株式会社アクト

【2023年7月号掲載】

【本  社】帯広市大通南16丁目2番地2 アクトビルディング5F
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【札幌支店】札幌市豊平区美園9条4丁目1番25号 アクトビルディング3F
      TEL 011-837-4510
【函館支店】亀田郡七飯町大中山2丁目2‐6
      TEL 0138-87-1752
【URL】http://www.act-hokkaido.com/

鳥インフルエンザ対策に「クリーン・リフレ」
ミルク・ホエー浄化の排水処理システム

内海洋社長
▲内海洋社長

 鳥インフルエンザの感染拡大で、玉子の価格が高騰、店頭で品切れが起きる事態が生じている。当初、鳥インフルエンザ(H5)は、ヒトに感染しないとみられていたが、最近海外で感染による小児の死亡事例が報告されている。

 農業施設メーカーの㈱アクト(本社・帯広、内海洋社長)は、10年以上前から鳥インフルエンザの感染対策に取り組んできた。電解無塩型次亜塩素酸水を成分にした電解除菌水「クリーン・リフレ」で、畜舎の空間消毒や表面消毒、暑熱対策ができる。

「当社の調査では、鶏が飲む水は菌が多く発生し、鳥インフルエンザ感染の原因のひとつになっている可能性がある。この場合でもクリーン・リフレを1%飲み水に注入すれば、無菌状態になります(実験室での試験)」と内海社長。

▲鶏や牛などの畜舎を消毒

 クリーン・リフレの大きな特徴は「口に入っても人体に害はない」こと。抗菌効果がある水道水基準のニュートラルリフレ(PH5・8〜8・6)で、食品製造用水として国が定める水道水基準に適合している。

 いわば〝飲める水〟による消毒で、家畜の給水器に注入することで飲み水が無菌状態になるほか、クリーン・リフレを畜舎内に噴霧するだけで空気の除菌(空間除菌)ができ、クリーン・リフレの噴霧によって空間除菌と表面除菌を行うことで、鳥インフルエンザの感染を防ぐことができる。

 そのほか口蹄疫ウイルスや豚流行性下痢(PED)や豚熱などの家畜向けウイルス、新型コロナウイルスにも有効だ。牛が寝る床(牛床)に使うと乳房炎予防にもなる。またクリーン・リフレを噴霧する際、気化熱で畜舎の温度が5、6℃下がるため、牛の夏バテによる搾乳不調の防止(暑熱対策)にもなる。

▲同社の排水処理システムは、「共働学舎」でも導入

 一方、同社は水の浄化にも卓越した技術を有する。同社が販売する排水処理システムの最大の特徴は、活性汚泥法でミルクやホエーの浄化ができることだ。通常の浄化槽では、乳成分に含まれるノルマルヘキサン(脂肪分)を分解できないが、同社はこのノルマルヘキサンを食べる菌体を活用した浄化槽を開発、ミルク混入排水の脂肪分を98・5%分解・除去できる。また活性汚泥法なのでランニングコストやイニシャルコストが大幅に抑えられ、この方式を採用しているのは世界で同社のみ(多くの特許を取得済)。この排水処理システムは、チーズ工房「共働学舎」(新得町)などでも導入されている。

▲排水処理
システムの動画

 同社は、これらの技術で経済産業省の「地域未来牽引企業」に選定され(2018年12月)、道経済産業局の第7回ものづくり大賞「地域貢献賞」(18年2月)など、数多く受賞している。

「当社は地域の困りごとを解決する企業で、いま地域から数多くの相談が寄せられており、当社の技術力でその需要に応えていきたい」(内海社長)