ニトリホールディングスがデバンニングロボットで作業効率化

▲作業効率化が一層進みそうだ(提供:ホームロジスティクス)

ニトリホールディングス(本社・札幌市、白井俊之社長)と、XYZ Robotics(日本法人東京都、蘇詠善代表)、ホームロジスティクス(本社・札幌市、丸橋雄一社長)は、ホームロジスティクスが運営する埼玉県幸手(さって)市の物流倉庫で、XYZ Roboticsが開発したデバンニングロボット「RockyOne(ロッキーワン)」の実証実験を開始した。

物流業界では、庫内のマテリアルハンドリングや倉庫管理システムなどの自動化が進む一方、負担が大きいコンテナからの荷物の出し入れ作業は人力がメインで、現場の労働環境改善が大きな課題としてある。

今回の実証実験では、とりわけ重労働である荷物を取り出す作業の自動化を通じ、労働環境の抜本的な改善と省人化による生産性向上を目指して実施するもの。

ニトリグループでは、昨年実績で年間15・5万TEU(※)にも上る輸入コンテナを取り扱っており、輸入したコンテナの大半を自社倉庫で保管するために、日々荷物の出し入れ作業が行われている。作業は大量の家具や雑貨類を5~6名1チームで対応していることから、夏場にはコンテナ内の温度が高温に。

今回導入したデバンニングロボットは、AIカメラによる自動判別と、モーションプランニング技術を活用し、ロボット単独での作業を想定。従来は5~6名で行っていた荷降ろし作業を、ロボットと積み付け作業員3~4名で実施できるかを検証するわけだ。

これにより必要人員が減り、過酷な労働環境をロボットが代替することで、労災リスクの低減が期待できるほか、夜間帯にも稼働できるため、人員確保が難しい時間帯でも在庫補充作業の効率化が見込める。

同社担当者は、
「今後もホームロジスティクスとXYZ Roboticsは、最先端技術の活用と現場課題の解決を通じて、より効率的で持続可能な物流体制の構築を目指してまいります。今回の約1ヵ月にわたる実証実験で得られた知見を活かし、さらなる自動化・効率化や、業界全体の課題解決にも取り組んでまいります」
としている。

(※)TEU:コンテナの取扱量や輸送量を表す単位。20フィートコンテナ換算。