道民雑誌「クォリティ」は、政治・経済をはじめ、北海道のすべてがわかる総合月刊誌です。

男と女の事件簿

  • HOME »
  • 男と女の事件簿

男と女の事件簿イメージ

生徒ばかりか母親も 熱血教師の過ぎたる面倒

【T市発】■月□日、道教委は教え子の保護者と不適切な関係を持った男性教諭(28)を減給1ヵ月とする懲戒処分を発表した。関係者の話を総合すると、教諭は不登校の生徒を訪問指導しているうちに母親と性的関係を持ったという。教諭は独身で、同校が初任地。地域では熱心なセンセイとして知られていた。

腕の中で久美子は静かに寝息を立てている。ついさっきまで、肉付きのいい小柄な体を弾ませ、激しく喘ぎ声を上げていたのが嘘のようだ。
隆は久美子を抱くたびに自己嫌悪に陥っていた。嫌いなわけではない。愛くるしい美人で、いつも一緒にいたいくらいだ。隆が教師で、久美子が教え子の母親という関係でなければ。
久美子は42歳。中2の一人息子の担任が隆だった。半年前、その息子が突然、学校に来なくなった。調べると、クラスの連絡網に使っていたLINEに「キモい」「臭い」などと息子を中傷、罵倒する文面が繰り返し載っていた。
どうやら真面目で、成績もよく教師たちに可愛がられていることに嫉妬した女子生徒が書き込んだのが発端で、それが面白半分で広がったらしい。いくら遊びのつもりでも、標的になった子どもには集団いじめに他ならない。
担任として責任を感じた隆は書き込みを加えた生徒を個別に呼び、いじめがいかに人を傷つける行為かということを諄々と説き反省させた。その一方で、久美子の自宅に日参し、「みんなも謝っている。登校してほしい」と説得した。
だが、傷つきやすい年ごろだ。本人は「もう、みんなの顔も見たくない」とかたくなだ。母親の久美子も転校を口にし始めていた。

その日、職員会議が夕方まで長引き、帰宅が遅くなりファミレスで食事していた時、携帯に久美子から連絡が入った。

「あの子は父親の元に行きました。もう、センセイには面倒をかけることもないと思います。ありがとうございました」

電話の声は丁寧だが、その暗さが気になってそのまま自宅を訪ねると、久美子はドアを開け、隆の顔を見るや、抱き着いてきた。

「落ち着いてください、何があったんですか」

そうなだめて、2人はひとまずリビングで向き合った。

「ゆっくり、経緯を話してください」

そう促すと、久美子はこれまで語らなかった家庭の事情を説明し始めた。
単身赴任していると言っていた夫は、実は別に女が出来て別居しているということ。そして息子の不登校を知った夫がこの日、突然訪ねてきて「お前には大事な子どもを預けられない」と言い残して連れて行ったことなどを泣きながら訥々と話した。

「ワタシ、子どもまで失くしてしまうんですか」

そう不安を漏らす久美子が不憫だった。「大丈夫ですよ」と隆は肩を抱いて慰めていたが、鼻をくすぐる濃密な香り。いつしか唇を重ねていた。
久美子の肌はすべすべで吸い付くようだった。そして何より敏感で、どこに触れてもピクンピクンと体をのけぞらした。教え子の母親を抱くことは教壇に立つ者の職業倫理に反する。そんな道徳観を忘れさせるのに久美子の体は十分、魅力的だった。

「センセイ、寂しい」

うわ言にように繰り返す久美子をなだめるように胸を吸い、秘所に舌を這わせると、甘い吐息が漏れた。多分、夫と別居して以来、熟れた体を持て余していたのだろう。最後は久美子の方から「お願い、来て」と誘った。
隆は経験が少なかった。だから、行為も単調でありきたりなものだったが、久美子は上り詰めるにつれて我慢できなくなったのか、より密着するように隆の腰に手を回し、腰を振り始めた。いつも優しい母親の表情を崩さなかった久美子が淫らによがる。隆は異常な興奮の中、暴発した。

「ゴメン、余りに気持ちが良すぎて」

隆の謝る言葉を遮るように、久美子は舌をねじ込んできた。

「いいの、気にしないで。今度はワタシが…」

夫に息子を連れ去られた不安を忘れたいかのように、久美子は隆の体をまさぐった。乳首に舌を這わせながら、果てたばかりの分身をしごく。むず痒さがいい。さすがひと回り以上年上の人妻だ、男のツボを心得ている。上半身をさんざん這った唇は、下半身に向かい、隆は再び、元気を取り戻した。
教師と教え子の母親。背徳感がよけいに2人を高ぶらせた。
息子が父親の家に行っているうちは久美子の自宅で。息子が父親のところから戻ると、隆のアパートに場所を移して、互いを貪り合った。

だが、小さなマチだ。頻繁に会えば、いくら気を付けても誰かに知られる。
久美子の息子がやっと学校に通い始めたころだ。校長のもとに写真同封の手紙が届いた。

「オタクの男子教師が教え子の母親と不倫しています。この通り、2人が会っている写真が証拠です。校長の手に負えないなら市教委に連絡します」

小心者の校長は文面に「市教委」とあったことから、自分の履歴に傷がつくと慌てた。

「これは本当のことなのか」

校長室で、教頭立ち合いの下、厳しく叱責された隆は頷くしかなかった。

「教育委員会に報告する。処分が決まるまで謹慎してもらう」

校長は即日、断を下した。
その後、久美子からは「ごめんなさい」という電話が一本あったきりだ。

 

(実際にあった事件をヒントにした創作です)

PAGETOP
Copyright © 月刊クォリティ All Rights Reserved.
このページに掲載された内容の著作権は、株式会社太陽に帰属します。 無断での複製・掲載・転載・放送等を禁じます。

※コンピューターの漢字表示制限により、一部の漢字をひらがな等で表記している場合があります。