【2021年11月号掲載】

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コロナ禍の除菌対策で正しい商品提供に努めたい

 

▲菊地 匡彦氏

新型コロナの除菌対策で次亜塩素酸水が注目されている。そこで次亜塩素酸水溶液普及促進会議(JFK)の理事でESI㈱社長の菊地匡彦氏に、家庭内感染での対策やその普及活動について語ってもらった。

――菊地社長が理事を務める「JFK」では、どういう活動をされていますか。
JFKは「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」の略で、次亜塩素酸水を扱う業界の方々が力を合わせて科学的認識をきちんと共有してユーザーさんに誤解のない正しい商品を提供することを趣旨に設立しました。

――次亜塩素酸水の定義は。
次亜塩素酸水は、大別すると①電解でつくる電解生成方法と②次亜塩素酸ナトリウムと酸性溶液を複合してつくる二液混合方式、それから③ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを利用した粉体還元方式の3種類があります。そのほかにも炭酸水を利用する方法で生成するなど、いくつかあります。

次亜塩素酸水というのは、微~弱酸性で理想的なPH値は、「5~6・5」で「中性」以下です。昨年のNITE(公的機関・独立行政法人製品評価技術基盤機構)の発表では、疑酸性の「7・2」までの領域のものも含んでいます。塩素濃度とPH値が同じ条件でできている塩素溶液、言い換えれば塩素濃度とPH値が同じであれば、製法にかかわらず同一の「次亜塩素酸水」であるとする正式見解が出ています。

JFKが次亜塩素酸〝水溶液〟普及促進会議としているのは、次亜塩素酸水という名称にこだわらず、次亜塩素酸を主成分とする水溶液という趣旨です。

商品選びで大事なのは、その原料、そして製造方法、それから製造年月日と推奨使用期限がきちんと記載されていること。そういった商品を消費者が選定されることをお勧めします。

空気感染には「空間除菌」が有効

――次亜塩素酸水は、農業や水産加工の現場で使われていますね。
私たちが大手の酪農研究所と共同で開発した高出力霧化装置「ワイドリー」という機械は、幼少牛を育てる育成牧場で主力に使われています。幼少牛は感染病にかかりますが、空気感染によるものが非常に多い。それを防ぐために牛舎内で空間噴霧を行っています。空間噴霧で死亡率が激減した数値が出ており、私たちは5年前から一緒にやらせてもらっています。

――次亜塩素酸水の空間噴霧で人的被害の例はないのですか。
ええ。私は北海道に次亜塩素酸水を持ち込んで20年ぐらいになりますが、一度もそういった例はありません。当社では次亜塩素酸水溶液の空間噴霧を24時間行い、業務を行っています。世界基準として認められているものに、空間内の「塩素ガスの環境許容値」があります。「次亜塩素酸水の環境許容値」は数値としては存在しないため、それに代わるものとして「塩素ガスの環境許容値」があります。これが「0・5ppm(=500ppb)以下」で、通常私たちが空間除菌で超音波霧化器を利用して噴霧している時の水溶液の推奨濃度は「20ppm~、上限は80ppm程度」としています。最も濃い濃度(80ppm)で長時間空気中に噴霧させても、また水滴が落ちる程度の湿度が100%に近い状態を連続させても、空気中の気体状次亜塩素酸濃度は「10ppbから30ppb」程度にしかならず、同基準値の10分の1以下に抑えられています。

JFKが推奨する次亜塩素酸水溶液の商品群での空間噴霧は正しい利用方法を守ることを前提に、すべて世界基準の環境許容値濃度以下です。それでいて空間噴霧時に空気中のウイルスや菌、匂い分子を確実に除去できるエビデンスがあります。詳しくはJFKのホームページを参照して下さい。

――家庭内感染については。
最近の報道では、新型コロナウイルスは空気感染であると言われています。いままでは飛沫感染とエアロゾル感染が原因ということで、衝立やソーシャルディスタンスのような対策が行われてきました。空気感染は接触感染とは違って、その空気を吸い込みウイルスが肺の中に入ることで感染します。手指消毒やマスクなどで直接の接触を避けても空気感染である以上は、防ぐことは難しくなります。

私は根本的な防衛策としては空間除菌しかないと思っています。巷では、3密回避のために「アルコールを24時間提供しない」、「夜8時までのアルコールの提供や営業時間の規制」が行われていますが、そういった対策だけでは経済回復は見込めません。経済回復のためにも空間除菌は有効です。ちなみに次亜塩素酸水は匂いも瞬間的に除去します。空気中では匂い分子である有機体が浮遊し、鼻の粘膜に付着し匂いとして感じることができます。次亜塩素酸水の空間噴霧で匂い分子と接触し、瞬時に有機分解で消滅させてしまう。空気中のウイルスや菌も同じ理屈で次亜塩素酸水は非常に有効だということです。

いま家庭内クラスターがあちこちで発生しています。それを防ぐ方法は、空間除菌しかありません。私の知人がコロナに感染しましたが、病室がなく、自宅待機になりました。「どうしたらいいですか」との相談があり、隔離部屋に超音波霧化器を1台置いて行動範囲についてもスプレー噴霧を併用しながら全体に空間噴霧を徹底させました。その結果、ほかの家族は感染しませんでした。実際に空間除菌でクラスターを防いだ事例です。

JFKの「認証シール」配布

――普及における課題は。
厚生労働省が発表しているように、有人環境下で空気中に浮遊するウイルスや菌を除去するための空間噴霧用薬剤や薬品として登録されているものには、1つも認められたものはないのが現状です。次亜塩素酸水はその禁止薬剤に入るかという点に対する質問で「次亜塩素酸水は含まれない」とのWHO(世界保健機関)の正式見解があります。次亜塩素酸水は薬剤ではなく雑貨品なのです。「雑貨品扱いでも次亜塩素酸水は空間除菌の効果がある」と、私たちはエビデンスをもとに主張しています。

昨年6月のNITEの発表で「空間除菌をお勧めしない」という文言がありますが、自治体や学校では経産省、厚労省、消費者庁がお勧めしないため、空間除菌することができません。「空間除菌をお勧めできない」のではなく、「空間除菌をするのであれば、各メーカーさんのエビデンスおよび使用方法をきちんと学んで実施してください」という文言に変えていただきたい。私たちの考え方からいえば、正しい次亜塩素酸水を使っている以上、絶対に事故は起きないと言い切れます。でも、これに便乗して知識のない業者、いい加減な業者、金儲けのための業者がたくさん出たことも否定できない。「正しい商品だけにしたい」、「消費者がそれをきちんと選択できるようにしたい」。そういう目的で、JFKでは厳しい規定を設けて「商品の認証シール」を10月から配布することになりました。

これからも科学的認識をきちんと共有してユーザーさんに誤解のない正しい商品を提供していきたいと思っています。