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男と女の事件簿

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人妻の部下に横恋慕 「仕事人間」のレイプ未遂

【M市発】■月□日、M署は知人女性に睡眠導入剤を飲ませて意識をなくさせたとして、M市内の会社員福田雄二(57)を傷害の疑いで逮捕した。調べによると、2ヵ月前、車に同乗した30代の女性に疲労回復剤と偽って睡眠薬を飲ませ、2時間ほど眠らせた。女性が「きのう、突然、記憶を失った」とM署に相談。事件が発覚した。容疑者は「間違いない」と認めており、わいせつ目的と見られている。

男も50半ばを過ぎると、気が滅入ることが多くなる。元気の素である男性ホルモンが急減するからだが、定年がちらつき始めて先が見えてくることも大きい。雄二もそうだった。
商社マンの雄二は半年前、東京本社から道内の中堅都市のM支店に支店長として着任した。若いころから花形のエネルギー分野ひと筋。最近まで海外出張もこなして、それなりにやりがいを感じていた。
ところが単身赴任したM支店が扱うのは地味な生活物資ばかり。業績は安定していたが、10人いる社員で手が足りる。支店長といってもこれといった仕事がない。
忙しさから解放されたのだから、のんびり地方生活を楽しめばいいものだが、「仕事人間」を長く続けてきたから、それができない。生活リズムも崩れて睡眠も浅くなり、睡眠導入剤が手放せなくなった。
そんな雄二の前に明子が現れたのは2ヵ月前だ。年齢は雄二よりふた回り若い33歳。結婚で3年前、M支店を退職したが、「主婦は暇すぎる」とパートで復帰した。
パートと言っても、かつての正社員。仕事ぶりに文句はない。同僚への気配りもなかなかだ。愛くるしい笑顔も職場を和ませ、あっという間に支店の「アイドル」となった。
雄二にとって明子はタイプだった。童顔でむっちり体型。妻がやせ型だから、なおさら惹き付けられたのかもしれない。
その日は別の支店に転勤する若手の送別会だった。
コロナ禍のただ中だったが、雄二が「送別会がないのも寂しい」と提案。目立たぬように支店近くの小料理屋でささやかな宴を開いた。送別会終了後、若い社員らは2次会に向かい、雄二と明子が残されて一緒のタクシーで帰宅した。
「きょうは酔ったみたいです」
そう言いながら、明子がショートボブの髪をかき上げると、狭い後部座席、甘い匂いが鼻をくすぐった。しかもタクシーがカーブを曲がるたび、車体が傾き体を預けて来る。密着するとコートの上からでも、むっちりとした肉付きが伝わってきた。
「明子君は結婚して何年だ」
「3年です」
「まだ新婚じゃないか。子供はまだかい」
雄二がセクハラじみた質問をすると、明子は顔をポッと赤らめた。それが妙に艶めかしい。その夜見た夢で、明子は夫の腕の中で激しく喘いでいた。

以来、雄二が職場で明子を目で追うことが増えた。
ある日などは白いブラウスとピンクのミニスカートの後ろ姿にくぎ付けになった。明子は同僚に書類を配っていたが、デスクに書類を置くたびに前かがみになってプリッとした尻を突き出す。その仕草だけであらぬ妄想を膨らませ、股間を熱くした。
「旦那のように抱いてみたい」
横恋慕である。真面目な仕事人間でも邪な感情を抱く。そんなチャンスが訪れた。その日は夕方から雨が激しくなり、たまたま社用車で得意先回りをしていた雄二がそのまま明子を送ることになったのだ。
明子の自宅までは1時間弱。車中、雄二は興奮からか、言葉が出ない。口を開いたのは明子だった。
「最近、疲れやすいんです。年ですね」
「まだ、若いのに。そうだ、この薬が効くよ」
車を停めて、バッグから常備薬の睡眠導入剤2粒を取り出し、ダッシュボードにあったペットボトルの水とともに渡した。
「すぐに疲れが取れるから」
上司からそう勧められたら拒めない。明子は助手席ですぐに眠りに落ち、雄二は脇道に入って車を止めた。

想像通り、明子はもち肌だった。指に吸い付くようだ。胸をもんだ後、ブラウスの前を開き、ブラをずらす。小さめの乳首はつまむとすぐにしこり、舌を這わせると、明子は無意識ながら吐息を漏らした。
スカートを上げ、秘所に手を伸ばした。わずかに湿っている。陰部を上下になぞると、クリトリスに触れるたび、腰が浮く。たまらなくなった雄二が下着の中に指を入れていじり始めると淫猥な音が車内に響いた。さすがに本番に及ぶ勇気まではなかったが、若い人妻の敏感な体を十分、堪能した。
2時間ほどで、明子は目を覚ました。車は明子の自宅マンション前に停めていた。
「眠ってしまったみたい、すみません。着いていたんですね」
「よほど疲れていると思って、起きるまで待っていたんだ」
「支店長、きょうはありがとうございました」
そう礼を言って自宅に入った明子は着替えようとして不審に思った。パンティがわずかにめくれ、ブラジャーも少しずれていたからだ。
翌日、明子は出勤前にM署に向かった。たまたま、高校時代の親友が婦人警官をしており、事情を聴いてもらおうと思ったのだ。
「きっと睡眠薬を飲ませられたのよ。病院に行きましょう」
検査の結果、案の定、血液から睡眠薬の成分が検出された。明子はその日、支店を突然辞め、雄二はM署に呼ばれるようになった。

 

(実際にあった事件をヒントにした創作です)

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