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男と女の事件簿

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クスリ常習の身勝手男 元妻を道連れに

【S市発】■月□日、S地裁は自宅で元夫と共謀して覚せい剤を使用したとして逮捕・起訴された女性被告に対して「元夫に騙されて注射された疑いが強い」として無罪(求刑・懲役2年)を言い渡した。判決によると、女性は警察の取り調べ段階から「元夫から疲れがとれる栄養剤だと言われ、注射された」と主張。いったんは同意した調書についても「刑事から『裁判で説明すればいい』と言われ、供述調書に指印を押してしまった」と訴え、裁判官は「説得力がある」と指摘した。

 「どうして断れなかったのか」
里美(33)はベッドでため息をついた。横では2年前、離婚した洋一(38)がいびきをかいている。
洋一は半年前から、ちょくちょく里美を訪ねてくるようになった。離婚の原因となったホステスと別れたらしい。そして訪ねて来るたびに「復縁」を持ち出すのだ。
「好きな女ができた」と一方的に離婚したのに、女と別れたからって、また、よりを戻そうなんて虫が良すぎる。いくら未練のある男でも、女としてのプライドが許さない。だから「復縁」を拒んできた。
だが、今夜は違った。里美は離婚後、勤め始めた建設会社で上司から仕事上の単純ミスで激しく叱責され、落ち込んでいた。それを打ち明けると、洋一は「君らしくないね。きっと疲れているんだ。忘れるのが一番」と慰めてくれた。その言葉が里美の気持ちを和らげた。そして洋一はカバンから注射器セットを取り出した。
「良いクスリだよ。疲れが取れる」
「注射なんて嫌よ」
「最近、オレも疲れっぽくて時々使っている。知り合いの薬剤師からもらった栄養剤だから大丈夫」
そう促されて、里美も気乗りしないまま右腕を差し出した。
確かに、注射されて疲れが一気に吹き飛んだ。というより、気分が高まってきた。ちょうど生理も近い。しばらく男っ気のない体も疼いた。

洋一の愛撫は執拗だった。乳房をなめ回し、乳首を甘噛みしてくる。元夫だけにツボを心得ている。秘所が十分、潤ったころ合いを見計らって、今度は股間に顔をうずめてきた。舌で蜜壺とアナルの間をなぞる。里美が一番弱い場所だ。
「次はどこを舐められたい?」
洋一が耳元で聞いてくる。
「わかっているくせに」
心の中でそうつぶやいて黙っていると、洋一は畳みかけてきた。
「言わないなら、やめるよ」
里美はMっ気があって言葉責めは嫌いではないが、久しぶりの相手に4文字を口にするのはさすがにためらいがあった。でも、我慢できない。里美が消え入りそうな声を上げた。
「オマン…」
「聞こえない。もっと大きな声で」
洋一はしつこく要求した。
「オマンコ舐めて」
自らの発した卑猥な言葉が刺激になって、気が遠くなるほど興奮した。
「今度は舐め合いっこだ」
そう提案されて、里美は結婚していた時にはあまりしなかった「69」のポーズをとった。
洋一の顔の上にまたがってすべてをさらけ出し、目の前にあるペニスにしゃぶりつく。クスリのせいか、羞恥心も失せ、それが触られただけで鳥肌が立つぐらいの快感を呼ぶ。何回、体を痙攣させてイッたことか。

次の日も2人は体を重ねた。だが、里美には前日のような快感が沸いてこない。あれは久しぶりだったからか。寝物語にそれを口にすると、洋一は思わぬことを口走った。
「栄養剤と言ったが、あれは覚せい剤だったんだ。また、手に入ったら打ってやるよ。これでお前も共犯だな」
洋一は離婚後、同棲したホステスにクスリを勧められ、今では常習者になっていたのだ。
覚せい剤と聞いて、里美は引いた。もちろん、翌日から洋一を部屋に入れなかった。
数日後、知人から洋一が覚せい剤の所持で警察に捕まったことを電話で知らされた。別れたホステスが逮捕され、芋づる式に摘発されたらしい。
「もう、関係ない人ですから」
そう冷たく返した里美だが、心配だ。洋一は自分のことしか考えない身勝手な性格である。万一、警察にすべてを白状すれば罪が軽くなると持ちかけられたら、里美に注射した一件も明かすかもしれない。
案の定、刑事が里美を訪ねてきた。
「奥さん、注射を打たれましたね」
「栄養剤と言われたから。それに私はもう、あの男の妻ではありません」
「栄養剤ね。打ってどうでした?すごく感じたでしょ。彼はうれしそうに話してましたよ」
「騙されたんです。自分から頼んだわけではありません」
いくら否定しても、尿検査で陽性反応が出て逮捕された。
警察での取り調べで、洋一の自供をもとに里美の調書を書いていく。いかにも自分からクスリを求めたようになっている。同意の指印を求められたが、それを拒否すると、若い刑事は猫なで声で迫ってきた。
「これはあくまで形式です。指印を押しても、裁判には影響はないですから。真実は公判で話せばいい」
緊張する取り調べから一刻も早く解放されたかった里美は、刑事に促されるまま指印を押していた。

 

(実際にあった事件をヒントにした創作です)

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