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ヘルスケア 〜症状から治療まで〜

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ヘルスケアイメージ

【耳鼻咽喉科】花粉症、喉頭がん、難聴…ドクターがアドバイス

 「ヘルスケア大百科」は病気にならないための健康情報に加え、診療科ごとに顕著な病気を専門医に解説してもらうシリーズ。最新のトピックスを掲載、また食事について識者のインタビューを加えた。
今月は「喉と鼻、耳の病気」についてわかりやすく紹介する。

【はじめに】コミュニケーションや免疫に欠かせない「喉」・「耳」・「鼻」の働き

喉(咽頭)には①発声、②上気道(空気の通り道)、③嚥下(ものののみ込み)の際に気道を閉鎖してむせないようにする、3つの働きがある。咽頭の中の声帯による空気の振動で声を出し、耳で聴くことでコミュニケーションをとる。
鼻は、①加温・加湿、②嗅覚、③防御・免疫の機能がある。③は有害物質をブロックする半面、それが原因でアレルギーになりやすい(図1)。

【アレルギー性鼻炎】アレルゲンが原因で「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」に

アレルギー性鼻炎は、①年間を通して起こる「通年性」と②一定の時期に発症する「季節性」がある。①はダニやペットの毛などのハウスダストが原因、②は花粉が原因で、これらを「アレルゲン」と呼ぶ。
アレルゲンが鼻に入ると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が出る。鼻の粘膜に存在する肥満細胞と呼ばれる細胞からヒスタミンやロイコトリエン、トロンボキサンという化学伝達物質が放出される。ヒスタミンは鼻の神経を刺激してくしゃみと鼻水に、ロイコトリエンやトロンボキサンは血管を刺激して鼻づまりに関係するといわれている(図2)。

【花粉症】北海道に多い「シラカンバ花粉症」

北海道の花粉症は、シラカンバによるものが多い(図3)。
北海道では、春のシラカンバやハンノキ、スギから始まり、夏はイネ、秋はヨモギの花粉が飛散する(図4)。どの時期に症状が出るかでどの花粉症なのかが判断できる。
正確な診断では、鼻鏡で鼻の中を診て、下鼻甲介(粘膜が突出した部分)の色を調べる。下鼻甲介が青白だと花粉症。また鼻水を綿棒でとり、その中の好酸球の量を調べ、血液検査ではigE抗体の値を調べる。
治療では、マスクをする、部屋の掃除をするのが第一。次に抗ヒスタミン剤による薬物治療で鼻水などの症状を抑える。最近は舌下免疫療法といって、アレルゲンのエキスを舌下に載せ抵抗性を高める治療も行われているが、口が腫れるなどのアナフィラキシー反応が出る場合もあるので、専門医と相談して欲しい。

【難聴】外耳・中耳の「伝音難聴」内耳の「感音難聴」




外耳から入った音は、鼓膜に達し、耳小骨を通して蝸牛に伝達される。蝸牛内部に並んだ有毛細胞が音の刺激を受け、脳に電気信号を送る(図5)。
難聴には①外耳や中耳に原因がある「伝音難聴」と②内耳や蝸牛神経、脳に原因がある「感音難聴」がある。②は内耳にある有毛細胞が加齢とともに数が減っていく病気。
高齢者の難聴は、周波数の高い音から聴こえが悪くなる。言葉は、母音(あいうえお)と子音で成り立っているが、高齢になると低い周波数の子音が聴こえにくくなる。たとえばお母さんの「おかあさん」が「おあああん」に聴こえてしまうのだ。
母音と子音を周波数ごとに並べた図を「言葉のバナナ」と呼び、補聴器の調整に使われる(図6)。

●【アレルギー性鼻炎】成長につれ「アトピー」→「喘息」→「鼻炎」
アレルギー体質の子どもの場合、生後まもなくアトピー性皮膚炎が出現し、幼児期に気管支喘息が、思春期にアレルギー性鼻炎が起こりやすい。成長とともにアレルギー疾患が進む現象を「アレルギーマーチ」という。
皮膚科や呼吸器科、耳鼻咽喉科と連携、早期に治療することが大切だ。

【喉頭がん】転移しにくい「声門がん」転移しやすい「上部・下部がん」

喉頭には左右一対の声帯があり、声帯と声帯を囲む空間を「声門」という。声門より上を「声門上部」、下を「声門下部」と呼ぶ(図7)。
喉頭は、空気の通り道だけでなく、声帯を振動させて声を出す働きもある。また飲食物を間違えて気管に入る誤嚥を防いでいる。
喉頭がんは、前述の3つの部位によって①「声門がん」と②「声門上部がん」、③「声門下部がん」に分けられる。
最も多いのが①「声門がん」で、喉頭がんの約7割を占める。声門がんは進行するまで転移しないのに対し、声門上部がんと声門下部がんは周辺のリンパ液の流れが豊富なためリンパ節に転移しやすい特徴がある。
以上の3つのがんの症状や治療については、北大の本間明宏教授がインタビューでわかりやすく説明しているので、参考にしていただきたい。

【運動】呼吸法で耳鳴り改善

耳鳴りに即効性があるといわれる運動(呼吸法)を紹介する(図8)。
まず椅子に座って①後ろで手を組み合わせ、②上体を倒したまま呼吸をゆっくり3回繰り返す。次に③上体を起こしながら腹部を意識して呼吸して呼吸を3秒止める。②と③を3回繰り返した後は、①に戻り全体で3回行う。

【喉頭がん】症状がなく進行しがちだがⅢ期以上でも手術で治せる

▲北海道大学
耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
本間 明宏教授

――原因と症状は。
喉頭がんは、がんの中で最もたばこと関わりが深い。喉頭がんは①「声門がん」(全体の70%)と②「声門上がん」(25%)、③「声門下がん」(3%)に分かれ、①は声がかれる初期症状がありますが、②と③はほとんど症状がなく、「声がかれる」、「ものが食べにくい」症状が出た場合には進行している場合(Ⅲ~Ⅳ期)が多いです。

――治療は。
治療は、手術あるいは放射線治療が行われ、進行した場合には薬物治療を補助的に併用します。手術は進行の度合に応じて「内視鏡手術」(Ⅰ~Ⅱ期)や「喉頭部分切除」(Ⅱ~Ⅲ期)、「喉頭全摘」(Ⅲ~Ⅳ期)を行います。放射線治療はⅠ~Ⅳ期のすべてに適用され、Ⅰ期での5年生存率は90%以上。手術と比べ声の質を維持できるメリットがあります。
喉頭がんは、進行しても手術で治ります。全摘後の5年生存率はⅢ期で72%、Ⅳ期で47%。Ⅲ期以上の場合、手術を勧めています。

【難聴】内耳の有毛細胞が障害される高齢者の難聴

▲札幌医科大学
耳鼻咽喉科学講座
高野 賢一教授

――難聴の種類は。
①外耳や中耳に起きる「伝音難聴」と、②内耳に起き、高齢者に多い「感音難聴」。①は手術や薬で治ることがあるが、②は治しにくい。
内耳には、音を感じる有毛細胞が密集し、デリケートな場所です。高齢者の難聴では有毛細胞が徐々に障害され、一度障害されると再生は困難です。

――治療は。
①の耳垢が原因の場合には耳垢除去や薬物治療、中耳炎が原因の場合は耳小骨の再建手術を、慢性中耳炎で鼓膜に穴があいている場合には鼓膜形成術を行います。
②は、薬剤(ビタミンB12など)を投与するほか、補聴器で聴力を補います。症状が重い場合には、皮膚の下に補聴器を埋める手術や、内耳の中に電極を入れる「人工内耳」の手術を行います。
人工内耳は音の調節などのアフターケアが大切で、札幌医大では帯広、函館、室蘭の医療機関と連携して遠隔医療で音の調整を行っています。

【アレルギー性鼻炎】異物を排除する生体防御機能が過剰に働くのがアレルギー性鼻炎

▲旭川医科大学
眼科学講座
柳 靖雄教授

――アレルギー性鼻炎とは。
鼻には外界にある有害な物質がからだの中に入ってこないように、免疫を起こして排除する働きがあります。その免疫機能が症状になって現れたのがアレルギー性鼻炎です。
アレルギーには通年性と季節性の2種類がありますが、通年性ではハウスダストやダニ、ペットの毛などがアレルゲンになります。季節性は花粉で、「花粉症」と言います。本州ではスギ花粉症が多いのに対して、北海道で最も多いのがシラカンバ花粉症で、5月の大型連休の前後になりやすい。イネ科やヨモギの花粉症は夏・秋に多くみられます。

――症状と治療は。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりがひどくなり、目も痒くなって涙が止まらない。1ヵ月経つと治ります。
治療は抗ヒスタミン剤による薬物療法。最近は舌下免疫療法といって、アレルゲンのエキスを舌下に載せることで抵抗性を高め体質改善をはかる治療も行われています。

【食事】腸内細菌の活発化で免疫をコントロール

▲札幌医科大学
保健医療学部
基礎臨床医療学
齋藤 重幸教授

花粉症は、花粉のようなアレルゲン(抗原)に対してからだを守る免疫機能が過剰に働いてくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状を呈するものです。
食事で花粉症を治すことはできませんが、予防の観点から免疫をコントロールするものとして、腸の中の細菌(腸内細菌)が注目されています。
具体的には、ヨーグルトなどの乳酸菌や納豆などの発酵食品があげられます。ほかにキムチや糠漬けのような発酵食品もよいでしょう。
また腸内細菌は食物繊維を栄養にして増殖するため、ゴボウやニンジン、レンコンといった根菜類で食物繊維を日常の食事に取り入れることをお勧めします。
そのほか、腸内細菌を活発化させるのにオリゴ糖もよいといわれています。オリゴ糖はインゲン豆やバナナなどに多く含まれており、これらを摂取することが、花粉アレルギーの緩和につながるとされています。

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