社会医療法人医仁会 中村記念病院

【2024年10月号掲載】

【住所】札幌市中央区南1条西14丁目291番地
【TEL】(011)231‐8555
【URL】http://www.nmh.or.jp/

脳腫瘍に低侵襲・神経内視鏡手術、「小開頭」&「経鼻内視鏡」手術

石渡  規生氏
▲石渡 規生脳神経外科副部長
神経内視鏡・下垂体センター長

 石渡規生医師の専門は、「神経内視鏡」を使った脳腫瘍手術。

 神経内視鏡の手術は脳や血管、神経へのダメージを回避するために病変の位置でアプローチを変え、頭部の上方や脳室の病変では①小切開(1~3㌢)による「小開頭の手術」(穿頭手術)が、下方にある下垂体や頭蓋底の病変には②「経鼻内視鏡手術」が行われる。通常の開頭手術と比べ患者の負担が少なく、てんかんや視神経への障害などの合併症も少ない。

 手術の適用となる疾患は、下垂体腫瘍(良性)や高血圧性の脳出血(脳室内出血)など。

 同院では神経内視鏡の手術を年間40件程実施、そのうち30件程が経鼻内視鏡手術だ。低侵襲なので通常の開頭手術では難しい90代の高齢患者の手術実績もある。小さい間口から手術を行うため、術者は出血トラブルなどが発生した際に対処できるだけの手技や経験が必要だ。

中村記念病院

 石渡医師は、日本神経内視鏡学会技術認定医の資格を持ち、脳腫瘍の患者が少ない中で術歴は通算200件に及ぶ。

「患者さんの負担が少ないメリットは大きいが、難しい手術なので合併症が起きた時の対処などを気を付けながら手術を行っています」(石渡医師)

石渡 規生脳神経外科副部長 神経内視鏡・下垂体センター長(いしわたり のりお)

千葉大学医学部卒。千葉大学医学部附属病院、君津中央病院(千葉県)、滝川脳神経外科病院(副院長)を経て、現職。日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本神経内視鏡学会技術認定医、日本内分泌学会専門医(脳神経外科)。