医療法人渓和会 江別病院
【2023年7月号掲載】
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「ラジオ波焼灼」や「肝動脈塞栓」肝臓がんの低侵襲治療

寺下勝巳医師は、肝臓病が専門。
肝臓がんでは、切除が必要な場合に外科手術を行うが、高齢の患者や開腹手術が適さない場合には低侵襲の「経皮的ラジオ波焼灼術」や「肝動脈塞栓術」を実施している。
経皮的ラジオ波焼灼術は、病変が3㌢未満(3個以内)の場合に適用され、腹部エコーで観察しながら針からラジオ波を照射、熱で病変を壊死させる治療法。合併症を引き起こさないよう、腹腔内に水を入れること(人工腹水)で周囲にある消化管や腹壁などの組織の損傷を防いでいる。
一方の肝動脈塞栓術は、手術やラジオ波焼灼術、全身化学療法に適さない単発がんに適用される。肝臓がんの栄養供給源となる肝動脈(栄養血管)を造影剤で特定し、肝動脈内に抗がん剤を混入させた塞栓物を詰めることで腫瘍を壊死させる治療法だ。

そのほか、肝がんの治療で最も進歩している治療の一つとして、抗がん剤を用いた全身化学療法、免疫チェックポイント阻害薬「アテゾリズマブ」などを使った抗がん剤治療を実施。
「肝臓がんには治療の選択肢が数多くあり、病態に即したマネジメントを心がけている」と寺下医師。