社会医療法人元生会 森山病院

【2023年10月号掲載】

【住所】旭川市宮前2条1丁目1番6号
【TEL】(0166)45‐2020
【URL】https://www.moriyama.or.jp/moriyama/

蛍光診断とナビゲーションシステム、悪性脳腫瘍の在宅医療も実施

安栄良悟脳神経外科部長
▲安栄良悟脳神経外科部長

 森山病院では、悪性脳腫瘍のグリオーマや転移性脳腫瘍の手術で2021年12月から「蛍光診断」と「ナビゲーションシステム」を併用した最新治療を行っている。

 グリオーマは腫瘍が脳の中に浸潤するため、病巣だけを摘出するのが難しく、言語障害や運動障害などの後遺症を伴いがちだ。
 蛍光診断は、光を当てると腫瘍の部分が赤く染まり、病巣を特定できる。より深部に浸潤した腫瘍についてはナビゲーションシステムで脳の表面から病巣の位置の見当をつけることができる。

 また同院では悪性脳腫瘍の在宅治療にも力を入れ、痙攣が止まらない痙攣重積の患者に対して自宅でも病棟同様の看護管理が受けられる。痙攣重積の患者は、呼吸停止を防ぐため持続的な薬剤の投与が必要で、従前は病棟での管理が不可欠だったが、同院では点滴システムを整え、僅かな容量の薬剤を投与しながら発作時には容量を増やして痙攣を抑えるシステムを構築した。

森山病院

 担当する安栄良悟脳神経外科部長は、旭川医大脳外の前准教授。
「患者さんは、痙攣が止まれば自宅で家族とコミュニケーションが図れる。当院は悪性脳腫瘍に対して初期から在宅まで一貫した診療ができる体制をとっています」(安栄部長)

安栄 良悟脳神経外科部長(あんえい りょうご)

旭川医科大学卒。森山病院、国立循環器病センター(大阪府)、鹿児島市立病院に勤務後、旭川医科大学脳神経外科助教、講師、准教授を経て、2021年2月から現職。日本脳神経外科学会専門医・指導医、がん治療認定医。医学博士。