紋別観光振興公社
【2022年7月号掲載】
ANAオホーツク花回遊で地域活性化!
【湧別・滝上・遠軽丸瀬布・紋別】コンプリートで 特製Tシャツプレゼント
ANA「東京―紋別線」の搭乗促進活動を行う紋別観光振興公社らは、ANA等とのコラボで5月から「ANA×層雲峡・オホーツクシーニックバイウェイ×花回遊」を展開中だ。オホーツク管内の花の名所を4ヵ所回ると、ANA機をデザインした特製Tシャツをプレゼント、中間賞や参加賞も用意している。地域の重要なテーマである広域観光の推進に一役買いそうだ。
「層雲峡・オホーツクシーニックバイウェイ」は 上川管内上川町と紋別市などオホーツク8市町村の合計9市町村から成り、そのルートは大雪山系黒岳と層雲峡温泉、オホーツク海、山間部の渓流・滝・ダム湖、内陸部の花観光など多種多彩で変化に富む。一方で、オホーツク海やサロマ湖で獲れる海の幸や山の幸・畑の幸にも恵まれ、それらを活かした加工品は地域にとって大切な特産品となっている。
紋別観光振興公社に事務局を置き、これまでも旭川や札幌など道内各地で周知・PR活動や魅力発信の展示会などを催してきた。
花のポイント20超半年のロングラン
そうした広域観光の推進と「東京―紋別線」の搭乗促進を結び付けたのが今回のイベント、ANAオホーツク花回遊だ。
層雲峡・オホーツクシーニックバイウェイのルート上にある花のポイントは20を超える。時期は、4月中旬~下旬が見頃の湧別町芭露の水芭蕉に始まり、滝上町錦仙峡や層雲峡が紅や黄で染まる10月までと、およそ半年にわたるロングランで楽しめる。
今回のイベントはそれらの中から「東京―紋別線」の搭乗者が1泊のステイで回れる4ヵ所を対象とする。湧別町のチューリップ、滝上町の芝ざくら、遠軽町丸瀬布の藤、紋別のラベンダーだ。チューリップや芝ざくらが開花する5月にスタートした。
4ヵ所それぞれでステッカーを配布
参加方法は、まずオホーツク紋別空港観光案内所、紋別バスターミナル観光案内所、道の駅香りの里たきのうえのいずれかでスタンプカードを受け取る。
各スポットを巡り、それぞれで花やゆるキャラをデザインしたステッカーを貰う。ただし、一部に花の見頃を終え、有人管理が困難なところもあることから、貰う場所は次のようになっている。
●湧別町のチューリップ=かみゆうべつチューリップ公園で撮影した写真を引換所(紋別空港観光案内所・紋別バスターミナル観光案内所)で提示
●滝上町の芝ざくら=道の駅香りの里たきのうえ1階売店
●遠軽町丸瀬布の藤=まるせっぷ藤園で撮影した写真を引換所(紋別空港案内所・紋別バスターミナル観光案内所)で提示
●紋別市のラベンダー=オホーツク流氷公園ラベンダー畑・花のサロン(6月20日以降)
この4ヵ所でそれぞれステッカーを受け取るとともに、カードに飛行機マークのスタンプを捺印してもらう。
巡る順序は不問。終了時期は未定だが、オホーツク流氷公園のラベンダーの見頃が終わる8月上旬までとしても時間はたっぷりある。
1〜2泊のステイで地元での消費喚起を
すでに動き出している人もいる。例えば、日頃「東京―紋別便」を同日往復搭乗する紋別タッチの愛好者の一人(神奈川県横浜市)は、5月下旬にかみゆうべつチューリップ公園と芝ざくら滝上公園を訪問。ステッカーをゲットするとともに花観光を存分に楽しみ、宿泊先の紋別では旬の毛がに料理に舌鼓を打った。
今後、紋別のラベンダー畑が開園する6月20日以降に再び1泊ステイして、4ヵ所コンプリートの予定だ。
この人は、花の見頃にできるだけ合わせたため1泊ステイを2回行うこととなるが、6月20日以降は1泊ステイで4ヵ所すべてを巡ることは可能だ。その場合、東京からの375便で12時30分に到着し、翌日13時10分発の376便に乗るため、移動手段はどうしてもレンタカーとなるが、紋別を拠点に午後に湧別と遠軽、翌日午前に滝上を往復して走行距離は約200㌔。さほどタイトな行程ではない。
コンプリート賞はロゴ入りTシャツ。3ヵ所回った中間賞は遠軽町の秋の花であるコスモスのマスキングテープ。1~2ヵ所の参加賞は春夏特別ステッカー。
ステッカーとスタンプカードはいずれもANAのロゴ入り。飛行機ファンなら大抵の人が興味をそそるプレゼントで搭乗促進活動し、ひいては管内の広域周遊観光を図るのも、突き詰めると滞在による宿泊・飲食等の消費行動で地域経済を活性化させるため。同時にオホーツクの魅力をより多くの人に知ってもらうためである。
全国メディアも着目定着した紋別タッチ
「朝日新聞」に次いで「週刊新潮」も報道
全道版「179の窓」まず道新が5月22日に
ANA「東京―紋別線」を同日往復する紋別タッチ。昨年6月20日のボーイング737―700型機退役記念フライトをきっかけに、紋別観光振興公社とフェイスブックグループ「ANAプレミアムメンバー」、クラブハウス「ANA推しが集う青い沼」とのコラボによる活動が奏功し、本格的にキャンペーンを始めてから1年を経ずしてすっかり定着した。北海道新聞、朝日新聞、週刊新潮の大手メディアが4月以降それぞれ、「紋別タッチとは何か」と取り上げたのも、一過性のブームでないことを裏付けている。
道内最大のメディア、北海道新聞は4月26日の遠軽・紋別面で紋別タッチを報道し、5月22日の全道版「地域から 179の窓」欄にも掲載した。地元で話題の紋別タッチが地方面で紹介されるのは全く不思議ではないが、数ある地域の話題の中から「179の窓」の対象となったのは、関係者にとって、とても嬉しいこと。記事には「タッチの取り組みは、地方空港が抱える問題解決へのモデルケースとなるかもしれない」と記者の視点も記されている。
こうした報道は全国レベルへと広がる。朝日新聞は5月24日夕刊で、とんぼ返りで「東京―紋別便」を利用する人たちの心理や目的、地元の事情を紹介。法被姿が写真掲載された高野敦子さん(神奈川県)はパラダイス山元氏監修のランチボックスキャンペーン最終日の昨年10月30日に「フェイスブック等で話題になっていたから」と初めて紋別へ。以来、タッチの魅力に惹きつけられ、その回数は今年5月に20回を超えた。
そして週刊新潮6月9日号。これまた紋別タッチが行われる背景とともに、中島和彦紋別観光振興公社副社長のコメントで、地域医療にもたらす影響など路線を維持する理由が綴られている。当時専務だった井上慎一ANA社長が「自ら体現を」と9月3日に紋別タッチした時の写真入りだ。
根づいたからこそ大メディアが報道
全国メディアが着目するのは、裏を返せば紋別タッチが一過性のものではなく、確実に根付いている証明でもある。紋別タッチをする人の多くはANAプレミアムポイントのステータス獲得を目的とした“修行”であるのだが、その面で言えばコストパフォーマンスで効率的な「東京―那覇線」の搭乗を繰り返せば良い。しかし、那覇線を飛びながらも、同時に紋別線を入れている人たちは少なくなく、「時間や金銭に換えられない温かさが紋別空港にはある」という人もいる。紋別の関係者にとっては「ありがたい」限りだ。
Tシャツや特製ランチボックス、ダウンジャケットなどのプレゼント等の特典が多かった昨年9~12月に比べると、今年4・5・6月は目立った特典はない。そのため一時の人数ほど多くはないものの、紋別タッチをする人たちは複数日も切れることはなく、コンスタントにいる。
3日連続紋別タッチ5月に相次ぎ2人が
5月は3日連続でタッチを実行した人が2人いた。静岡県浜松市の小山知栄子さんと富山県黒部市の池田崇宏さんだ。
5月14日が誕生日の小山さん。バースデーフライトと自身の紋別タッチ20回の節目を合わせるため、前日と前々日も飛んだ。
池田さんは今年2月の「丘珠―紋別」「紋別流氷遊覧」のHAC機チャーターイベントにも参加した。5月15~17日に3日連続紋別タッチしたことで5回となった。
修行歴は今年から。フェイスブックの投稿を見て「一度行ってみたい」と思っていたところ、誕生日と重なり、バースデーステッカーを貰いに昨年11月に初めて紋別へ。その時の雰囲気が気に入り、まとまった休みが取れた5月に3日連続で羽田と紋別を往復した。
5月17日には、沖縄県名護市の川本剛さんの姿も。目標は11月30日までに50回。達成すると今年12月開催の「紋別タッチ・大感謝夕食会」(紋別観光振興公社主催)に招待される権利が得られる。
紋別に飛ぶには、まず那覇から東京へ。帰りも同じだ。沖縄便は夏から秋にかけて低気圧や台風の悪天による欠航がつきまとう。こうしたハードルを乗り越え、「50回をぜひ実現して」という紋別の関係者の声に応えてもらいたい。
飛行機ファンに支えられ、紋別タッチのカウントパネルは5月末までに約180人となった。大きな節目である200人も視界に入ってきた。