【2019年8月号掲載】

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胆振初の脳卒中ケアユニット「SCU」設置で脳卒中の24時間365日救急医療を実現

大川原前田院長

▲前田高宏院長

「胆振地方在住の患者さんに、都市圏と同等の医療を提供する」という理念を掲げる大川原脳神経外科病院(大川原淳理事長)は2018年5月、新築移転して3年を迎えた。

16年7月には、胆振管内唯一となる脳卒中専用の治療病棟「脳卒中ケアユニット」(SCU・3床)をスタートさせ、24時間365日の緊急医療体制を強化した。

脳卒中治療は時間との勝負と言われる。例えば、くも膜下出血の治療では、開頭によるクリッピング術と血管内治療であるコイル塞栓術を実施。開頭術は前田高宏院長が、血管内治療は大川原舞副理事長が中心となって診察している。

治療の選択について、前田院長は「患者さんの状態や動脈瘤の形状、箇所によってクリッピング術とコイル塞栓術を選択します」と説明する。

また、脳梗塞(脳塞栓)の治療では『t‐PA』が最初の選択になるが、「適用にならない患者さんにはカテーテルで血栓を除去する『血栓回収療法』を実施します。これは、足の付け根からカテーテルを挿入し、吸引カテーテルやステントの網などで血栓を除去、血流を再開させる治療法。手術時間は30分程度のきわめて有効で画期的な低侵襲治療です」と、通算400例以上の術歴を有する大川原副理事長は話す。

血管撮影(DSA)装置

▲血管撮影(DSA)装置

看護師をはじめとするコメディカル部門も充実しており、堀江ICU師長は、道内では数少ない急性・重症患者看護の専門看護師と救急看護認定看護師の資格保持者。また、日沼看護部長は教育を重視しており、院内の研修会はもとより、院外研修会への参加フォローなど若手育成に力を入れている。

診療放射線部では16年12月、バイプレーン血管撮影(DSA)装置を更新。脳血管などをカテーテルと造影剤を用いて診断し、狭窄を拡張させたり、動脈瘤に「Coil」を詰めたりする血管内治療を行うための装置で、患者に優しい設備強化といえる。

そのほか、50名超のセラピストが在籍するリハビリテーション部では、「ロボットスーツHAL単関節型」「ロボットスーツHAL下肢両脚型」に続いて、道内初となる帝人ファーマ社製上肢用ロボット型運動訓練装置「ReoGoⓇ‐J」を17年1月に導入し、着実に成果を挙げている。

大川原理事長は「昨年10月、看護記録と電子カルテを連動させたシステム『スポットチェックモニター』や最新調剤ロボットを導入。また、感染管理認定看護師を配置したことにより、『感染防止対策加算1』を算出することが可能となったことで、医療の安全管理がさらに強化された」としている。

大川原病院

▲大川原脳神経外科病院

前田 高宏院長(まえだ たかひろ)
旭川医大卒。同大付属病院、北見赤十字病院、網走脳神経外科・リハビリテーション病院副院長などを経て2011年から大川原脳神経外科病院脳神経外科部長、14年に院長に就任。日本脳神経外科学会専門医。医学博士。