【2019年4月号掲載】

〈みと やすとも〉
1976年4月22日生まれ、辰年。滝川市出身、42歳。滝川高校、勤医協札幌看護専門学校卒。99年㈲萌福祉サービス設立。2001年株式会社に組織変更。05年代表取締役社長。09年MOEホールディングス設立、代表取締役兼CEO。現在に至る。

「介護を必要としない世の中」の構築に必要なことは〝現場の声〟を届けること

1999年、留萌市で産声を上げた萌福祉サービス(本社・札幌市、水戸康智社長)は今年、創業20周年を迎えた。国の介護保険制度を最大限に活かした上で、〝利用者様に豊かな生活を送っていただく〟ことを理念に日々、人と地域社会に寄り添った質の高いサービス提供に努めている。
介護業界を取り巻く諸問題にいかに対処していくのか、水戸社長に話を聞いた。

持続可能な介護保険制度の実現に向けて

――日本が抱える超高齢化社会問題について。
現在、日本は世界でもっとも高齢化率の高い国となりました。生産年齢、いわゆる労働人口は減少し、2035年には日本の高齢化は33%を超えると予想されています。社会保障制度の一つである介護保険制度の持続実現には、我々介護現場の視点から、実証データやエビデンス(証拠)を基にした具体的な提案が求められていると言っても過言ではありません。

――いまこそ「パラダイムシフト」が重要かと。
介護保険法の枠組みのなかで、介護業界は各サービス・法人種別ごとの団体が多数存在しています。約180万人と言われる介護職員は、各団体に細分化された形で活動を行っているのが実情です。
こうした従来の発想を超えたパラダイムシフト(社会の規範や価値観が変わること)が介護業界にいま、強く求められていると思っています。私を含めた日本国民全てが安心した老後を過ごせる社会を実現するために、これまで成し得なかった介護業界全体が一体となる時が来たのです。

3月北海道支部発足全国介護事業者連盟

――介護の諸問題を解決するために設立した連盟とは。
こうした背景のなか、昨年6月に設立された「一般社団法人 全国介護事業者連盟」(本部・東京都、野口哲英理事長)の北海道支部が3月に設立される運びとなりました。同月23日には札幌で同支部の設立総会を開催することで、本格的な活動を開始する予定です。
私が支部長を仰せつかることになり、副支部長には池田元気㈱元気な介護社長や國本正雄医療法人健康会理事長、田中紀雄㈱ヒューマンリンク社長のほか、幹事には中元秀昭㈱さくらコミュニティサービス社長、青山央明㈱青山社長、佐藤元春㈱恒志堂社長、河合宏敏㈱ライフドリーム社長など、数多くの道内介護事業者の皆さまに組織の屋台骨を支えていただくこととなりました。
さらに、監査役には赤塚睦社会福祉法人愛全会理事長、徳田雄大社会医療法人禎心会法人本部部長に引き受けていただいています。様々な立場の方にご参加いただいていることで、〝我々の熱い思いが、必要としている関係各所に届く〟と信じています。

――主にどのような活動なのでしょうか。
まず、5大政策方針として、①現場視点によるサービス品質向上を目的とした制度改革の推進、②科学的介護手法の確立と高齢者自立支援の推進、③業務効率の向上を目指し、制度のシンプル化、介護現場のICT化・ロボット活用の推進、④介護職の処遇改善・ステータス向上等の人材総合対策の推進、⑤将来を見据え、海外・アジアの介護産業化の推進を掲げました。
「全国介護事業者連盟 北海道支部」は、より多くの一般会員(年会費無料)の皆さまと一緒に、しっかりと北海道の介護の現状を踏まえた上で、どうあるべきかを協議します。そこで集約された意見を必要としている関係各所に届けることが狙いです。
当然、介護業界全体を考えた時、一時的に自分たちの身を削らなければならない場合があるかも知れませんが、事業者がどう存続するかよりも、これからの高齢社会を事業者がどう支えるかということが私は重要だと思っています。

時代を見据えた新サービス続々

――御社独自の介護サービスにも注目ですね。
昨年は、渡島の介護事業者㈱テクノスコーワが萌福祉サービスに加入し、良い形で決算期を迎えることができました。
昨年12月に開設したデイサービスセンター「モエスタαプレミアム」も好調で、新しいニーズに応えられたと自負しています。
同センターは、厚生労働省が発表した〝健康づくりのための運動指針〟を活用したメソッドを展開し、リストバンド型端末で活動量を視覚化して、リハビリに意欲を持って取り組めることが特徴です。活動量は弊社独自のポイントに還元され、各種アクティビティの参加などに充当できます。
また、利用者様のスキルと経験を〝仕事〟というフィルターを通して発揮しつつ、社会から必要とされている実感を得ていただくため、仕事の機会を提供する団体「一般社団法人モエ・de・ワーク」も設立しました。
利用者様に合った施設内外の仕事を斡旋し、労働力を提供いただく代わりに独自ポイントを支払います。ポイント交換で対価を受け取れるので、自分の技術が他者の喜びになり、それが自分の喜びとなるので、やり甲斐や生き甲斐を見出せるのではと思います。
今後も20年間のノウハウを活かし、自助・共助・公助を通じて高齢者が輝ける機会を創出し、生き甲斐と希望に満ちあふれる高齢社会づくりを目指します。

㈱萌福祉サービス
㈱MOEホールディングス
【住所】札幌市西区山の手1条1丁目  MOE  Bldg.2F
【TEL】011-612-0310
【URL】http://moe-fukushi.com/