道南バス株式会社
【2025年4月号掲載】
【住所】室蘭市東町3丁目25番3号
【TEL】 0143-45-2131
【URL】https://www.donanbus.co.jp/
【バスキタ道南】https://db.buskita.com/
〝クレジット決済〟〝車両改造〟で満足度向上、訪日観光客と地域住民の共存実現図る
無線通信やGPSなどを利用してバスの位置情報を収集し、利用者にバスの運行状況・所要時間を提供する『バスキタ道南』や、「YouTube」で開設した『道南バスチャンネル』による各種情報発信など、時代が求めるニーズに対応。一方で『VISAタッチ決済』の導入や、車両改造による『スムーズな輸送の実現』など、今般のオーバーツーリズム対策にも傾注する。2025年は創立100周年の節目。この先も時代の最先端を走り続ける。

改造した車内(荷物 置きスペース)
「バスロケーションシステム」や、PayPayをはじめとする「タッチ決済導入」、「YouTubeチャンネル開設」など、かねてから利用者目線のサービスを追求しているが、今さらなる顧客満足度の向上を牽引しているのは、昨年10月から導入した〝クレジットカード〟によるタッチ決済だ。
クレジットカードによるタッチ決済は、【登別駅前~登別温泉】間に限定したもので、同路線はインバウンドによる利用が極めて顕著。外国人観光客が運賃支払いに戸惑うケースが多く発生していたことが導入の背景にある。
顧客満足をグローバルの視点で追求したかっこうで、今般の社会問題であるオーバーツーリズムの解消にもつながる一方、さらに多方面から注目を集めているのが〝特別車両〟の導入だ。
大きな荷物を持った観光客に対応するために車内の一部座席を取り外し、10個以上のキャリーケースが置けるスペースを確保。車内混雑緩和、スムーズな輸送の実現のみならず、運転手の負担軽減や経営改善にも効果が期待されるほか、【登別駅前~登別温泉】間の全区間の運賃を一律化させたことも速達性向上、利用者満足度向上につながっている。
独自の実習プランで乗務員支援

業界の課題のひとつに挙げられる〝運転手不足〟には、独自の採用手法で打開を図る。なかでも昨年4回にわたって開催された「会社説明会&バス運転体験会」が極めて好評だ。
体験会は、路線バスや都市間バスに同社の乗務員と同乗、教習コースを実際に運転するというもの。〝実務(運転体験)〟の後に開かれた企業説明会にも多くの参加者が訪れ、数名の運転手が採用されるなど着実に成果が表れている。
採用された乗務員は、同社が作成する一人ひとりに合った〝独自の実習プログラム〟で運転技術を基礎から学ぶことが可能。こうした充実の養成体制も同社の強みと言えそうだ。
2025年は創立100周年の大きな節目。道内唯一の高級車両「ネオプラン車両」の貸切バスツアーや異業種とのコラボ企画をはじめ、各種イベントが予定されるなど、観光客はもとより地域住民との共存を進める社会貢献活動を実施する構え。地域を支える企業として、次の100年を視野に入れた持続可能な企業を目指す。