【2019年11月号掲載】

青山_青山央明氏

〈あおやま ひろあき〉1980年生まれ、申年。北見市出身、39歳。医療科学専門学校卒。東北福祉大学卒。言語聴覚士として病院勤務を経て、2006年㈱青山を設立し、デイサービスセンター「希望のつぼみ」開設。その後、「希望のつぼみ札幌北」や「QOL向上センター希望のつぼみ真駒内」ほか、旭川・札幌を中心に道内で展開中。

「あきらめない介護」を理念に福祉のこころを大切にした笑顔の組織に

㈱青山の青山央明社長は、「あきらめない介護」を理念に、2006年にデイサービスセンター「希望のつぼみ」を開設し、旭川と札幌を中心に介護事業を展開している。
超高齢化時代を迎える中で、介護事業のあるべき姿とは何か——。青山社長に現状と課題について語ってもらった。

本部機能の充実で「働き方」改革

——「希望のつぼみ」グループは、何名のスタッフで構成されているのですか。
弊社は2006年、私自身が言語聴覚士として医療現場に携わってきたノウハウと、「あきらめない介護」に対する強い思いのもとで創立しました。
現在は、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士、柔道整復師など国家資格を有する〝リハビリ集団〟として、スタッフは総勢400名近くいます。そのうち、リハビリ職員はパートを含め、60名います。
創業以来、介護保険の理念である「自立支援」を貫き、利用者が前向きに生活できるよう、メンタルを含めた全人的な介護に注力してきました。
今年は、北見、札幌、旭川で短時間型や1日利用型のデイサービスを行う施設が新たにオープンしました。今年10月には1日利用型のデイサービス施設「希望のつぼみ琴似中央」も札幌市西区八軒にオープンします。さらに来年1月には旭川市神楽岡に、住宅型有料老人ホーム「希望のつぼみ神楽岡」がオープンする予定です。

——介護事業の運営については、どうですか。
特に組織づくりや働き方改革について、昨年から急ピッチで推し進めてきました。まず大切なのは、介護の自立支援という名のもとに、しっかりとおもてなしや利用者の尊厳を大切にした介護サービスを徹底することです。そしてどのような環境や取り組みがなされれば、働き手が知識や経験という財産を発揮できるか、そこにこだわって取り組んできました。その結果、スタッフの仕事をより細分化した働き方改革を実行中です。そうすることによって、現場のスタッフが利用者に向き合い、集中できる環境を構築しつつあります。
働き方改革に取り組む理由は、日本が労働人口の不足を迎えるにあたり、特に働き方改革が取り組むべき課題だと思っているからです。ケアスタッフが本来得意とするケアワークやソーシャルワークに集中することで、サービスの質や利用者目線のケアの実行に移せると思っています。

——具体的には。
介護事業の管理者は、マネジメントや管理業務のほかに、介護スタッフやリハビリスタッフとして現場の仕事に従事していました。それだと手が回らないため、こころに余裕がなくなります。そのため本部機能を充実させて、相談窓口を開設して管理者や一般の職員がどんな些細なことでも相談できるようにしました。本部でできる仕事と現場の担当者ができる仕事を分けて、現場のスタッフが利用者のために集中できる組織にしました。

倫理観と質の向上が求められる時代

——今後の事業展開は。
日本で介護保険制度がスタートして、まずは不足している介護施設を充足させていく取り組みがなされました。今後は、量より質の部分と、介護事業分野で働くスタッフの倫理観と質の向上が求められます。

——介護職員による虐待などが社会問題になっていますね。
ええ。医者には「ヒポクラテス」、看護師には「ナイチンゲール」といった理想となるべき人物像がありますが、介護者には聞かれません。教育現場で、倫理的な教育や情操教育が必要だと思います。
さらに介護保険制度が持続可能な制度になるためには、事業者たちがしっかりと手を取り合って、意見交換を行い、それを政府に届けていくべき過渡期にさしかかっていると感じています。介護事業者一人ひとりが大きな視点からこの制度を見て、その中で自分の法人は何ができるかを考えることが大切です。せっかくできたこの制度が継続できるように、スタッフの賃金や働く環境、そして何よりも利用者がケアを受け続けられる環境づくりに、なお一層励んでいきたいです。

——そのほか課題は。
地域密着型のサービス種目が多くなっている中で、厚生労働省が発表していることと道が解釈していること、そして市町村が解釈している内容がマチマチで一貫性がない部分があって、それに事業者が悩まされているし、利用者のニーズに応えられない面があります。
そこで各市町村と連携をとっていかなければならないと感じています。コンプライアンスを遵守することはもちろんですが、法令の解釈が国、道、市町村でマチマチでは、事業者や利用者は戸惑ってしまいます。制度の改正についても国は市町村に対してきちんと説明すべきだと思います。その上で、地域に根付いた方法で、利用者の生活に即し励みになるようなイベントとか、日常のリハビリの成果を試すことができる取り組みを実行していきたい。
私はいま縁があって全国介護事業者連盟北海道支部の幹事、自民党道連の青年局の幹事を仰せつかっていますので、微力ではありますが、声を届けられるように努力していきたいと思っています。
介護は、もともと福祉という価値観から始まっているので、現場に立つスタッフたちが福祉のこころに重きを置いて、利用者、高齢者、障がい者と関わり、それに喜びを感じ、双方が笑顔で明日を迎えられるようにしたいです。

株式会社青山
【住所】旭川市神楽岡10条6丁目1-8
【TEL】 0166-66-3192
【URL】http://www.kibounotsubomi.com/