KIZILKECI SERHATさん(トルコ出身)

(2021年10月号掲載)

クズルケチ・セルハット

”語学”だけではない”チャンス”を与えたい

「母国語と文法が似ているからですかね。それほど時間はかかりませんでした」
 日本語の受け答えが流暢との感想を伝えると、クズルケチ・セルハットさん(34)は爽やかな笑顔でこう返答した。
 トルコ出身で来日7年目を迎えるセルハットさんは、札幌大谷中学校・高等学校で英語を受け持つ教師。母国トルコ語、日本語、英語に加え、ドイツ語も操るマルチリンガルだ。

「0からじゃなくマイナスからトルコを創り上げた素晴らしい人」と、尊敬する〝トルコ建国の父〟
『ムスタファ・ケマル・アタテュルク』を語る顔つきは真剣そのものだが、一転趣味のサッカーの話になると、すぐに生き生きとした表情に。『ユーロ2020』のトルコ戦ともなれば、陽が昇らぬうちから気持ちを高めていたようで、強豪として知られる同校サッカー部の練習にはゴールキーパーとして参加。「私からゴールを決めた選手は必ず上手くなるよ」と笑う。

就業当初は電話対応に苦戦する場面も見られたが、今では同僚からの信頼も厚く、取材中には「先生イケメン!」と生徒から声をかけられることも度々。人気者として活躍中だが、〝就活時〟は相当な苦労もあったとか。

 セルハットさんはトルコ人。採用担当者が〝トルコ人が英語を?イギリス人かアメリカ人の方が〟──となるのは想像に難くない。
 困難が続くなかでたまたま目に留まったのが英語教員を募集する同校のサイト。これまでの活動、想いをすべてトルコからメールで種市政己校長(当時)に送ったところ、後日採用が決まったという。
「この学校は私にチャンスをくれた。だから私も英語力だけではなく、さまざまな〝チャンス〟を生徒たちに与えていきたい」


KIZILKECI SERHATさん

クズルケチ セルハット

トルコ出身

教師

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