【2019年7月号掲載】

【住所】広尾郡広尾町公園通南4‐1
【TEL】 01558-2-3111

4月に帯広・北斗病院と連携 全国に先駆けた地域医療再生のモデル構築へ

▲左から竹中芳子医師、計良基治病院長、藤田幸子医師

広尾町国民健康保険病院(以下・広尾国保病院)は、今年4月、帯広市内の社会医療法人北斗の北斗病院(同・北斗)と連携し、地方独立行政法人に移行した。

その計良基治病院長は、旭川医大卒で整形外科の専門医。北斗の理事で、広尾国保病院の副理事長や十勝地域研究所所長、東都大学(埼玉県)の研究教授を兼任する。

新体制の広尾国保病院では、全国に先駆けた地域包括ケアシステム(地域医療・介護提供体制)構築のモデルづくりに取り組む方針。

その第一歩として、地域医療維持のポイントとして掲げたのが以下の3点。①「チーム医療」、②「ICT(情報通信技術)の活用」、③「医師やスタッフの働き方改革(オン・オフのメリハリ)」である。

▲TMIリンクによる遠隔診断

同院では、計良病院長のほかに内科医の藤田幸子医師(勤続10年)と竹中芳子医師(同7年)が常勤、そのほか北斗から総合診療科医や耳鼻咽喉科医、消化器内科医、皮膚科医、脳神経外科医が週1~2回診療し、総合診療と専門診療の効率的な提供を行っている。十勝管内の公立病院で女性医師2名が常勤するのはここだけだ。

地方の医師不足解消に女性医師のマンパワーが欠かせないが、「わからないことは、北斗からの専門医に相談したり患者さんを紹介することで、自分で抱えないことが大切」(藤田医師)

竹中医師も「土曜と日曜は他の医師が診療するので、休める。オンとオフの切り替えができる」と、チーム医療のメリットを説く。

▲小型飛行機「ボナンザ」

医師の通勤や派遣に威力を発揮しているのが北斗が保有する小型飛行機「ボナンザ」だ。北斗の医師2名がパイロットの資格を持ち、医師の派遣などに活用している。

ところで広尾国保病院では、院内に「十勝地域医療研究所」を開設、次世代の医療・介護従事者の養成に努めている。東都大学の看護学科の推薦校に広尾高校がなり、卒業後4年間、同病院での勤務を条件に返還不要の奨学金制度を導入。理学療法学科についても北斗の奨学金制度を活用できる。さらに将来的には地域の医療を担える総合診療医の養成も計画している。

ICTの活用では、患者が希望する場合、広尾国保病院と北斗の電子カルテが「TMIリンク」でつながり、リアルタイムで診断画像などを共有できる。

 当院で撮影した画像を北斗で診断し、重症の場合には北斗に患者さんを緊急搬送したり、北斗で手術した患者さんを当院で診る場合、北斗での治療経過を把握できるなど、病病連携に役立っている」と計良病院長。

広尾国保病院では、北斗との連携で救急医療の能力を向上させ、えりも町や様似町など南十勝・日高東部の救急の拠点化を目指している。

北斗では十勝医師会からの依頼を受けて院内に「十勝在宅医療・介護連携支援センター」を開設した。広尾国保病院でも「広尾医療介護連携支援センター」を開設、前出の藤田医師がセンター長に就任。今後北斗との連携で地域包括ケアを牽引していく方針だ。

▲広尾町国民健康保険病院