特定医療法人さっぽろ悠心の郷 ときわ病院
【2025年8月号掲載】
【住所】札幌市南区常盤3条1丁目6番1号
【TEL】011‐591‐4711
【URL】https://www.tokiwahp.jp
重度な統合失調症に「クロザピン治療」&「認知リハビリ」

さっぽろ悠心の郷の運営方針は「リカバリー」。入院患者の半数以上が統合失調症で、長期入院が必要な重度の統合失調症の患者に①「クロザピン治療」を、退院後は②「認知リハビリテーション」の実施で、退院促進、地域移行に力を注いでいる。
①「クロザピン治療」の対象となるのは、他の薬剤(2種類以上)では十分な効果が見込めない治療抵抗性の統合失調症の患者。
「クロザピン」は重度の統合失調症の特効薬だが、まれに白血球が減少して無顆粒球症による感染症や糖尿病になるリスクがあるため、厳格な管理が不可欠だ。
治療では事前に採血で白血球の数や糖尿病の疑いの有無をチェック。服薬中も半年間は週に1回の採血や、3ヵ月に1回のヘモグロビンA1cの値を調べる必要がある。同院では採血の機器を導入し、院内で血液検査ができる体制を整えている。

「手続きは煩雑ですが、重度の統合失調症の患者の退院促進のためにクロザピン治療を積極的に導入しています」と、館農勝理事長。
退院後は②「認知リハビリテーション」で、パソコンのプログラムによる「脳トレ」を実施している(週2回)。入院患者の一部にも認知リハビリを行っている。