝返りしてもはだけにくいというのも特徴だ。

 店舗展開に目を転じると、昨年は念願だった北京をはじめ、マレーシア、シンガポールなどへ初進出。今期はタイやフィリピン、ベトナムやインドネシア、韓国への進出も計画されており、アジア圏を核とした今後の展開に期待が集まる一方、昨夏話題を呼んだのは「石狩DC」の稼働だ。
 ニトリグループは、物量増加に伴う入集荷機能の拡充のみならず、CO2排出抑制やコスト削減を図るべく、2025年までに3500億円を投じて国内物流拠点を再構築する方針で、この石狩DCはその第一弾。災害時にはこの石狩DCを拠点に、救援物資の供給や被災地への輸送などを行う役目も担うことから、道民にとって極めて重要な“施設”で、8月には道と「災害時等における物資の供給等に関する協定」も締結している。

 札幌都心部の再開発事業や、小樽のオタモイ岬再開発計画など、文化・観光振興などにも積極的だが、昨年は小樽芸術村に4館目となる「西洋美術館」を開設。19世紀後半から20世紀初頭にかけて欧米で制作されたステンドグラスや、アールヌーヴォー・アールデコのガラス工芸品、家具などを展示する、日本初の本格的な美術館だ。

 また、同グループは現代社会の深刻な課題である“人手不足”にも先進的な取り組みで対応。もとより同グループは就職情報会社マイナビが実施している「就職企業人気ランキング」北海道版で22~23年とトップだが、先般話題を呼んだのは、育児や介護などで退職した元社員の再雇用に向け、採用情報などを発信するネットワークの構築。他社で専門性を身に付けた元社員の参加も想定するなど、世界基準の発想で成長を後押しする。

▲延床面積は約7万7000㎡。無人搬送車を導入するほか、雪対策のドックシェルターを装備、自家用給油設備も設置している