【2021年9月号掲載】

【住所】札幌市豊平区中の島2条7丁目1番1号
【TEL】 011-814-9911
【URL】http://www.jinyukai.or.jp

来年8月、新病院開院で 手術・リハビリ・入院透析を拡充

▲丸 晋太朗理事長

医療法人仁楡会(丸晋太朗理事長)は、札幌市南区にある仁楡会病院を豊平区中の島に移転新築し、新病院「仁楡会札幌病院」が8月1日に開業した。

新病院は地上5階建て(延床面積6400平方メートル)で、旧病院のおよそ1・5倍の規模。

内装は「仁楡会」の「楡」の木が空に聳え立つモチーフで設計され、1・2階が木の幹(木調)、3階が葉(緑)、4・5階が空(青)を基調に構成されている。

1階は外来で診察室を従来の2室から3室に増やし、救急患者の受け入れ専用室を新設。またCTやエコーなどの各種検査室や結石破砕室も設けた。

▲新病院「仁楡会札幌病院」


▲広いスペースの人工透析室(60床)


▲広々とした手術室を3室に増設


▲個室を増やして患者のアメニティを向上させた病棟


▲リハビリ室は最上階にあり、
屋外テラスでもリハビリができる


▲外来の待合室は木陰でリラックスできる
コンセプトで設計された

2階は人工透析室と手術室。人工透析は従来の44床から60床に増床。そのうち8床を入院透析専用にし、入院病棟と同じフロアの3階に設置し、業務の効率化や感染症などの予防を図っている。また高齢で通院できない患者や重篤な透析患者についても受け入れ可能だ。

一方の手術室については、2室から3室に増室し、将来的には手術支援ロボット「ダヴィンチ」導入も視野に入れ、各室とも余裕あるスペースを確保している。

3階は障害者病棟(43床)、4階は急性期病棟(34床)で、特室を含め個室は21室を整備し、4床室もゆとりを持たせてアメニティ向上を図った。

最上階の5階は医局のほかに、泌尿器科の単科病院では道内初の100平方メートル超規模のリハビリ室を設置。屋外にはテラスを設置し、快適な環境でリハビリができる。理学療法士も増員し、リハビリの充実を図っている。

そのほか駐車場スペースを従来の40台から140台に拡張。敷地内調剤薬局(1階)と保育園(2階)の開設も予定しており、患者の利便性や職員のニーズに対応する。

ところで同病院は尿路結石症や前立腺肥大症、過活動膀胱に加え、腹腔鏡を用いたがん治療など、すべての泌尿器科疾患の診断・治療を行っている。なかでも力を入れているのが2018年に道内で初めて導入した「接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)」。前立腺肥大症に対する内視鏡手術で、脳疾患や心疾患などで抗血栓薬を内服している患者でも薬を中止することなく手術を行える。現在200件以上実施しており、札幌市内はもとより市外からも多くの患者が訪れている。

またサンゴ状結石の治療で道内では珍しい腎臓からの砕石と尿管からの砕石を同時に行う「ECIRS」を実施。この治療は手術スペースの確保が必要なため、今回の手術室拡充はその点でも役立っている。

診療体制も充実させ、北大から血管外科の医師が週1回診療し、透析の際の血管のトラブルなどに対応。また美唄労災病院で泌尿器科部長などを歴任した森田肇医師も週2回、外来診療を行う。

同病院は、泌尿器科の手術や急性期治療に加え、末期がんやカテーテル管理が困難で退院・転院が難しい長期療養患者や、入院透析患者の機能維持を目的にしたリハビリにも注力、ADLの向上に努めている。泌尿器科の単科病院でこのような急性期と慢性期の機能を併せ持つ病院は珍しく、近隣の超急性期病院から紹介を受け、在宅や施設までの橋渡し的な役割を担っているのも大きな特徴だ。

同病院の基本理念は「全ては病気で困った人のために」。

「仁楡会は33年間地域に密着した医療に努めてきたが、100年を目標に邁進したい。新病院の開業がその第一歩で、高齢社会への時代の変化やニーズに合わせた最善の医療を提供していきたい」と丸理事長。

 

丸 晋太朗理事長(まる しんたろう)
獨協医科大学医学部卒。北海道大学大学院医学研究科修。帯広厚生病院(泌尿器科医長)、市立札幌病院(泌尿器科副医長)などを経て、2016年4月に医療法人仁楡会の理事長に就任。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本泌尿器腹腔鏡技術認定医。