桑園むねやす眼科
【2022年5月号掲載】
【住所】札幌市中央区北10条西15丁目1‐4 ブランズ札幌桑園駅前イースト1F
【TEL】 011-618-5566
【URL】http://muneyasu.sakura.ne.jp
涙、まぶた、緑内障および 網膜硝子体の専門治療


桑園むねやす眼科では、田村唯副院長が涙と緑内障の治療に力を入れている。悲しくないのに「涙がたまる、こぼれる」のは、涙の道がつまることから生じる。今日では、細い内視鏡(涙道内視鏡)で治療ができ、局所麻酔を行うことで痛みもない。治療時間は5~15分程度で外来で可能。放置するとつまっているところが悪化し、目やにが止まらず、結膜炎を繰り返すことで視力障害が生じ、ひどい場合には失明に至るケースも報告されている。
「長期間放置していたケースでも内視鏡で治療できる場合があります。それが難しいと鼻の奥と目頭をつなぐ手術(涙嚢鼻腔吻合術)を行うことになります」と田村副院長。悪化すると手術が必要となり、再発も多いが、早期であれば一度の治療で治るケースも多い。涙は自然に治ることがないので、早期治療が重要だ。
一方、視野が狭くなる緑内障は失明の原因で最も多く、末期になるまで自覚症状がないのがほとんど。末期になると一部分に霧がかかったような見え方になり、進行を止められない場合がある。
いまは視野障害が出現する前の段階で緑内障を見つける画像検査もある。「治療は、点眼やレーザー、そして手術がありますが、いずれも眼圧を下げるために行います。長持ちさせる治療しかありませんので、自覚症状が出る前に治療を始めることが大切。40歳以上の20人に1人が緑内障だといわれますから、自覚症状がなくても1年に1回は眼科で検査することをお勧めします」(田村副院長)
網膜硝子体の治療では「抗VEGF薬の眼球注射」が加齢黄斑変性はもとより、糖尿病網膜症、網膜静脈閉鎖症、強度近視などの治療に幅広く使用されている。
この眼球注射は、適応が広く即効性も高く、無くてはならない治療法で、同院でも年間およそ1000人に実施している。しかし治療費が高額で、病状の再発に対して多くは長期の治療継続が避けられない。そのため竹田宗泰院長は、「薬物治療だけに頼らず、選択肢を広げてレーザー治療や硝子体手術を使用する場合も多い」と説明する。

また竹田院長は、「最終的な治療の選択は、患者さんに任せるが、患者さんが自己判断できないことも多く、治療にはわかりやすい説明と謙虚な姿勢を心がけている」という。診断と治療には、造影剤が要らないOCT(光干渉断層計)血管造影が普及しているが、それだけでは治療の選択と実施に困難なことが少なくないため、蛍光眼底造影も積極的に行っている。
網膜疾患は、放置すると失明することが多く、早期発見と早期治療が必要だ。早期発見のために竹田院長は、片目を手で隠し、老眼鏡をかけて「線が歪むことや小さな文字が読めなくなっていないかの自己チェック」を勧めている。
手術については、白内障および硝子体手術などすべて日帰り手術を実施し、無縫合の極小切開で創口が小さいため、社会復帰も早い。