社会医療法人医翔会 札幌白石記念病院

【2023年8月号掲載】

【住所】札幌市白石区本通8丁目南1番10号
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不整脈に「カテーテル・アブレーション」、最新鋭「3Dマッピング」で再発を抑える

宮本  憲次郎副院長・不整脈治療センター長
▲宮本 憲次郎副院長
不整脈治療センター長

 循環器内科の患者の割合は、不整脈が4割、狭心症が3割、残りが下肢動脈閉塞や心不全。

 宮本副院長の専門は不整脈の治療で、カテーテル・アブレーション治療を通算2000例以上手がけ、同院でも年間300例程実施する。

 心房細動などで行われる高周波カテーテル・アブレーション治療は、足の付け根と頸の静脈から3本のカテーテル(直径2~2・5㍉)を挿入し、疾患部位を焼灼する治療。薬物治療より予後がよく、再発率も1割程度。低侵襲なので高齢の患者にも適用できる。

 それを支えるのが疾患部位(異常電気興奮部位)を評価・特定できる「3Dマッピングシステム」。同院では、道内でも最新鋭の「ウルトラハイリゾリューション・マッピング」(2機種)やコンタクトフォースを導入し、再発の低減に努めている。

 さらに標準治療の肺静脈隔離に加え、肺静脈以外の部位(マーシャル静脈)については、局所にアルコールを注入し組織を壊死させる治療(保険適用外)を併用、再発率ゼロを目指している。
「心房細動の原因は、生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群など多岐にわたり、それらの環境因子を整えることが大切」と宮本副院長。

宮本 憲次郎副院長・不整脈治療センター長(みやもと けんじろう)

札幌医科大学卒。手稲渓仁会病院(循環器科医長)、札幌心臓血管クリニック(副院長)を経て、2016年4月から札幌白石記念病院に勤務。21年4月に副院長・不整脈治療センター長に就任。日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、日本内科学会認定内科医。